新・闘わないプログラマ No.494

見えない鉄道員


ヒストリーチャンネルで今月「鉄道映画名作集」というのを放映しています。「映画」とは言っても、フィクションじゃなくて、記録映画というかドキュメンタリーというか、そいういうやつです。1960〜1970年代くらいに作られた、一作数十分くらいの作品を毎日放映しています。
そこで「見えない鉄道員」というのをやっていました。ミステリかなんか、そういうのっぽいタイトルですが、じつのところは、

コンピュータ導入により、鉄道事業は新しい時代へ突入した。(ヒストリーチャンネルの紹介文より)

ということで、鉄道のさまざまな分野にコンピュータが導入されてきているんですよ、という内容のものでした。
これ、いったいいつ頃の作品なのか調べてみたところ、1970年で、製作は、

  企画
    日本国有鉄道
    日本鉄道サイバネティクス協議会
  製作
    岩波映画製作所

となっていました。今は無き日本国有鉄道(つまり国鉄)のPR映画だったのでしょうか。製作した岩波映画製作所もいまはもう無いらしいです。では「日本鉄道サイバネティクス協議会」なるものは、と言うと、社団法人日本鉄道技術協会の部会として存続しているようです。最近は、ICカード乗車券の規格なんかを制定したそうで、活動はしているみたいですね。

とまあ、そんな話はともかくとして、その内容です。「見えない鉄道員」とは、つまりコンピュータのことを指しているわけですが、この比喩、どうなんでしょう。20分程度の作品の中で「見えない鉄道員」という言葉が連呼されていて、鬱陶しい限りでした。
さて、コンピュータを映像化するときの当時の定番として、

と、基本を押えているあたりはさすがです(←何が?)。ちなみに二度ばかりプログラムリストのアップが写りましたので、一時停止(録画したやつを見ていました)して、内容を解読してみました。この映画を製作した人は、30数年も後にこんな奴にこんなことされるとは思ってもみなかったことでしょう。
で、一回目は、

    IF SW2 = 0 MOVE 1 TO SW2 MOVE ……(この先読めない)

と読めました。これってCOBOLでしょうか? 私はCOBOLは全然知らないもので、よくわりません。もう一回のほうは、

    LM   ……
    MVI  ……
    CLI  ……
    BC   ……
    OI   ……
    BALR ……
    TM   ……
    BAL  ……

などと読み取れました。これは確かIBMのメインフレームのCPU命令だったような。私がおぼろげに覚えているのはSystem/370の命令ですが、System/370って確か1971年頃の発表だったはずですから、これは、その前のSystem/360でしょうか。

……って、そんなところばかり見ていて、肝心の内容はよく覚えていません。

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