Cross of the EDEN
エデンの園の十字架


『Jealousy and Fear』 −嫉妬、そして恐怖−


 −おまけ−

 「瞳子!」
 「っきゃ」

 また祐巳が後ろから瞳子ちゃんを抱きしめている。

 「あんなことがあったばかりなのに懲りないねぇ。祐巳さん」

 由乃ちゃんの呆れたような声に祐巳は「ああは」と笑っていた。
 祥子はすっと席をたち祐巳たちに向かっていった。

 「ロ、紅薔薇さま」
 「祥子さま?」

 乃梨子ちゃんと志摩子が不安げにこちらを見ている。
 二人の声には構わずに、すすっと祐巳たちの後ろに回りこんでゆく。
 祐巳は由乃ちゃんに、瞳子ちゃんは祐巳に意識が向いているようで
 祥子には気がついていない。

 「祐巳……」

 祐巳を後ろから抱きしめる。

 「ぎゅぅ」
 「相変わらず怪獣の子供のようね」

 祐巳に抱きついたまま、耳元に囁く。

 「お、お姉さま!!」
 「紅薔薇さま!!」

 祐巳と瞳子ちゃんが驚きの声を上げる。
 祐巳の柔らかな抱き心地と、声ですこし聖さまの気持ちが判った
 様な気がした。

 −確かに。癖になりそうだわ、この感触は。

 「祥子さまが…お姉さまのように…」

 志摩子が呆然と言った。令たちの反応も似たり寄ったりだ。
 確かに、今までの自分からは想像できないだろうけど。

 どんな形でもいいから、祐巳とお互いを確かめていこう。
 そう、祥子は心に決めていた。
 自分はこんなにもお姉さまや祐巳に愛されているのだから。

 − f i n −


ごきげんよう。
王道の祥子・祐巳です。
この長いお話をここまで読んでくださった皆様お疲れ様でした。
そして、有難うございました。
ネタ的には逆「レイニーブルー」って感じなんですが随分長く
なってしまったのはちょっと反省の要ありかと(涙)
次は瞳・祐か乃・志になると思います。
それでは近いうちに。


Back | NovelTop |