ホテルからの景色。晴れるんだろうか?


朝食です。ちょっと軽めに。


鳩待峠。青空は覗いているけれど。。


さぁ、入山です。靴の泥を取り去ります。


美しい添乗員さんと記念撮影。


山の鼻のレストハウスに到着〜。


ソフトクリームを売ってる店主と。

尾瀬ヶ原は右方向。


燧ケ岳を正面に。まだ視界は開けてない。


水芭蕉が咲いていた!黄はリュウキンカ。


リュウキンカの拡大写真。


ズミの蕾が美しい。花は白くなってしまう。


ヒメシャクナゲの消え入りそうな可憐さ。


親子3人水入らずってとこかな。


その絶景ポイントです。

牛首の分岐点を表す標識。


きれいに咲いてる方の水芭蕉。


尾瀬ヶ原に入ってすぐの木道は新しかった。

見本園の白樺の天然の芸術美。

両側がリュウキンカ。


疲れを取りながら、山道を登ります。


鳩待峠でソフトクリームを。くつろいだ表情。


最高においしかったなぁ〜。乾杯!!

尾瀬 6月20日(金)

起きると、朝もやの中に山が浮かんで見えた。
周辺のゴルフコースの緑は、まだ淀んでいる。
天気は大丈夫なんだろうか?
昨日から何回も見た、ケータイの天気予報を見ても、水上は曇りのち雨で、変更なし。
救いは、会津若松の曇りの予報だ。雨が降ってないよっ。
やっぱり、父の晴男伝説を信じるしかないっ!!

バスは、まるで裏道のような山道を抜けて、尾瀬の玄関口である『鳩待峠』に到着した。
対向する車がまるでなかった。
が、鳩待峠はそれなりに賑わっていた。いよいよだ。
有料トイレをを済ませて、いざ登山ならぬ、下山!!
そうです、鳩待峠は尾瀬ヶ原よりも高い位置にあるので降りるのです。
現地の案内図。赤く現在地と書かれているのが鳩待峠。
これから、水色の中の二股に分かれている牛首分岐点まで進む。

母が先頭に立って、母のペースで進むことにした。無理ないようにね。
私は、美しい添乗員さんと記念撮影。余裕です。
最初の石段は、少し足にこたえる。母の靴底が厚くて、地面を踏みしめてる感覚がないそうで、不安だったとあとで言っていた。

沢伝いに歩く。

山つつじがすごくきれい。

熊避けの鐘がありました。

山の中の道にも、小さな湿原があります。

山道は砂利交じりでごつごつしていた。
結構傾斜があって、早く降りると勢いがついてしまう。腰を落としてちょっとずつ降りていった。
最初の難関(?)を乗り越えると、緩やかになり、木道が現れて、途端に歩きやすくなった。
それでもアップダウンはある。川上川沿いに歩き始めると、あとは平らに近く、ひたすら進むだけだった。
小さな湿原に水芭蕉が自生していたり、熊よけの鐘があったり、川を渡ったりで、退屈はしない。ウグイスだって賑やかに鳴いていた。
下りは50分のコースだが、ここを65分で通過した。いいペースだ。

着いたのが、山の鼻ビジターセンター。
山小屋も隣接してあり、なかなか開けている。
ここからちょっと進むと、いよいよ尾瀬ヶ原だ。

実はここのすぐ隣りに、『尾瀬研究見本園』という、尾瀬の他の場所から高原植物を移植した、小さな湿原があるという。
尾瀬ヶ原歩行が大変な人には、見本園を一回りして尾瀬を見た気になることをオススメするらしい。
母はこちらを考えたようだが、せっかく来たんだから、当然尾瀬ヶ原へ!行けるところまで行ってみよう!!
目指すは牛首だっ!!

