新・闘わないプログラマ No.32

サーチエンジンは恐い


先日、高校時代の友人(残念ながら男、高校は男子校だったし)から電子メールを貰いました。私は地元の大学に、彼は東京の大学に入って、そうこうしているうちに音信不通になってしまっていたのです。そんな人物から急にメールを貰ったので、びっくりしました。「どうやって僕のメールアドレスを知ったの?」と尋ねたのは言うまでもありません。
件の友人は、知人の名前を片っ端から、gooというサーチエンジンを使って検索していたそうです。ご承知のとおり、gooはWebページの全文検索が出来るサーチエンジンですから、どっかの誰かが作ったページに私の名前があれば、それが見つかるわけです。
彼は、暇だったのでいろんな名前を入れて検索していた、と言っていました。私の名前を入れたらあるページがヒットしたので、そこに行ってみたそうです。そこからいろいろ辿っているうちに私のメールアドレスを知ったらしいです。
私も、興味半分で自分の名前を入れて検索してみたのですが、すでにgooのデータベースから消えていたようで、該当するページは見つかりませんでした。同姓同名の人の情報はありましたが、どうみても別人でした。

私も、サーチエンジンには、仕事でもプライベートでも、毎日のようにお世話になっています。サーチエンジンは沢山ありますが、結局のところよく行くところは、日本語のサイトでは、Yahoo! JAPANgooあたりに絞られます。Yahooはディレクトリサービスの分類がしっかりしていますし(ほかのサイトは分類が大雑把すぎるところが多い)、gooの全文検索はマイナーなキーワードを探すのには持ってこいですね。あと、補助的にInfoseek Japanも使っていますけど、これはヒット数が多すぎて困ることが多いです。
こういうのを使っていて、情報を得るのにはいい時代になったなぁ、とつくづく思います。私が学生のころなんかは、ちょっと情報を得ようと思っても、あちこち人に聞いて廻ったり、図書館を駆けずり回ったり、結構大変でしたから。古い話ですけど、当時の私の行っていた大学の図書館は、まだコンピュータを使ったデータベースは一般に開放されていなくて、全部、紙のカードで管理されていましたから、探すのだけでも結構ホネが折れました。
今では、キーワードを入力して検索するだけで、かなりの情報を得られるようになって・・・と言っても、情報の質に関してはピンキリだから、注意が必要であることは言うまでもありませんが(そこがまた面白いところでもあるわけですけど、ウラ情報とか(^^;))
こういったサービスが無料で受けられる、ということについては本当に感謝しています。こういったサーチエンジンは、運営費は広告で賄われているのが大部分だと思いますが、私なんかはLynxというテキストベースのブラウザでいつも見てますから、広告は見ることが出来ない・・・これってもしかして極悪非道?(^^;) 最近まで、gooはWindows版のLynxで見ようとすると、なぜかLynxが異常終了していたので使えなかったのですが、最近gooのデザインが変更になった後は、Lynxでも全く問題なくgooのサービスを使えるようになりました(^^)

私の個人的なサーチエンジンの利用法を紹介しますと、Yahooはどちらかというとあらかじめ検索の目的が決まっていることが多いので、当たり前すぎて面白くないのですが、gooの方は、暇つぶしによく使っています。よく、何の脈絡も無く、頭に浮かんだ言葉を入れて検索を行ったりします。
あまりにも下らないので、どんなキーワードで検索しているかは書きませんけど(恥ずかしい)、結構同じような(下らない)ことに興味を持っている人っているんだなぁ、なんて感心してしまうことも多いですね。いまどきこんな人のファンなんていないだろう、なんて思っていると結構ファンがいてWeb上の掲示板やメーリングリストで活発な意見交換がされていたり、とか。

で、最初の話に戻りますが、件の友人と同じように、私もいろんな人の名前を入れて検索してみる、とかやってみたことがあります。これで、大学時代の先生が若くして亡くなっていることを初めて知ったり、とか、パソコン通信時代の知り合いが、離婚した上に、16歳も年下の女性と結婚したことを知ったり(本人がWeb上で書いていた)、とか、そんなことはありました。
でも、よくよく考えてみると、これって結構恐いことですよね。そりゃまぁ、自分でWeb上で公開した情報ならともかく、自分の与り知らないところで名前やらなんやらが公開されている可能性はあるわけですから。
例えば、こんなのがありました。ある市の広報に知り合いの名前が載りました。市の機関から表彰を受けた、ということで、名前と略歴が載っていました。今までなら、市の広報なんてその市に住んでいる人くらいしか目に触れませんし、それだって、そんな「誰某が何々で表彰された」なんて情報を見る人なんてほとんどいないと思います。ですから、いままでなら、その情報自体は公開されたものだったとは言え、目に触れる確率は極めて低かったわけです。
ところが、件の市では、最近、広報を自分のところのWebページに掲載させるようになったのです。そのこと自体は大変いいことだと私も思いますけど、それによって、その「誰某が何々で表彰された」という情報もサーチエンジンの検索対象になってしまったのです。
この知人は、これで別に困ったことは発生しなかったようですが、これが例えば女性で、昔その女性にふられた男がサーチエンジンで検索して、○○市に住んでいることを発見して・・・・なんてこともありうると思います。
「machine readable」なんて言ったりしますけど、コンピュータで処理できる情報は、人間の能力を遥かに超えた性能で検索が可能ですから、従来は検索が(時間的・金銭的に)事実上不可能だった情報も、今ではmachine readableでありさえすれば、いとも簡単に検索が出来てしまったりするわけです。

というわけで、私もgooで、昔ふられた女性の名前を検索してみよっかな(^^;)

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