いま、深夜の3時です。喉が渇いて目が覚めたので麦茶でも飲んでまた寝ようか、と思ったそのとき、家の電話機のそばに置いてある、いわゆる「ブロードバンドルータ」「VDSLモデム」が目に入りました。真っ暗な中で、だれも見ていないのにいくつものLEDを点灯させて、黙々と仕事をこなしていました。
「しかし、こんなにたくさんLEDを点灯させなくたっていいよなあ」
ルータとVDSLモデム、それぞれ4個のLEDが常時点灯していて、通信があるときにはそれ以外にそれぞれ1個のLEDが点滅します。とくにVDSLモデムのLEDはかなり明るいのです。何と言うか、電気代の無駄と言うか、こんなに明るくしなくてもいいんじゃないかなあ、と思ってしまいます。
そんなことを考えたら眠れなくなってしまいました。どうせ明日は日曜日ですので、どうしても寝なければいけない状況にはありません……いや、とっとと寝て、とっとと起きて、内職をしないといけないのですが。
真っ暗な家中を見回してみると、そこここに点灯しているLEDが見えます。
「だいたいにして、常時点灯しているLEDって、この家の中にいったいいくつあるんだろうか?」
眠れなくなったので、点灯しているLEDを数えてみました。
──────────────── 部屋 赤 緑 橙 青 計 ──────────────── リビング 6 15 2 0 23 機械室 0 17 3 1 21 寝室 5 3 1 0 9 天井裏 0 6 0 0 6 その他 2 1 0 0 3 ──────────────── 計 13 42 6 1 62 ────────────────
その結果、62個見つかりました。まだ見落としがあるような気がしますので、全部で70個くらいは常時点灯しているのではないか、と思います。
色は緑が多いですね。いま流行りの(ってもう旬は過ぎている?)青色LEDは1個しかありませんでした。ちなみにこの1個は、家のサーバに使っている玄箱です。あと「天井裏」というのは、以前、浴室の上に設置したハブです。
しかし、よくまあこんなにあるものです。62個もあったら、それだけでかなりの消費電力になりそうな気もしますが、どうなんでしょう? LED1個の消費電力って、いったいどのくらいなのか、そういう方面の設計は大昔にやったことがあるだけで、今はまったく縁の無い私としては、さっぱり見当がつきません。
そこで、Wikipediaその他でLEDの電気的特性を調べてみたところ、VF(順方向電圧)が色によって違って2.1V〜3.5V程度、IF(順方向電流)が数mA〜50mA程度のようなので、LED単体では数10mW程度ということになるのでしょうか。インジケータ用途のLEDなどは、たぶん消費電力の少ない部品を使っているであろうと思われますので(煌々と光るインジケータなどまぶしいだけですし)、仮に10mWとしてみますと、62個で620mW(0.62W)、すこし多く見積もって1Wくらいと言えます。
そうしますと、家で常時点灯しているLEDによる1年間の電力使用量は、いま常時点灯しているLEDの消費電力を1Wとしてみますと、次のようになります(インジケータが点灯しているということは、他の回路も動作しているわけで、「その消費電力はどうなんだ」とかいう話は置いておいて)。
1W × 24時間 × 365日 = 8760Wh ≒ 9kWh
1kWhがだいたい22円ですから、
9kWh × 22円 = 198円
ということで、なんと年に約200円もかかっていることが判明しました。200円もあったら……200円もあったら、ええと、その、うまい棒が20本も買えてしまいます。買ったことないけど。