新・闘わないプログラマ No.53

会社を作ろう


同じような仕事をしている連中と話をすると、「バカな客と、バカな上司と、バカなプログラマと、バカな営業に囲まれて、もうやってられないよ」なんて話題がよく出ます。まぁ、これ、実は本人が一番バカなんじゃないの、というオチもあったりして、それはそれで面白い話題ではあるのですが、そのたびに出てくる話に、今の会社を辞めて新しく会社を作って独立、なんてのがあります。
まぁ、中には本気で考えている人もいるようで、あれやって、これやって、この辺で利益を上げて、それから・・・・、なんて具体的に話を聞いたことも二度や三度ではありません。誘われたことも何度かあるのですが、でもなんか見通しが杜撰というか、どう見ても儲かりそうに無かったですね。

そもそも、私は友人と一緒に仕事をすることだけはしたくないです。仕事ともなれば、その内容を巡って喧嘩になることもよくあることでしょうし、それを避けて、なあなあで仕事をすれば、会社自体がうまくゆかなくなることは明らかですしね。
まぁ、それなりの規模の会社で仕事をするというのもラクでいいのですが、なんか危機感に欠けるというか、そういうところもありますね。周りを見ていても、こおんな仕事の仕方していては儲からんよな〜、と思うことも多々あります。でも、不思議なことに、そのプロジェクトの収支決算を見るとちゃんと黒字になっている、よっぽど客からボったんだな(^^;) まぁ、こうやって客からボることができるのも、会社の実力の内なんでしょうけど、内情を知っているものから見れば、「お客さん、それカネをドブに捨てるようなもんですよ」と言いたくなってしまいます :-p
その点、自分で会社を作って、実力のある技術者だけを集めれば、技術力はあるし、危機感もあるし、いい仕事が出来そうな気もします。
でも、実際にはそううまくは行かないでしょうね。よく聞く話ですけど、優秀な人材を集めても、そのうち働くのは2割(1割という説も)だ、というんですね。でも、じゃあ、その2割だけを集めて仕事をさせても、働くのはやっぱりその中の2割だ、というんですね。どのみち、後の8割は遊んでしまう(この話、元ネタは何なのでしょうか。確か、人間じゃなくて蟻でも同じことが言える、というようなことは聞いたことがあります。どなたかご存知の方、教えて下さい)。

さて、これからこの業界で仕事を始めようとしたら、どんなのがいいでしょうね。
少なくとも、パッケージソフトの分野は、これから参入するのは無謀ですよね。よほどいい独自性のあるソフトが作れればいいのですが、だいたいそういうのって、本当に売れるものだったら、すぐ大手が参入してくるし、特殊なものでもsharewareという選択肢もあるわけで。まぁ、可能性があるとしたらゲームソフトくらいか? ←と言っても、私はそっちほうめんは全く無知なので、よくわからないで言っていますが。
大手の下請けのソフトウェア開発、というのは一番楽ではありますが、これって独自性を発揮できるようなところがほとんど無いですよね。そもそもこれだったら、わざわざ今の会社を退職してまで、会社を作ることも無いような気もします。技術力で大手の会社から一目置かれるようなところと目指せればいいのですが。
じゃあ、下請けじゃなくて、自分のところで仕事を取ってくる、というのはどうか、と言いますと、それもなかなか難しいわけです。特に日本では、ブランド力というか、有名な会社の方が圧倒的に有利ですし。でも、ブランド代がかなりの割合を占めていたりするのは、有名な話です。大手メーカーが受注して、自社の情報処理子会社に下請けに出して、そこが、系列ソフトウェア開発会社に孫受けに出して、そこがまた・・・。結局最後に受けたところは、メーカーが受注した金額の10分の1の値段になっていたりする仕組みです。
そんなわけでゲリラ的ではありますが、私が、今だったらこのあたりが面白そうかな、と思っているのは、フリーUNIXのサポート関連でしょうか。今年になって、企業あたりからもかなり注目を集めるようになって来ました(「日経コンピュータ」あたりが特集を組んだのが大きい、さすが「日経」のブランド力 :-p)し、その割にサポートできる技術者が少ない。それも、インターネット関連なら知っている人もそれなりに多いでしょうけど、データベースサーバーやアプリケーションサーバーとして使用する場合の利用技術、というあたりにはメシの種が落ちているような気がします。

なぁんて、私も考えていることはあるのですが・・・会社を作るとなると、なかなか。
結局のところ、会社を作る上で問題になるのは、技術力とかではなく、営業力だったりするんですね。とくに我々のような人間が集まった場合。小さな会社の場合、営業って社長の仕事だと思うんですが、その「社長」になってくれそうな、というか、「社長」が勤まるような人材がいない。顔が広くて、いい仕事を取ってきてくれそうで、技術的にもそれなりに知っていて、かつ、先を見る目があって、経営を安心して任せられるような人。
社長になりたい、という人間はいくらでもいるような気もしますが、そんなんに任せてもねぇ・・・(^^;)

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