新・闘わないプログラマ No.460

saga


「やじうまWatch」の2006年10月20日のところに「佐賀県庁が監視との報道で、2ちゃんねるでは「佐賀」が大流行」なんてのがあります。asahi.comの元記事(←たぶんすぐに消えちゃうと思いますので、リンクしても無駄のような気がしますが……)によれば、

佐賀県庁の「危機管理・広報課」の仕事は、毎朝1000件前後届く「書き込み」情報に目を通すことから始まる。

「佐賀」という言葉が含まれる情報で、前夜までの1日に書き込まれたものだ。個人のホームページや「2ちゃんねる」などの掲示板、メールマガジンからニュースサイトまで。

だそうで、これを見た「2ちゃんねら」の人たちが「佐賀」の文字をあちこちに書き込んでいるようです。
このサービスを提供しているのが、記事によれば「東京都渋谷区の監視会社「ガーラ」」だそうです。検索してみたところ、「オンライン・コミュニティ構築のガーラ」という会社が見つかりました。この記事、記事を装った宣伝広告のような気もしなくもありません。たぶん、週明けには「うちの会社でも……」という問い合わせが殺到するのではないでしょうか。
で、この佐賀県庁の利用しているサービスは、「e-mining」のようです。asahi.comの記事によれば「「佐賀」を含む三つのキーワードを拾い出す契約で月10万円弱」ということなので、「e-mining料金体系」によれば「3キーワード」の年間契約(5%OFF)の\95,000と推測されます。この値段が高いのか安いのかは、私には判断できませんが、まあこんなもんでしょうかね。
さて、このe-miningのページによれば、

こんなことでお悩みではないですか?

だそうです。確かに、会社などの組織の防衛という面で、こういうことを監視することの必要性は当然あると思いますし、やっている会社などの組織も多いことでしょう。公開情報を監視するだけですから、法的にも、モラルの面でも特に問題があるとも思えません。
ただ、そういうことをやっている事実をこんな形で公開しちゃだめでしょ > 佐賀県庁。というか、株式会社ガーラさんからも「うちの、このe-miningサービスを利用していることは出来るだけ公表しないようにしておいたほうがいいですよ」というアドバイスは無かったのでしょうか。
で、「こんなことやってるよ〜」なんてお気楽に公表しちゃったために「2ちゃんねら」の格好のおもちゃになってしまったわけで、掲示板などを監視することに法的な問題点がない(たぶん)のと同時に、2ちゃんねるに「佐賀」と書き込みまくることにも法的な問題点がない(たぶん)わけで、もしガーラ社側がこういう事態を予測できていなかったとしたら、それはそれでお粗末かなあ、そんな会社に頼んで大丈夫なのかなあ、なんて思ってしまいます。
まあ、「2ちゃんねら」は飽きっぽいので、すぐにまた別のおもちゃを見つけてそっちに移っちゃうと思いますので、ちょっとの間我慢すればいいだけ、とも言えますが。

ところで、asahi.comの記事に「佐賀に好印象を寄せたブログを見つけるとお礼のメールを送るなど、「ポジティブに活用している」」とあります。じゃあ、私も佐賀に対する好印象を書けばお礼のメールをもらえちゃったりするんですよね。えーと、佐賀県に対する好印象、えーと、えーと、有田焼? ごめんなさい、佐賀は長崎に行く途中に1回通過しただけで、ほとんど印象がありません。
やっぱりお礼のメールは無理のようです。

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