新・闘わないプログラマ No.77

連休は書入れ時


えー、世の中はゴールデンウィークの真っ只中ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。かく言う私は、お仕事の真っ只中です。
この業界で暮らしていると、連休が休みにならない、ということが間々あります。もちろん、システム開発の納期が迫っていて盆も正月も、そしてゴールデンウィークも無い、という状況も当然ありうるわけですけど、それ以外にも、連休ってのは別な意味で仕事が入ったりすることがよくあるのです。

コンピュータシステムは、あたりまえのことですけどユーザーがいて、そのユーザーが使っているわけですね。ユーザーがそのシステムを使う時間帯は、例えばインターネット関連のシステムだったら24時間365日休み無しなわけですけど、そういうシステムは実際にはあまり無くて、平日の昼間だけユーザーが使う、というシステムが大半を占めています、少なくとも私の絡んでいるシステムでは。
じゃあ、平日の昼間しかユーザーがいないシステムの場合、平日の夜間や休日は、そのシステム自体が遊んでいるか、というと実際にはそうじゃないことが多いのです。こういうユーザーが使っていない時間帯は、バッチ処理と言って、データの一括処理やら、データベースのバックアップやら、というようなことが行われていることがよくあります。

ところで、一般にコンピュータシステムでは、処理能力を上げるために機器の増強を行ったり、ネットワークの工事をやったり、大規模なソフトウェアの入れ替えをやったり、といった保守作業というのがどうしても発生します。
こういった保守作業の中には、どうしてもシステムを停止させて行わなければいけないものも多いのですが、普段はなかなかそのための時間が取れないのが現実です。そこで目を付けられるのが連休なんですね。
連休ならば時間的余裕があるので、そういう作業をやりやすい。こういう保守作業は、最悪失敗した場合のことも考慮に入れて、元に戻すことまで考えてスケジュールを組むので、どうしても時間的余裕が欲しい。よくあるんですよね、機器の増設をしたら、ケーブルの長さが足りなくて接続できなかった、とか、OSのバージョンアップをしようとしたら、デバイスドライバのメディアが足りなくてバージョンアップできなかった、とか。休日なんで、手配するこも出来なかったりして。

連休というと、毎年決まっているのが、年末年始、それから、ゴールデンウィーク、そんなところでしょうか。夏休みは、あまり期待出来ないですね、会社によって休む日が異なっていたり、そもそも一斉に休むという制度が無い会社も多いですから。あとは、祝日と絡めた3連休(土曜日も休みとして)ですか。こういった連休がよく保守作業に使われます。と言っても、年末年始はよほどのことが無い限りはやらないようです、ビルの警備員がいなくなって中に入れなかったり、メーカーのエンジニアの値段が高かったりしますから。
さてさて、今年のカレンダーを見てみると、連休が非常に少ない。特に4月以降は、ゴールデンウィークの次が、10月の9〜11日まで無くて、あとは年末。今年の年末は2000年対策で、他の保守作業なんかやっているような場合じゃないはずだから、そうすると、ゴールデンウィークと10月の連休の2回しかないんですね。
これは結構まずいんですよね。何がまずいって、いろいろやらなければいけない保守作業が溜まっているのに、これしか連休が無いと全部こなせるかどうか。上にも書きましたけど、失敗した場合には元に戻して再度やり直し、ということにするんですけど、その日程も取れない。
今年の4月以降の連休(なぜ4月以降にこだわるかというと予算の問題、なぜ12月までにこだわるかというと2000年問題との絡み)がこんなに少ない、ということに私が気づいたのが4月になってからだったりして、それはそれで私のチョンボだったりするわけですが、とりあえず慌ててゴールデンウィーク中にいっぱい保守作業のスケジュールを入れたことは言うまでもありません。

というわけで、今年のゴールデンウィークはほとんどお仕事になってしまいました。まあ、お仕事と言っても、自分で作業する必要のあることはほとんど無くて、メーカーのエンジニアが作業するのに立ち会ったり、その後の動作確認をやったり、作業の前後でデータのバックアップを取ったり、と結構暇なお仕事なのですけどね。職場にノートパソコンを持ち込んで、ほら、こんな風にこのコラムを書いていたりするくらいですから(^^;)
今回やる保守作業の中で一番大変なのが、データベースサーバーとして使っているコンピュータの、OSとDBMSその他もろもろのバージョンアップ、それから、ディスクアレイ装置の増設、なんですけど、これは結構恐いです。データベースのデータが500GBくらいあって、このデータを保持したままソフトウェアのバージョンアップを行う必要があります。
もちろんデータはバックアップを取っていますけど、そのバックアップを取るのと、それをリストアするのに、ほぼ一昼夜かかるので、失敗したときのことを考えると時間的余裕がほとんど無い。果たしてこんな綱渡りでうまく行くのでありましょうか……って、人ごとみたいに。

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