新・闘わないプログラマ No.49

家庭内LAN


私がMacintoshのQuadra700という機械を買ってから、もう6年半位が過ぎました。未だにこのコンピュータを現役で使っているのが悲しいのですが、今回の話題はそういうことではありません。
このQuadra700という機械、オンボードでEthernetインターフェースが付いているんですよね。今ならさほど珍しくも無いのですが、当時としてはとんでもなく先進的な設計でした。ただ、Ethernetが付いていると言っても、当時は家では使い道がありませんでしたけどね。他にPC9801とかも持ってはいたのですが、そっちにはEthernetインターフェースは無いので、高いお金を出してEthernetインターフェースを買わなければいけなかったですし、しかも別売りのとんでもなく高いソフトまで必要で、とても手が出なかったのです。
その後、IBMのPCとか買って、WindowsNT 3.5を優待価格で買って、初めて家でLAN接続をしたのは、確か95年の初頭のことだったと記憶しています。その頃には、秋葉原で探せばPC用のNE2000互換の台湾製かなんかの怪しげだけど安い(4〜5千円)Ethernetインターフェースが手に入るようになってきていましたので、やっと家庭内LANが組めるようになりました。と言っても、世間的には、家でLAN接続をしている人間など、当時は、私のまわりには誰もいませんでしたから、ものすごく奇異な目で見られたことも事実です。
余談ですが、だいたい私は世間的に流行るより1〜2年くらい前になんでもやっちゃうので、いつもそういう目で見られてしまうんですよね(^^;) しかも、流行る前なんで大概高い。もう少し待てば、数分の一の値段で買えることは分かってはいるのですが、これがなかなか(^^;)
当時、家でLAN接続をしている、というと、みんな「そんなことして、何に使うの?」とか「よくそんなにお金があるよな」とか言っていましたけど、でも、金銭的には実際にはそんなにかからなかったんですよね。せいぜい2万円ちょっとくらいで。

MacOSには、だいぶ前(System 7)から、ピアツーピアのファイル共有とプリンタ共有の機能が標準で付いていました。「ピアツーピア」(peer to peer)と言うのは、「サーバー・クライアント」型ではなく、クライアント同士が直接通信することで、これによってクライアントのパソコン同士がお互いにファイル・プリンタ共有ができるのです。Windowsでは、WFW(Windows for Workgroups)という、Windows 3.1とWindows95の間に発売されたOSで初めて可能になりましたが 、このOSは日本では結局発売されませんでしたから、日本ではWindows95までお預けになりました。
そんなこともあって特に日本では、LANでパソコンを接続する、という行為自体、個人はおろか企業でも、アメリカあたりと比較して、かなり遅れていたことになります。
ほんの2〜3年くらい前でも、LANをベースとしたシステムのことに詳しい技術者自体が、日本では本当に少なかったのです。私自身は、社内では日の当たらない(^^;)ところで細々とそういうシステムについていろいろ調べていましたし、家でもやっていたので、当時は、あちこちから様々な問い合わせがあったものです。
でも、みんな質問が漠然としているというか、
「LANって何が出来るの?」
「LANをやりたいんだけど・・・」
なんて、私は何を答えたら言いの?? という感じでした。

それが今になって、一家に一台「家庭内LAN」、というか、家庭でのLAN接続の需要が急に多くなってきたようで、2〜3年くらい前に企業内でされていた質問と同じ質問が、個人から発せられるようになってきたわけです。でも、この質問って、質問している人も何が疑問なのか分かっていないことが多いですから、答えるのが大変です。
「WindowsとMacでLANしたいんけど、どうしたらいい?」なんて訳の分からないこと言われても答えようが無かったりします。だって、LANって伝送媒体の1つで、それ自体は目的じゃなくて手段に過ぎないわけで、「LANしたい」なんてこと言われたってねぇ。
まぁ、こちらも機嫌が悪かったりすると「まぁ、それぞれにEthernetのアダプタと、それからHUBと、ケーブルを手に入れればLANで繋げることはできるけど」なんて意地悪で言ったりして。
いや、でも嘘は書いてないですよね。Windowsの動いているPCとMacintoshをLANで接続する、という質問者の目的は完璧に満たしている。「え、繋いだけど通信が出来ないって? いや、だからLANで繋ぎたいって言うから、繋ぎ方だけ、は教えて上げたんだけど。そりゃそれだけじゃ何にもできんわな :-p」
結局LAN接続をして何をやりたいか、ということがわからないとそれ以上は教えようが無いわけです。何でもそうですけど、どっちかというと、完全に素人で、自分はこれこれがやりたいんだけど、ということだけをストレートに聞いてくれた方がありがたかったりするわけですね。そのやりたいことの内容によっては、極端な話、フロッピーディスクでデータを持って行くのが一番早い、なんてこともあるわけで。わざわざLAN接続なんかしなくても。
ところが、なまじっか聞きかじっている人物だと、やれLANがどうした、とか行ってくるわけで、これはこれで困りものです。LANを使ったWindowsとMacの間のデータのやりとりは結構面倒だったりするわけですし。単純に(フロッピーではやり取りできないような)大きなデータのやりとりでしたら、TCP/IP上でftpを使うのが、一番安くてお手軽かな、とも思いますが、それ以上のことをやろうとすると、とたんに面倒になったり、お金がかなりかかったり、WindowsじゃなくてPC UNIXにする必要があったり、するわけで。

今、家ではでっかいファイルサーバーが欲しいな、なんて思っています。いまのところ個人的には3台ほどのパソコンを使っていますが、データがどこにどうあるかよく分からない状態になっています ←自分の部屋と同じ状態(^^;) だから必要なデータはぜーんぶサーバーにおいておいて、バックアップもそこだけやればいいようにすれば、なんてことは思っているのですが・・・相変わらず先立つものが・・・・。
サーバーOSはPC UNIXにすれば、WindowsとMacintoshの両方のサーバーになるし、ほかにもいろいろ出来て、すごくいいなぁ、なんて考えています ←考えているだけなのが悲しい(;_;)
別に、そんなに速くなくていいから、余っているPCがあったらだれか恵んで下さい(^^;)

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