横田<miskij>萬や 奈良


大和北道路のパンフレットについて


大和北道路有識者委員会パンフレット (PDF形式/6.3MB)を発表しましたが、記載内容について疑問などを呈しておきます。
(ライトユーザー向けに、6.3MBを1/50くらいに減量したものも作成したほうが良いのでは?)

対象が大和北道路なので、それだけに関してしか記さないのは無理もないのかもしれませんが、 道路公団の民営化の動きなどもあるように、少ない予算で、 地域全体にとって最大の効果が期待されるように設計して欲しいものです。
したがって、渋滞している場所をもっと広く見る必要があると思われます。
それらの渋滞の動向などもよくよく分析すべきではないのでしょうか?
それらも含めて解消するように設計できれば、万々歳でしょう。

渋滞している区間は他にもあります


渋滞してる地点の地図

特に学園前駅の40分も掛かる道路は、地域の足であるバスの主要路線にもなっています。
バスを減らせば、その分、移動が不便になるためクルマに流れ、余計に渋滞する…という悪循環を引き起こしてほしくないと思います。
この道路は、アップダウンを縦貫しており、当時の事情からか、2車線(一部歩道なし)で、拡幅するにも閑静な住宅地の中、 という環境が破壊されることを考えると厳しいものです。
また近鉄の先代社長がお住いという高級住宅地という事もあり、野暮図な再開発も阻まれるでしょうから、かなり難しい所です。

私が住んでいた所の一条通りも、土曜の夕方は24号へ出るためにぎっしりになります。
クルマを利用する各々の移動先をきちんと吟味しないといけないと思いますが、それらが精密に報告されていないように思います。
平城京跡から続々と発掘されている木簡を細かく調べて、積荷の移動変遷などを突き止めている研究家の苦労を比べれば、 道路わきに立ってアンケートを配って回答を頂くのはそれほど苦労しないんじゃないでしょうか?
しかもインターネットが使えるのですから、それを使って具体的に回答を頂くことも可能でしょう。(精度の問題はあるにせよ)
アクアラインの利用増大にはどうしたらいいの?という目的のアンケートを、東関東自動車道の料金所で受け取ったこともあります。

ちょっと改善されたところ


改善されてる所もあります

右上の緑の線は、京奈道路をそのまま延長した形で住宅地の中へ接続し、国道369号にやっと接続します。
動線を考えると、柳生などから市街地を経由せずに京都へ抜けられることになります。
逆に京都からはそのまま割と整備されている2車線のR369から名阪国道の福住へ抜けることができます(そこまで通る人がいるか疑問ですが)。
福住をそのまま南下すれば榛原を経由して景色も良い田園地帯の信号が少ないR370を通って東吉野、大台ヶ原へと行けます。
大台ヶ原からの帰りはいつもこちらでした(なので、ナイショにしたかった…)

あまり気付かれない所とは思いますが、上側のR163から近鉄富雄駅を経て阪奈道路、 第二阪奈、R25、交差点にインタチェンジがないけど西名阪をつなぐ県道7号線・枚方郡山線は、 途中を除いて富雄川を挟んで片側2車線・計4車線の立派なものに整備されています。
既に郡山ICから南が決まっているけど、まだ建設してないのなら、これをちょっと西にずらしたらどうでしょうか。
理由は、その直上を東西に走るR25が2車線しかなく、しかもR25から郡山ICへ向かおうとすると、 R24へ「右折」する必要があり、かなり渋滞しているのです。これを分散する必要があるのではないでしょうか?

R25だって混んでます

R24から京奈和道路へ入るには、別にR25を通らずとも、郡山ICから入っていけるんですから。
ただ、西名阪の車線を増やす必要はありますが。
こうして、南の西名阪にインタチェンジを設置し(西の法隆寺ICからは1.3km、東の郡山ICからは2km)、 途中の隘路をちょっと迂回するか等価交換なりして、がんばって4車線にして、 北のR163を整備していけば、南北の通過には間に合うんじゃないでしょうか?
でも、山田ICからR163を延々走るのはちょっと…って所かもしれません。

