新・闘わないプログラマ No.31

「入門書」の不思議な世界


「SUPER ASCII」が廃刊になるんですね。アスキーの雑誌の中では一番まともだ思っていたのですが・・・やっぱりああいう雑誌って売れないんでしょうね。って、私も最近買っていませんでしたけど(^^;) WindowsNTを最初に導入したとき、マニュアルは全然役に立たなくて、「スーパーアスキー」の記事をよく参照したものです。他にNTネットワークについての詳しい情報が全然無い時代の話です。
アスキーは、こういうハイエンドの分野で活躍してほしいな、と前に書いたのですが、もうだめですかね、あの会社。まぁ、西氏もいろいろあって社長を辞めちゃうし(でも、もともと経営者には向かない人のようですしね)、CSKの子会社になってしまってはね。

そう言えば、最近コンピュータ関連の雑誌ってほとんど買っていません。「日経バイト」が確か5年契約してて、もうそろそろ切れると思う(切れたらもう買いません、最近ロクな記事無いから)のですが、あとはほとんど買いませんねぇ・・・。職場でいくつか購読しているのを見ますが、最近、どうしても雑誌で新しい情報を仕入れなきゃ、という気持ちにならないのです。「なんでかなぁ」とよくよく考えてみると、今はInternetを使って新しい情報がいくらでも手に入るからなんですね。
そう考えてみると、雑誌というメディアのこれから、って結構厳しいものがあるような気がします。特に、ハイエンドの専門的な情報が欲しい人は、みんなInternetに流れてしまって、そういう方面の雑誌(前述の「スーパーアスキー」とか)はこれから苦戦しそうですね。

その一方、初心者向けの雑誌は最近凄い勢いですねぇ、ホント、後から後から出てきますから。先日、知り合いから「初心者向けのいい本無い?」と聞かれて、書店で立ち読みしてみたのですが、大変でした、数が多くて。
こんだけ数が多いんだから、1つくらいはまともな雑誌があるだろう、と高を括っていたのですが・・・これが、全然無い(^^;) 内容も、どれも似たり寄ったりで、やたら派手なレイアウトで、イラストやらおねーちゃんの写真やらがばんばん出てくるのはいいのですが、肝心の内容が無いよう・・・・・失礼しました m(_ _)m ←いや、ちょっと言い訳すると、「ないよう」と打って変換すると必ず「無いよう」と変換してしまう、こいつ(MS-IME)全然学習しないのか?
あと、これは雑誌じゃないですけど「できる○○」とか「超図解○○」とか「サルにもわかる○○」(でしたって?)のコーナーも覗いてみたのですが、すごいですねぇ、ド派手な表紙のそんなようなタイトルの本が一面平積みされていました。私、初めてこのテの本を手に取ってみたのですが、画面ハードコピーをペタペタ貼って、隙間にちょこちょこっと文を書いただけで、いい商売してますね。あのさぁ、子供向けの絵本じゃ無いんだから・・・なんて言ったら絵本に失礼でしたね、ごめんなさい(^^;)

こんだけ初心者向けの雑誌やら書籍やらが出てるってことは、やはり、というか、当然、というか、パソコンって使いこなすのが難しいものなんですよね。それは当然のことなんですけど、あんな初心者向けの雑誌やら書籍やらを読んだところで、それが解消されるとは思えません。
私は別に、自分がそれなりに知っているからといって優越感に浸ろう、とか、そんなことを思っているわけじゃ無いんです。私の場合、プロ(一応(^^;))ですから、知っているのは当然のことなのです、メシの種ですし。でも、みんながプロになる必要は無いわけで、そういった人たちにとっては、もちろん「難しいパソコン」をユーザーとして使いこなす上での入門書は必要なわけです。
そういう目で見たとき、現状で、私が推薦できるような雑誌やら書籍があるか、というと私は見つけられませんでした。よくよく考えてみれば当然のことなのかも知れません。こんだけ初心者向けと銘打った本が出ている、ということは、それだけライター(執筆者)が必要、ということですからね。となれば、かなり程度の悪いライターの書いた文章を目にする機会も多くなるわけです。
そもそも、1のことを書こうと思ったら、10のことを知ってないと書けないはずなんです。たとえば「タコにもわかるWindows95」という本を出版しようとしたとします。初心者向けだから、と言って、OSと言えばWindows95しか使ったことの無いようなライターにこれを書かせるのは論外と言ってもいいでしょう。
そもそも、初心者にわかりやすく説明できるのは初心者だ、専門家は初心者の気持ちが分からないから分かりやすく説明することができない、というのは私は嘘だと思っています。極論かも知れませんが、もし、初心者に分かりやすい説明が出来ない「専門家」がいたとしたら、そいつのことは信用しなくていいです、そいつ自身もよく理解していないのですから。「分かりやすい説明が出来ない事柄は、実は本人もよく分かっていないのだ」と私は確信しています。

すいません、話が逸れてしまいました。
なんか、きついことをいろいろと書いてしまいましたが、それというのも実は私も「入門書」には被害を受けている一人だからです。それというのも、職場でもプライベートでも、いわゆる「初心者」の人が、結構私に質問してくるんですよね。最近ですとOSとかインターネットのことが多いですが(MS-OFFICEとか、アプリケーションのことは、聞いても無駄だ、と思われているようで、それはそれで助かっています(^^))。
で、私が「○○は△△だから」とか言うと、「だって本には、○○は◇◇だ、と書いてあるけど」とか言ってくるわけです。まさか今時「活字になっていることはすべて正しい」などと信じている人はいないでしょうけど、でも、こうなんですよね。「だったら、その入門書どおりにやれよ、絶対にうまくいかないから」と言いたくなってしまいます。
その「○○は◇◇だ」と書いたライター、特に名を秘しますが、他にもむちゃくちゃなこと書いていて、野次馬根性でサーチエンジンで捜してみたら、Webページを作っているのを発見しました。自己紹介で「専門分野はインターネット」とか書いてあるから、私は「ほーほー、そーかそーか、インターネットが専門ね」と言いながら、Webページの間違い探し ←ヤな性格(^^;) 今度、メールで間違いを指摘してあげようかな(あくまで親切心ですよ、親切心 :-))、その反応によっては、このページでURL公開しちゃうぞ ←ますますヤな性格(^^;)

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