HTMLそれ自体はプレーンなテキストファイルである[注2]。この場合の「テキスト」は狭義のテキスト、つまり普通の「文章」という意味合いより幅広く、書式を受け持つ「タグ」と「文章」の混在の総称となっている(タグは半角英数字に限られるが、それ自体も人間が読めるという意味で、テキストに他ならない)。HTML文書は、ブラウザで見ると、タグは隠ぺいされ、文章だけが表示される。HTML文書をエディタ(テキストエディタ)で開けば、タグと文章の全てが表示される。ある意味、タグはブラウザが読むために、文章は人間が読むためにある。
HTML文書には、読む文章に加え、「画像(図)」と「リンク」という要素がある。リンクとは、別ファイルとの関係を指定できるという事である。HTML文書とHTML文書はリンクで結ぶことが出来る。
この場合の「結ぶ」とは、ジャンプできるという事だが、HTML文書と画像ファイルを結ぶ場合、ターゲットの画像をHTML文書内に埋込む事もできる(実際に埋込まれているのは画像用のタグで、埋込み表示はブラウザの機能である)。画像が扱える故に、HTMLは標準文書として万能たりうるものとなった、と言っても過言ではない。
命題2ではタグが消えているが、実際のところ、タグは文章・画像・リンクの全てを実現するために陰で働いている。
HTMLの基本は文章(以下、単にテキスト)である。テキストは自ずと構造を持っている。つまり、文書タイトル、見出し、本文、段落などである。見出しには、章・節・項といった階層性がある。こうした構造をタグで指定していくのが、HTMLの編集に他ならない。[03.7.8文書タイトル挿入]
要素の例 | HTMLでの捉え方の一例 | 開始タグ | 終了タグ |
文書タイトル | 見出し1 | <h1> | </h1> |
章見出し | 見出し2 | <h2> | </h2> |
節見出し | 見出し3 | <h3> | </h3> |
項見出し | 見出し4 | <h4> | </h4> |
本文 | 段落 | <p> | </p>(pの終了タグは省略可) |
ここでは文書タイトル・章・節・項と、見出し1〜4を対応させたが、これは決まりでも何でもなく、例えばの話である。ちなみに、見出しの階層はh6まで用意されている。具体的にHTMLのソースを示してみよう。
つまり、本文は段落を<p>と</p>でくるんでやればよい。見出しは、適当な階層を選んで、例えば<h2>と</h2>でくるんでやればよい。
ところで本ページのh2は、今ご覧のように青地に白字で表示されているが、それは、そうした物理的書式を別に指定しておいたからである。物理的書式の別指定は、スタイルシートと呼ばれる手段である。
タグの標準的な物理書式(表現形)は、ブラウザによって定まっている。つまり、特に指定しなければ、その標準書式が適用される。
書式を変えて表示するスタイルシートは、具体的には下記のようなものである(例:h2)。
これを全部解説すると複雑な話になるので省略するが、例えば青地は、background-color: #222255で表示されている。background-colorは文字通り、背景色。#222255は色の指定で、この番号だと、まあこういう色になるという事である。数字は0からfまで使える(16進数だから、9の上はa・b・c・d・e・fである)。#000000は黒で、#ffffffは白である。
[03.6.21]大昔のHTMLの文章は読みづらかった。その理由は、
いずれの点も、スタイルシートの適用で解決できるようになった。行間を開けるには、line-height を指定してやればよい。200%なら1行開けになる。実際は150%くらいが読み易いようである(好みだが)。余白は、margin で任意に指定できる。まあ、今ご覧のような具合である。
また背景色が白の場合、ディスプレイによっては眩しいことがある。僅かに背景色をつけると、目にやさしい表示になる。ちなみに今ご覧のものは、背景色を#eeeedd にしている。
HTML制作は、文章の用意から始まる。段落の冒頭は、全角スペース(空白)で頭下げしておく[注3]。見出しをセンタリングするためにスペースを使っていたら、それは削除しておく必要がある(センタリングはスタイルシートで指定する問題である)。またインデントのためのスペースも邪魔なだけである(インデントもスタイルシートで指定する問題である)。
改行の次の行の冒頭がスペースだったら、これを段落とみなして冒頭に<p>を付加する(pの終了タグはHTMLでは省略可能)。見出しは、その階層に適した見出しタグでくるんでやる。実際には、hとpで済まない数多くのタグや約束事があるが(スタイルシートの解説も省略したけれど)、取っ掛かりとしては以上のような事である。ファイル名は半角英数字とし、拡張子は.htmか.htmlにしておくこと。
[03.7.10]なおHTML最新標準への対応は、市場の実勢を考えると(ブラウザのバージョン毎のシェア)、かなり控えめなものにすべきだろう。