−おまけ−
「ごきげんよう。乃梨子さん」
マリア様の前で手を合わせていらっしゃった乃梨子さんに声をかける。
瞳子もマリア様にご挨拶する。
「ごきげんよう。今日は随分楽しそうだね。」
「そうかしら。ふふ」
感がいい、乃梨子さん。
瞳子はそんなに嬉しそうにしているのかしら。
「何かいい事あった?」
「なんでもございませんわ」
「本当かなぁ…」
乃梨子さんの言葉を置いて行く様に瞳子は歩きだした。
良いことは有った。
結局あのあと、祐巳さまは瞳子を部屋に引き入れてお茶を用意してくださった。
涙は少しして収まったけど、あの後演劇部に行く気力も時間もなかったのでそのまま
お茶をよばれて祐巳さまとお話した。
祐巳さまは涙の理由なんか聞かず、瞳子のお話のお相手をしてくださった。
なんて事のない会話だったのだけれど、瞳子はとても幸せに想えた。
「あ!祐巳さま」
「え!!」
乃梨子さんの思いがけない言葉に慌てて後ろを振り返る。
けれど、そこに祐巳さまの姿はなくただ乃梨子さんのすこしにやけた笑顔が有った。
「やっぱり、そうなんだ」
「う…」
「そっかー。祐巳さまかぁ」
乃梨子さんが意味深な笑みを零す。
「知らない!」
言って、駆け出してしまった。
セーラーは翻さず、スカートのプリーツは乱さず。なんてどこかに置き忘れてしまって。
「あ、瞳子!マリア様が見てるよ」
ごきげんよう。自分の書く初の「マリみて」SSになります。
既刊全部一気に2週読んで、書きたくなったのがこのお話です。
瞳子ってすごく気になるキャラで、いつのまにか祐巳の妹は瞳子しかいないって思いだ
してきました。
このお話のためにこのHPを立ち上げたようなものですから(笑)
正直な所、書いていて瞳子のキャラを間違って把握してるのかとも思うことしばしばで
したけれど、書いていてとても楽しかったです。
もし宜しければご感想や、ご意見賜りたく存じます。
更新のペースはそんなに速くないでしょうが、これからも宜しくお付き合いください。
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