新・闘わないプログラマ No.47

Webでお勉強


Web上で「○○入門」とか「◇◇講座」とか言って、主に初心者向けのWeb講座(?)を開いている人が結構います。私なんかも、ちょっとこれ知りたいなぁ、とかいうときに参考にさせていただいています。
これらのいいところは、なんといってもタダなので、ちょっとした最初のとっかかりとしては、手軽で、便利なことが多いです。でも、もちろん作っている方も仕事でやっているわけでもないことが多いですから、あまりにも信用・信頼してしまうのは危険ですけどね。
私も、自分の知っていることで、こういうのを作ろうかな、と思ったこともあるのですが、いかんせん時間が無い・・・ちゃんとしたものを作ろうと思えば、とんでもなく手間と暇がかかってしまいます。そんなわけで現状では、こんな何の役にもたたないコラムを書いているくらいが、関の山だったりするわけです(^^;) そういう意味では、きちんとしたWeb講座を作っている作者の方には足を向けて寝られませんです。

Web講座といっても、作っている人はさまざまですから、内容も玉石混淆、そのまま本にしてもぜ〜んぜん問題のないすばらしい出来のものから、「なんじゃこれ」というのまで、いろんなものがあるわけですね。
fj.comp.lang.cfj.comp.lang.c++というNetNewsのニューズグループで夏頃から話題になっているWeb講座があります。このページなんですけど、C言語やC++言語の入門講座で、そもそもの発端は、作者が上記のニューズグループで、自分のページの宣伝をしたことから始まりました。その宣伝を見て、件のWeb講座を見に行った人たちが、その内容のあまりの程度の低さ、誤りの多さ、にそれを指摘したことから、大論争(といっても、「Web講座の作者」対「その他」という構図で、作者に味方する人はいないようですが)に発展しました。
「あの講座は、初心者には有害以外の何ものでもないから、見ないように」キャンペーンをする人とか、作者の隠しページを見つけて人格面の攻撃を行う人とか、もう、ぐしゃぐしゃの様相を呈していました。最近になって、やっと下火になって来たようですが。
私もいつもの野次馬根性(^^;)で見に行きましたが、「確かにねぇ、あれは無いよねー」というレベルではありました。でも、これよりはちょっとはマシかな、と言うレベルの本も結構出ているし、そういう本しか読んだことの無い人にとっては、どこが悪いの?と思ってしまうかも知れません。作者本人は、自分はC言語のことを詳しい、と勘違いしているフシがあって、それが誤解であることに気づいていないんですね。
ところが、ニューズグループでの論争がやっと下火になってきたかな、という時期になって、消えかかった火に油をそそぐようなことが起きました。ソフトバンクが発行している「C Magazine」と言う雑誌の最新号(1998年10月号)でこの話題が取り上げられたのです。手元にその雑誌が無いんですが、確か「ローテク」なんちゃらというタイトルの連載記事です。興味のある人は立ち読みでもして下さい(別に買う必要は無い :-))
この記事、ことの経緯について簡単に説明があって、あとは件のWeb講座の内容をいちいち引用して、どうおかしいか、ということをあげつらっている、というものです。でも、この記事、根本的におかしいんですよね。内容を引用していながら、その引用元やら作者については、「かわいそうだから」とか言って、明記していない。これって明らかに不正な引用ですよ。記事の内容自体は、少々下品ではあるとは言え、そう間違っているわけでも無いですが、でも、その内容はほとんど、既にニューズグループで論じられたものばかりで目新しくはありませんでした。正しい引用の手続きも取らないし、商業誌で、お金を貰って書くような内容でも無いと思うのですが・・・・。

この一連の騒ぎを見ていて、やっぱりWeb講座なんて、作るのは大変だなぁ、という印象をあらたにしました。私だって、時間があれば作ってみたい、なんて思っていないことも無いのですが、やっぱり大変ですね(^^;) 必要性はあるんだけど、みんなあまり知らない事柄で、嘘書いても突っ込まれたりしなくて、あとでこっそり直せるようなテーマ無いですかね、なんてわがまま言ったりして(^^;)
でもね、人になんか教えるのって、実はすごく自分のためになるんですよね。どんな質問をされても答えられるようにしなくちゃいけないし、嘘を教えちゃいけないし、なんて思うと、必死になって調べることになります。1のことを教えようと思ったら、その10倍くらいのことを知ってないと駄目なんですよね・・・って、このへんのことを分かっていない人が教えると悲惨なことになります。1か、せいぜい2くらいのことしか知らないくせに1のことを教えるなんて人間が結構いるんですよね。いい度胸してるというか、なんというか。

やっぱりこの世界はgive and takeで行きたいものですよね。とは言うものの、私なんかも、Internetを通じていろんな情報やらプログラムやら、貰う一方ですから。自分の方からは「なんの役にも立たないコラム」を書いているだけで(^^;)

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