第6章 補則

第1節 聴聞、意見の聴取及び不服申立て

 (聴聞の特例)
第85条 文化庁長官(第99条第1項の規定により文化庁長官の権限に属する事務を都道府県又は市の教育委員会が行う場合には、当該都道府県又は市の教育委員会。事項及び次条において同じ。)は、次に掲げる処分を行おうとするときは、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
一 第45条第1項又は第81条第1項の規定による制限、禁止又は命令で特定の者に対して行われるもの
二 第51条第5項(第51条の2(第56条の16で準用する場合を含む。)、第56条の15第2項及び第56条の16で準用する場合を含む。)の規定による公開の中止命令
三 第57条第2項の規定による発掘の禁止又は中止命令
四 第57条の5第2項の規定による同項の調査のための停止命令若しくは禁止命令又は同条第5項の規定によるこれらの命令の期間の延長
五 第80条第7項(第81条第3項で準用する場合を含む。)の規定による原状回復の命令
2 文化庁長官は、前項の聴聞又は第43条第4項(第80条第3項で準用する場合を含む。)若しくは第53条第4項の規定による許可の取消しに係る聴聞をしようとするときは、当該聴聞の期日の10日前までに、行政手続法第15条第1項の規定による通知をし、かつ、当該処分の内容並びに当該聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
3 前項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

 (意見の聴取)
第85条の2 文化庁長官は、次に掲げる措置を行おうとするときは、関係者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
一 第38条第1項又は第78条第1項の規定による修理若しくは復旧又は措置の施行
二 第55条第1項又は第83条第1項の規定による立入調査又は調査のため必要な措置の施行
三 第58条第1項の規定による発掘の施行
2 文化庁長官は、前項の意見の聴取を行おうとするときは、その期日の10日前までに、同項各号に掲げる措置を行おうとする理由、その措置の内容並びに当該意見の聴取の期日及び場所を当該関係者に通告し、かつ、その措置の内容並びに当該意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。
3 第1項の意見の聴取においては、当該関係者又はその代理人は、自己又は本人のために意見を述べ、又は釈明し、かつ、証拠を提出することができる。
4 当該関係者又はその代理人が正当な理由がなくて第1項の意見の聴取に応じなかつたときは、文化庁長官は、当該意見の聴取を行わないで同項各号に掲げる措置をすることができる。

 (不服申立ての手続における意見の聴取)
第85条の3 次に掲げる処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定(却下の裁決又は決定を除く。)は、審査請求又は異議申立てを受理した日から30日以内に、審査請求人若しくは異議申立人及び参加人又はこれらの者の代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取をした後でなければ、してはならない。
一 第43条第1項又は第80条第1項の規定による現状変更又は保存に影響を及ほす行為の許可又は不許可
二 第71条の2第1項の規定による管理団体の指定
2 前項の意見の聴取を行う者は、当該意見の聴取の期日及び場所をその期日の10日前までに審査請求人又は異議申立人及び参加人に通告し、かつ、事案の要旨並びに当該意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。

 (参加)
第85条の4 審査請求人又は異議申立人、参加人及び代理人のほか、当該処分について利害関係を有する者で前条第1項の意見の聴取に参加して意見を述べようとするものは、文部省令の定める事項を記載した書面をもって、当該意見の聴取を行う者にその旨を申し出て、その許可を受けなければならない。

 (証拠の提示等)
第85条の5 第85条の3第1項の意見の聴取においては、審査請求人若しくは異議申立人、参加人及び前条の規定により意見の聴取に参加した者又はこれらの者の代理人に対して、当該事案について、証拠を提示し、かつ、意見を述べる機会を与えなければならない。

 (裁決又は決定前の協議等)
第85条の6 鉱業又は採石業との調整に関する事案に係る審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定(却下の裁決又は決定を除く。)は、あらかじめ公害等調整委員会に協議した後にしなければならない。
2 関係各行政機関の長は、審査請求又は異議申立てに係る事実について意見を述べることができる。

 (手続)
第85条の7 前4条及び行政不服審査法(昭和37年法律第160号)に定めるもののほか、審査請求及び異議申立てに関する手続は、文部省令で定める。

 (不服申立てと訴訟との関係)
第85条の8 第85条の3第1項各号に掲げる処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定を経た後でなければ、提起することができない。


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