作りかけの大和中央道路


大和中央道路

富雄回りはちょっと遠い、学園前駅の道路は拡幅できないとなると、他はどこ?となると、 押熊から南に伸びる大和中央道路があります。
しかし、途中でぐにっと曲がって近鉄平城駅の踏切を渡って、奈良ファミリー(大型百貨店)の超混雑するわきを通り、 秋篠川ぞいの道へ連絡させて、阪奈道路に接続してます。
本当はもうちょっと東の県道9号線・奈良大和郡山斑鳩線に連絡して、これを大和中央道路と称してるみたい。
ちょっと戻って、この「ぐにっと曲がる」所をほぼ真っ直ぐ南下させると、第二阪奈の宝来ICにつながるのが判ると思います。
実際に現地を見たこともありますが、近鉄奈良線の北側は学園前と違い、畑が広がっていて、住宅も少ないです。
近鉄に近づくにつれて住宅が増えてきますが、ここら辺から宝来までは4km程になります。
ここからは普通の深さのトンネルにしたらどうでしょうか?直上を通る住宅には何らかの補償が必要かもしれませんが。
また、5km以上のトンネルを通れないという、危険物輸送車両の通行制限も解消できます(あまり気が進まないけど、トンネル内防災設備を万全にするかして)。
しかも、委員会が発表した西側エリア案では、わずかに掛かっている佐紀盾列古墳群を完全に迂回できます。
第二阪奈からは、先述の県道7号線を経て西名阪に辿り着くことができます。
もちろん、第二阪奈にはICを設けて、ETC を設置するなりして通行しやすくする必要があるでしょうけど。
例えばETC を使って第二阪奈を経由して西名阪や京奈和道路を利用したら、多少なりの割引を実施しても良いのでは?

で、R24はどうするの?


大動脈どうしの交差点に3つも信号?

ちょっと戻って、委員会のパンフレットでは、ならやま大通りとR24が交差する所の渋滞が激しい、 と記されてますが、とって付けたような連絡道路で、それぞれに信号が設置されているという、 古くは阪奈道路、そして、ならやま大通りの美しいクルマの流れをせき止めるのが趣味としか思えないような人が 設計したとしか思えないような構造が原因だからでしょう。
ちなみに欧州では、立体交差、分散・誘導を上手に設計して信号の設置を極力回避しているのです。
これが日本だ、というのなら構わないのですが、折角の立体交差が可能な地形を上手に利用しないのは、折角の工費が勿体ないと思います。

上記のような地点の改良をしてから、大和北道路を改めて考えてみてからでも遅くはないかもしれません。
誰でも思いつきそうな、しかも効果がはっきり判る中小規模改良事業に、金が出せないのなら、 それよりもっと高くなる超大規模事業に金はもっと出せないんじゃないでしょうか?
その金は国民からいただいている税金からではないのでしょうか・・・

しめくくり

奈良を離れて3年目の正月を迎えた、今は奈良に住んでない人がどうこう言うのも気が引けるし、 奈良でお世話になっている各々の知り合いの家の近くの道路が高速道路になってしまうのも、たいへん心苦しいものがあります。
とはいえ、かつては市内渋滞に巻き込まれがちな一条に住んでいて、 また時々は奈良県のかたにクルマでお世話になり、特に郡山から南の酷い渋滞を聞いたり遭遇したりしてる身として、意見を表明してみました。
もちろん、各論には反論もあるかもしれませんが、メールで投げてくるよりは、無料サイトなどもあるので、自前で設置できる技量をお持ちの方は、web pageを設置して公表してはどうでしょう。
(設置する技量がない方や、公務員など社会的立場により難しい方はご相談下さい…って、対応できるか判らないけども)

でも、例えば大和中央道を完成させた所で、R24やR169の渋滞が根本的に解消されるか、というと、正直なところ、自信がありません。
なぜなら、皆さんの移動方向(動線)の緻密な資料が全くないのです。
漠然としては、可能性は高い、とは思うんですけどね…西名阪の天理〜郡山が400円という値段はいただけないけど、それだけで、 信号なしでストレスなく第二阪奈、阪奈、京奈まで行けると思ったらどうでしょうか?

おまけ:地下水検討委員会の報告書について:
知人いわく「大宮通りにぐるぐる螺旋大深度地下インターチェンジを建設した時の影響までは試算されてないのでは?」

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