新・闘わないプログラマ No.497

警告音


「おーい、ファイルサーバが見れなくなったぞー」
「朝から作っていたこの文書、どーしたらいいんだよ、おろおろ」
「げっ、ファイルサーバの電源が落ちてるんじゃん」
「どこだ? どこから『ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ』言ってるんだ?」

いや、少し前から「ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ」って警告音らしきものが鳴っているのは聞こえてたんですよ。でも、何が鳴っているのか探そうとしても30秒ほどで止まってしまうし、ごく稀にしか鳴らないので、いったい何が鳴っているのが見つけることができなかったのです。
職場には、この種の音が出る機器は多いわけで、耳を澄まして件の警告音を探索しようにも邪魔が多すぎます。そんなわけでこれまで何の音だったのかわからなかったわけですが、今日初めてわかりました、警告音の主。いま、目の前で、例の謎の警告音とまったく同じ音を鳴らしている物体を見つけました。それはUPSです。いまや30秒で警告音が止まることなく、ずっと「ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ」と鳴り続けています。フロントパネルには赤い警告ランプも。かなりヤバい状態のようです。
そして、そのUPSから伸びている電源ケーブルの先にはファイルサーバ機がありました。どうやら、UPSの異常を検知して、ファイルサーバは自動的にシャットダウンしたようです。ここのサーバ類は電源が二重化されていて、片系の電源に障害があってももう片系で動き続けられるようになっているはずなのです。……はずなのですがどうやら設定がまずいらしく、片系のUPSの障害でファイルサーバがシャットダウンしてしまったようです……って、他人事のように言っていますが、もしかしてこの設定したのって私だったっけ? あははは。

「でも、おっかしいなあ。UPSに障害があった場合には、メールを飛ばすようになっていたはずなのに。もっと前にメールで知らせてくれればこんなことにならなかったのに」

というわけでUPSの設定を確認してみますと、数ヶ月ほど前にそこのネットワークにつながるルータのIPアドレスが変わったのに、このUPSではデフォルトゲートウェイの設定を変えていませんでした。

「あはは、なあんだ。どうりで最近UPSから何のメールも来ないと思った。って、誰だよ、設定変更忘れたの」

すみません、私です。
障害のあったUPSは修理することとして、当面別のUPSに代行してもらうことにしました。私の設定ミスだったこともとりあえずバレてないようです。めでたし、めでたし。

しかし、最近はいろいろな機器が「ぴーぴー」警告音を鳴らします。みんな似たような音なので、鳴っても、いったいどれが鳴っているのかさっぱりわかりません。
家の中でも、いまこのまわりをざっと見渡しただけでも、HDD/DVDレコーダ、電気ポット、電子レンジ、炊飯器、風呂の給湯器、食器洗い機、洗濯機、ええと、あとは何だろう。よく鳴る機器については、音程と音の長さをだいたい覚えているのでまあなんとかなりますが、もうちょっとこう音程を変えられるとか、音楽にするとか、そういうカスタマイズができたり、「炊飯器です。ご飯が炊き上がりました」とか言ってくれたりすると助かるわけですが。
などと思っていた先日、寝る前になって聞きなれない警告音が。

「あれ? 何だろう? 聞きなれない警告音だなあ」

しかし、何が鳴っているのか探そうとすると、すぐに止まってしまいました。

「まあ、すぐに止まったし、大したこと無いだろう。寝ようっと」

で、翌朝、冷蔵庫の製氷室が水浸しに。

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