横田<miskij>萬や 文字放送と字幕放送


字幕放送のリアルタイム化は可能か?



字幕放送の制作関係者はよく「事前に送出できる形になっている字幕データができていないと無理」 と言われていますが、論理的には可能です。これを証明してみましょう。

NHKのBS2でもいくつかの地上波番組を再送出の目的も兼ねて放送しており、 字幕放送も多重されるようになったのは1997年10月でした。
さて、このBS2で放送されている字幕放送の信号はどのようなものでしょうか?
今時のBSテレビは垂直振幅が自動調整になっているので、画面に出てない信号を見るのが難しい。
(もっとも、某S社のテレビに関してはサービスマン用コマンドが一部で漏洩してたりしますが^O^)

しかしながら、パソコン用モニタは垂直振幅などを細かく調節できるようになっているので、 BSビデオとアップスキャンコンバータを用いてパソコン用モニタで映るように接続してしまえば、 モニタ側の調整で信号を見ることが可能だと思います。

ということで、BS2の連続ドラマを見てみたところ、字幕放送は21Hに多重されているようです。
ちなみに最近は000#に「NHK−BS2 字幕放送 999#」といったタグジャンプ付きの画面を載せています。 こりゃいいサービスですね。
そんでもって台詞と字幕のタイミングを見ると、ほぼ同時に送出していることがわかります。

15〜5分前にはパケッティングが完了してなきゃならない、っていう説明は、 送出可能なデータ形式にするための時間が必要、という意味でしょう。
また、これは民放の字幕放送についての説明でした。
実際、民放の21Hを見ていると、字幕放送がないにも関わらず他の信号がのっていることがわかります。
しかし、BSでは字幕放送がなければ真っ黒のまま、信号は一切入っていません。

物理的な事象でたとえるならば、民放の21H=混雑した首都高速、BSの21H=がらがらの地方高速道路、 といえると思います。
早い話が、信号データをリアルタイムに生成し、かつリアルタイムに挿入するシステムさえあれば、 字幕放送のリアルタイム化は実現可能なのです。
インターチェンジに相当する部分がリアルタイム挿入システムにあたります。
でもって首都高速では、あまりにも混雑しているので一部の入り口を閉鎖したりしてますが、 このような状況のために、リアルタイムに生成したデータを割り込ませることができないわけ。

そーゆー腐ったシステムなんてポイしちゃいなさい。

だったら21Hを字幕放送専用にしたら、とも思いますが、そうすると、 結構もったいない話になっちゃうので難しいところ。
もっとも、相撲中継ではリアルタイムにパケットの差し替えができています。 これは事前に割り込むスペースを空けてあるためにできたのでしょうが。


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