横田<miskij>萬や 文字放送と字幕放送


なぜ知名度があまり高くないのか?


10年経た今もそれほど知名度が高くないと聞いています。
これについて各方面から推察してみましょう。

基本的には、目にする機会が限られているためです。


放送局サイド

文字放送の画面を出し惜しみしてませんか?

とも取れそうなくらいに露出度が低いように思います。
NHKが、衛星放送の宣伝を地上波でも波状攻撃のごとくにやっている理由がわかりますか?
衛星放送を受信してない世帯に対しては、地上波でしか有効な宣伝手段がないのです。
つまり、文字放送を受信してない世帯に対して、同様に地上波で文字放送をPRすべきなのです。
これはNHKや地上民放キー局も同様なのですが、NHKはときたま思い出したように文字放送のPRを 行うだけでもまだましです。
そういう努力もせずに、「NHKはBS波を地上波でも宣伝するなど私物化してるようでけしからん」
などと批判する地上民放キー局の批判はおかしなものです。

もうちょっと考えてみてみましょう。地上民放キー局が、放送している文字放送や字幕放送のPRを行う上で、 何らかのメリット・デメリットがあるのか?
文字放送を見られると、その分だけ「表の」番組を見られなくなるという危惧は当たっているのでしょうか?
最近はワイドTVで2画面表示も行っていますよね。しかし、チューナや、4:3のTVでは、ページ待ちの間は、 表の画面を見るか、子画面で待機させるといった使い方が多いのではないでしょうか。
表のCMと、文字放送のCMが競合するっていう話は視聴者が判断することです。

また、www でのPRもさぼっている節があります。
折角、画像を無料でPRできるメディアがありながら、全く画面が判らないのでは、どうしようもないです。
関西では天気情報がかなり充実しているのですが、言葉で表すとすると
  1. 過去5時間分のひまわり画像
  2. 近畿の降雨状況+2時間後までの降雨予想地図、計4枚(マトリクス表示)
  3. 近畿の降雨確率+同上(マトリクス表示)
といったものです。
1.は、天気番組のときに放送局がこま送りしていた画像を、手元で自在に操れるようになるのは感動的です。
2.は、1画面あたりの情報量が桁違いに多いようで、2ページ分割送出となってますが、 これを見ると局地的豪雨などが簡単に把握できるすぐれものです。
3.は、2.を簡単にしたものですが、組み合わせることでお出かけ先の天気がほぼ読めるようになります。

これが、関東では知ることがほとんど不可能なんですよね。
別に、リアルタイムで現在の文字放送をweb pageにも中継しろってことではないのです。
1.に関していえば、過去のひまわり画像の中から、台風の動きがよくわかるものなどを抜粋してweb pageで 紹介するだけでも充分でしょう(出典は気象庁になるのだろうけど、報道という意味では、 著作権はそれほど問題ではないはず:もともとの気象は地球自体が発生しており、大元の肖像権は地球が所有するんでっせ。 それを人間が主張するんだから、ヘソを曲げて異常気象を連発してるのとちゃいますか?)。

これに加え、もっと悲惨なのが字幕放送かもしれません。現状では放送されている時間が限られているため、 店頭でもなかなか見る機会に恵まれません。
これでは、字幕放送がどんなのものか店に来ても「やってない」のでは話にならないでしょう。
そういう点でも、放送局の責任は大きいかもしれません。
最近はNHKが積極的に昼間の番組にも字幕放送を付けるようになってきているので、 少しは見る機会が増えてきているともいえますが。
特に「バラエティ生活笑百科」の字幕付きはポイントがかなり高いです。

あとは字幕信号入りS-VHS ビデオソフトの実現でしょうか。
これはS-VHS の画質をPRすることにもなるのだけどな。


郵政省サイド

文字放送のスポンサーではないのですか?