いよいよ尾瀬ヶ原へ突入。ワクワクする。 後ろは、残雪の至仏山。

山小屋が連なる山の鼻を出ると、入山者をカウントする機械があった。
黒い物体だ。ホントにカウントされているのかと不審に思いながらも進むと、たちまち尾瀬の広々とした平原が目に入ってきた。
「これだ、これを見たかったんだ!」
父は叫び、母と私は同意した。
木道が緩やかな弧を描きながら、草の茂った平原の真ん中を貫く。
遠くの山々の手前には木立がある。
まだ湿原は現れてはいないものの、平原の開放感と、山から吹き降ろす爽やかな風に、早くも満足していた。

ちょっと行くと、湿原というか、水の流れがあり、黄色くて可憐な花を咲かせるリュウキンカや育ちすぎた水芭蕉が現れた。
おお、まだ水芭蕉が咲いてる、間に合ったみたいだ。
他にも手の届く場所に花があり、立ち止まっては次々と撮影した。

池塘が見えてきた。

浮島も多数見られ、牧歌的で幻想的。

ワタスゲ。上の真ん中にりんどうも見える。

池塘の中が透けて見えます。

1つ目の橋を渡り、ずんずん進むと、池塘(ちとう:水溜りに植物が堆積し、沼のように見えるもの)が姿を現した。浮島もある。
ワタスゲが咲いてて、実にのどかだ。遠くにカッコウの声が聞こえる。池塘に『瑠璃糸とんぼ』が留まっていて、すごく美しかった。
池塘はそこここに多数あり、その頃には天気予報に反してなんと晴れ間が見えてきたので、銀色に光ってきれいだった。
今は水が少なめという。多かったら木道の近くも池塘ができて、水中の植物がもっと見えたことだろう。
透明度はさすがに良く、中側までよく見えた。

天候はすっかり晴れてきて、日焼け止めクリームを忘れた肌に、日差しが痛かった。
雨具や寒い時の用意をしていたのに、半袖でも十分なくらい暑かった。
いえいえ、そんなワガママを言ってる場合じゃない、雨がまったく降らなくて、天候に恵まれて、心から良かったと思った。
新緑の輝くような緑色や、湿原の小さな花のはっとするような可憐さは、晴れていたからこそ見られたのだから。
一面のワタスゲの生い茂る原っぱと、足元の水芭蕉の葉が続き、これが両親がずっと見たかったという尾瀬なんだなと思うと感慨深かった。


写真を合成してみました。広々としてて、心がなごみます。

途中で撮影をしている人たちに出会った。NHKの撮影だという。
そこのガイドさんが、池塘に燧ケ岳が逆に写るという、絶好のポイントを教えてくれた。まさにNHKが撮影している場所だ。
ガイドさんが、「家族旅行ですか?一緒のところを撮ってあげましょう」と、写してくれた。3人で写ってるのは少ないから貴重だ。
広い尾瀬ヶ原を、前からも後ろからも人が追いたてることはない。自由だしゆったりできて平穏だ。最高の贅沢じゃないだろうか?
平日に来て良かったと、心から思った。

結構歩いたなと思って、前から来た人に、目的地の牛首のありかを聞いたら、もうちょっとだという。
遠足の中学生が大勢座っているらしい塊が見えた。よぉし、がんばろう!!

ほどなくして、牛首に着いた。今日の目的地、やったぁーーー!!
山の鼻から2.2km。湿原を気持ちよく歩けたから、全然苦じゃなかったようだ。
牛首は、ヨッピ橋と竜宮の分岐点になっている。ここでお昼とした。11時過ぎだったけど(笑)。

湿原のベンチはすごくありがたい。

豪華なお弁当。疲れが消えるね!

はとバスツアーのお昼ご飯は豪華だった。
おにぎりとおかずの他に、ちゃんとお茶とデザートのフルーツとお菓子までついていた。
おにぎりはひとつしか食べられなかったが、おかずは完食!!おいしかった〜!!

