新・闘わないプログラマ No.96

カネが無いというのに……


以前から何度か言っているように、私は基本的に毎日ノートパソコンを持ち歩いています。もう3年くらい前のモデルで富士通のFMV-5100NC/Sというやつです。本体自体はB5サイズよりちょっと小さめでなのですが、内蔵バッテリは自分で交換できないタイプのやつで、それがもうへたってしまっていて、仕方なしに増設バッテリを付けて使っていました。これを付けると結構大きめになってしまって、しかも1.5kgくらいの重さになってしまうので、持ち運ぶのはちょっと大変だったりします。
このノートパソコン、バッテリの交換が出来ない、というのの他にも、キーボードが打ちづらい、とか、PCカードスロットが一つしかない、とか、増設バッテリをつけるとポートリプリケータを付けられない、とか、まあいくらでも不満は出てくるのですが、一番の不満は、どうも全体的に華奢というか、いまいち信頼性に欠けるところでしょうか。特に、液晶まわりがヤワで、なんとかだましだまし使っていたのですが、ついにだめになってしまいました。いや、ディスプレイのあたりをひねったり叩いたり押したりすると映らないことも無いのですが、それもなんか、何十年も前のテレビの故障の直し方みたいで……。
まあ、毎日かばんに入れて通勤電車で持ち歩いている方が悪いのかも知れませんが、でも、この手のパソコンは持ち歩いて使ってこそ、なわけで、わざわざ高い金を出して小さなノートパソコンを買っても、家の中でしか使わないのでは、宝の持ち腐れのような気もするわけです。
さて、どうしたものでしょうか。いまさら修理に出して液晶やらバッテリやら交換してもらっても、いったいいつまで使えるのかわからないこのノートパソコンにいまさら投資する気はまったく無かったりするわけで、さてどうしたものだろうか、などと思いながら、ヨドバシカメラをふらふらと歩いていたら、IBMのThinkPad 240が198,000円、カネも無いのに思わず買ってしまいました。

持ち運んで使えるノートパソコンというと、案外機種が限られちゃっているんですよね。重さが3kgくらいある、オールインワンタイプと言うそうですが、そんなのはたくさんあるのに、1.5kg以下でB5サイズ程度のノートパソコンって本当に少ない。
ひところ流行った、B5〜A4サイズの薄型のやつは強度の面で不安があるし、Librettoあたりまで小さいとキーボードが打ちづらいし(私は10本の指を使わないとキーボートが打てない人間なんです、人差し指だけでキーボードが打てる人間が羨ましい、などと皮肉を言ったりして)、いろんなOSを入れるつもりなので、ちゃんとフロッピーブートが出来るやつじゃないと不便だし、とか、そんななかで注目していたのがIBMのThinkPad 240なんですね。
ただこれも、キーボードが打ちやすそうなのはいいのですが、ちょっとでかいのが難点でしょうか。値段もずっと238,000位していて、20万円以上のノートパソコンは買う気がしない、と思っていた私にとっては、ちょっとそのあたりが不満だったのですね。と思っていたら、最近値段が下がってきたようで、ヨドバシカメラで198,000円になっていたので速攻で買ってしまいました。この店はポイントカードを使うと1割分のポイントが貯められて、198,000円の一割引きで買ったのと同じことだったりするので(ポイント分で増設バッテリを買えばいいし)結構安かったのではないか、などと、お金も無いのに思ったりしてしまいました。
増設バッテリは在庫がないとのことだったので、取り寄せてもらって、本体だけ持って帰ってきました。しかし、重い。本体重量は1.32kgとのことなのですが、箱はその数倍も重さがあって、帰ってきたときには汗だくでした。いやまあ、そんなことはいいのですが、早速開けてみると、うーん、やっぱりちょっと大きいかなあ。店で見たときには、周りにでかいノートパソコンばかりあったせいもあって、結構小さく感じたのですが、ううむ。いままで使っていた富士通のやつと比較するとやっぱり一回り大きいですね。富士通のに増設バッテリをつけると、奥行きはほぼおなじなのですが、幅が2cmくらい大きいです。
手にとって見ると、おお、ファンが付いている。まあ、当たり前か、CPUはCeleron 300MHzだもんなあ。別にこんなに早い(え? 最近はこれ、遅いCPUなの?)CPUはいらないのですけどねえ。個人的には、今まで使っていたPeutium 100MHzでも全然問題無かったくらいで。外で、CPUの速度を求めても仕方が無い無いですし、バッテリの持ちが悪くなるだけで。
デザインは、いかにも質実剛健、悪く言えば色気が無いというか、世間的な評価はあんまり高くないだろうな、とは思います。人気ノートパソコンなんてランキングには絶対に上位に食い込みそうも無いとでも言うか。

マニュアルを読むと、ソフトのリカバリの方法として、リカバリディスクを使って出荷時と全く同じ状態に戻すという方法と、OSの通常インストールからドライバ等のインストールを行うという方法の、二種類が出来る、とちゃんと書いてありました。それも、Windows95、98、NTそれぞれについて……って、あれ? OS/2はどこにいってしまったのでしょうか? :-)
これ、これ、これなんですよね。ThinkPadを選んだ理由の一つが。最近のメーカー製パソコンって、リカバリディスクで出荷時の状態に戻すことは出来るけれども、ごちゃごちゃわけのわからないソフトが入っているのがいやな人間にとっては、OSのクリーンインストールをして、その後に必要最小限のソフトだけインストールしたいわけですね。それも、NTも入れたいなあ、とか思っているし。
そう言えば、これ、ハードディスクは6GBなんですけど、初期状態では、2GB(Cドライブ、FAT16)と4GB(Dドライブ、空、FAT32)の二つのパーティションになっているんですね。これもなかなかよく考えられているなあ、と感心しました。ある雑誌で、あるライターが、このThinkPad 240を評して、「なんでFAT32で6GBのひとつのパーティションにしないのか、その考え方が理解しがたい」などと批判していたのを読みましたが、こういうライターって、自分の経験がすべてだ、とでも思っているのでしょうね。Windows98しか入れないような使い方。
詳しい説明は、しているとそれだけでかなり長くなってしまいますし、ここで書くような内容でもないのでやめておきますけど、この2GB+4GBというパーティション構成は、プリインストールされているWindows98を消さないでも、別ないろいろなOSをインストールするのに非常に便利なんですよね。多分このあたりは、企業ユーザも視野に入っているから、ということもあるんじゃないかな、と思います。というか、IBMにとっては企業ユーザがメインかも?
まあ、私の場合には、まっさらにしてパーティションを切りなおして、再インストールしましたから、あんまり関係の無いことではありますけど。

日記は書かない、と普段公言しているわりには、単なる日記のような内容になってしまったような気もしますけど、まあ、それはそれとして、今回のこの文章を書くのに、早速使っています。さすがにキーボードが使いやすいですね。ちょっとキータッチが重いかな、という気もしますけど、これは慣れでしょう。しかし、よくよく考えてみると、Windows98をまともに使ったのはこれが初めてだ、ということに気づきました。出来る限り、Windows95らしい表示に設定しましたけど、でも、まだなんか違和感があります。
というわけで、PCカードが取り出しにくい、とか、フロッピーディスクドライブ(そういえば、最近はIBMも「ディスケット駆動装置」とは言わないのですね :-))の接続コネクタの位置がいまいち、とか、細かい問題点はありますけど、まあ、大方満足かな、というところです。
しかし最大の問題点は、マイナスになった銀行預金の金策をどうするか、ということだったりするかも知れません。

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