もっとも、極一部の字幕放送付き番組のスポンサーをされていますが、それとて不十分です。
やるならば、郵政省のCMにも字幕をつけていただきたいものです。
難聴者にも郵政省を理解してもらえることにもなるのです。
そして、数年前までは各地の郵便局には文字TV、ハイビジョンTVを置いていましたが、 最近は止めてしまったようですね。
新築の某Y郡山郵便局、結構立派な建物のわりには、クローズドなパソコン情報機器よりは、 はるかに安く、手間も少ない文字TVを1台も置いてないのはどうしたものかな?
また、旅行先で天気情報を知るとすれば、文字TVが便利(ラジオは聞こえませんがな!)なのに、 置いてそうな家電量販店は一軒もないことが多々にしてあります。
そんな中では郵便局や役所が頼りになるのですが、新築の小振りな郵便局にすら文字TVがなく、 少しばかり失望感を感じました。これも外観には妙に金をかけてたのね。

また、運良く文字TVを置いてあったとしても、年代物がずっと居座っていることがあります。
これは即刻放逐し、最新型に置き換えるべきでしょう。
なぜなら、この使い勝手は最悪の代物だからです。
これをいじった人は、まず間違いなく「文字放送って使いにくいなあ」と思い込むでしょう。
これでPRになるとはいえまい。

某公民館の文字TVなんて、高校野球中継TVに成り下がっている有り様でした。
(なぜかとなりのキャプテン端末の方が、子供のおもちゃになっていたのだが)

一度、区役所にこの辺を説明して新型を置くようにと手紙を出したことがありますが、
例によって「緊縮財政につき・・・」でした。箱物の予算と比べれば微々たるものでしょう?
むしろ、古くなったものはさっさと安価にて民間に払い下げでもして(ただし、先述の問題 がありますので、設置場所をきちんと指導する必要があります)、新型を導入するように、 新陳代謝を高めるようにしていただきたいものです。
これが、全国統一基準になれば、相当な台数になるでしょう。つまりメーカーにとっても、 数がはけやすくなるのではありませんか。

あと、年賀状のお年玉景品には最新の文字TVも用意してもらいたいものです。


販売店サイド

収益性の高いものを売りたいのではありませんか?

ずばり言って、現状では「悪貨が良貨を駆逐する」に近い状況ともいえるかもしれません。
量販店は、まだましなほうですが、それより格が落ちる店では文字TVそのものを置いてない。

量販店には、もう一歩踏み込んで、
「エアチェックした字幕放送を再生して字幕表示を展示」
してみていただきたいものです。
著作権がどーのこーの、という点では、放送局にデモテープを作ってもらうなりすれば良い。


メーカーサイド

以下の製品が欲しいですね

液晶5型やブラウン14型で文字放送?と思いますが、2つの病院に入院してみた経験から言えば、 絶対に必要です。
入院患者には高齢者も多いでしょう。音量を上げて周囲に迷惑を及ばさないようにスピーカーの配線を カットしたものや、スピーカーなしのものを用意しており、イヤホンで聞くようにしています。
とはいえ、そろそろ字幕放送を見られるようにしても良いのではないでしょうか。
また、文字放送は「ページ待ち」という特性上、普通のTVよりも長く見る傾向があるでしょう。
こうして文字放送漬けにしておけば、退院後も文字TVを見るようになるのでは?

アメリカのホテルでは、すべての部屋にCCが入っています。
日本ではそこまですぐにはできないでしょうが、ロビーには1台、希望者には部屋のテレビを置きかえる、 などのサービスをお願いしたいものですが、よくある14型の文字テレビってないんですよ。

また、東芝のITビジョンでは、双方向通信機能を備えているのを生かし、ホテル内の放送に加えて、 サーバーも用意してホテル独自の情報サービスを行うことも可能なはずですね。
たとえば通信料などの精算を問い合わせることも無人化できるわけです。
オーストリア旅行の時は、フロントからの制御で部屋のテレビをつけて、歓迎メッセージを表示させる、 という芸当もみせてくれました。

RTS
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