帰りは母が、どの程度歩けるか、鳩待峠への登り道に足がもつか心配だというので、とっとと牛首を後にした。
牛首を12時に発てば、十分間に合う時間だったが、11時半のスタート。まず大丈夫だろう。
帰りは、尾瀬ヶ原を名残惜しく見ながらも、途中立ち止まることもなく、すたすた歩いた。
人は相変わらず少ない。デジカメのデータを見ると、行きに1時間かかったのが、帰りは40分程度で到着していた。

至仏山荘の前庭。ここで休憩。

ベンチ。右に尾瀬ヶ原の入り口がある。

山の鼻へ戻ると、しばし至仏山荘の前のベンチに腰掛け、休憩を取った。
ここは、尾瀬ヶ原から帰ってきてすぐにある建物だ。
昼下がりの、たっぷりとある時間の中で、緩やかな日差しを受けながら、のんびりとくつろいだ。
他にベンチに座ってる人は誰もいない。時が止まったようだ。
借り物のベンチでありながら、すべて自分達が所有しているかのような気になった。まるで、高原の別荘の前庭にいるかのように。
贅沢で至福の時。
上空には、綿毛があたり一面いくつもふわふわと浮かんでいた。(蕗の綿毛)
日常の、あくせくして時を過ごしているのが嘘のようだ。
またそこに父と母がいるのが、何かの特別の意味を持っているかのようだった。

両親の疲労が軽減されたので、近くの山の鼻レストハウスまで戻った。
ここは人が結構いる。
時間があるので、母を残し(荷物番?)、父と尾瀬研究見本園を一回りしてきた。

ここの水芭蕉の葉は育ってなくてきれい。

リュウキンカの群生は見ごたえある。

ここは、尾瀬の湿原に咲く花を移植させたりもしている。
中には小さな湿原があり、水芭蕉が見事だった。もっと早い時期だったら、本当に美しかったことだろう。
コンパクトにまとめられていた。

さあ、ここからが難関の登り道だ。
最初は木道で、そんなには傾斜がないから、人に抜かれながらも止まらずに歩いて行けた。
距離は3.3km。最後の石段(両親は1kmあると思っていた)が一番急で、そこまで体力を温存させないととペース配分していた。

いいペースで歩いている時、木苺らしき葉っぱを持つ木を発見し、母に言ったら、母は振り返った。
そのタイミングが悪かった。木道が二股に分かれる地点だったので、真ん中を歩いていた母が二股に落ちて挟まった。
あーーーっ、足は大丈夫だろうか??
すごく心配したが、どうやら足は大丈夫で、太ももがすれて痛い思いをしたくらいで済んだ。
済んだってこともないけれど、その時は捻挫を覚悟し、どうやって連れて帰るかを一瞬で考えたから、捻挫がなくて本当に良かった。
他にも、父はずっと下を向いていると、下向きに平衡感覚が変化するので、真っ直ぐを見ないとふらつくと心配なことを言って心配だった。実際木道でふらついて、あやうく落ちそうになったので、急ぐのは厳禁だった。
途中、何度も木道を脇にそれて、岩の上に腰掛けて休憩を取った。
連続する登りの時は、2分くらい登ってから休んだ。
太ももが持ち上がらなくなってくるからだった。

一度母が足が持ち上がらなくて石段の1段目に毛躓いて転んだけれど、それくらいで、後は何とか登りきった。
石段は実際には500mくらい、最初に感じたほどは大変じゃなかったようだ。
遠くに鳩待峠のバスの姿を認めた時はうれしかったなぁ〜。これで家に帰れると確信した。
私たちを待っていたのは、鳩じゃなくてバスだったのだ。いや、鳩でいいやぁ、はとバスツアーだったからぁ♪

鳩待峠のレストハウスでは、父も母も花豆のソフトクリームを食べてました。
私はビール。安堵の気持ちもあってか、うまいっ!!最高のごちそうだ。
両親は、念願の地に行けて良かったと、満足し、私に感謝していた。
私も楽しめたし、尾瀬は一度は行ってみたいと思っていたし(連れて行ってもらって感謝している)、無事帰って来られてほっとした。
役目を果たし終えただなぁ〜と、しみじみ思った。


6月19日(木)へ