新・闘わないプログラマ No.433

コネクタあれこれ


SCSIというインターフェースがありました……って、今でもありますが。
私が最初に触れたSCSIインターフェースの機器は、PC9801用の外付けハードディスクでした。はるか昔のことです。今は亡きICMというPCの周辺機器メーカーの、なんと大容量100MB(注、100GBではない)。この外付けハードディスクのインターフェースがSCSIだったわけですが、製品には外付けハードディスク本体と同時に、PC9801の拡張スロットに挿すSCSIインターフェースボードも同梱されていました。
当時のPC9801での高速なインターフェースとしてはSCSIが主流だったことや、その後Macintoshを買った(これには標準でSCSIが付いていた)こともあって、ひところは家にはSCSI機器がいっぱいありました。ハードディスク、MOドライブ、イメージスキャナ、CD-ROMドライブ、CD-Rドライブ、プリンタ、ええとあと何だっけ? 現存しているのはMOドライブくらいでしょうか。それだってここ数年まったく使っていません。
ご存知のとおり、SCSIは、1つのインターフェースからデイジーチェーンと言って、複数の機器を数珠繋ぎにできます。最大7台(また後の規格では15台)までつなぐことができ、私も最盛期(って何だ?)には、Macに6台くらいの機器を数珠繋ぎにしていたこともありました。余談ですが、最近はこういうつなぎ方は流行りませんね。最近の接続方法はスター型が流行のようで、ネットワークでも、デイジーチェーンのバス型の10BASE2のようなのから、ハブを使ったスター型に移行していますし。デイジーチェーン接続もいいところはあるとは思うんですけどね。コンピュータ側の1個のコネクタから、特別な装置(ハブ)無しに複数の機器を接続できるところとか。
さて、SCSI機器を持っていると問題になるのが、コネクタ。話によると、SCSIの規格でコネクタの形状が規定されたのが遅かったために、さまざまなコネクタ形状が乱立してしまう結果となってしまったそうです。私の家にあったSCSI機器のコネクタだけでも5〜6種類くらいあったと思います。そうすると、これらの機器を接続するケーブルも、両端で違うコネクタのものが必要になり、ケーブルの種類もかなりたくさんになってしまいます。5種類のコネクタ形状があったとすると、理論的にはケーブルの種類は52=25種類必要になる、ということになってしまいます。
いやまあ、家にはそこまでの種類のケーブルはありませんでしたが、でも10種類近いケーブルがありました。もうさすがにSCSIの時代ではないだろう、ということでこの間の大掃除でほとんどすべて処分してしまいましたが。

さて、いまお話したSCSIの場合には、信号の規格は一緒でコネクタのみが違っている話でした。それに対して、信号自体の規格までたくさんあって、コネクタもたくさんあって、わけのわからない状態になっているのが、(コンピュータの世界からはちょっと外れますが)ビデオケーブルではないでしょうか。少なくとも、私はいまいちよく把握できていません。
ビデオ信号用のケーブルと言えば、RCAピンプラグ(音声でもよく使われている、例の丸いやつです)を使うものが古くから用いられていました。これは信号線は1本で、この信号線の中を「輝度信号」「色信号」(あと「同期信号」)を合成した(コンポジット)信号を送っているものです。昔は、ビデオ信号用ケーブルと言えば(民生用分野では)これが一般的でした。
その後、確かS-VHSビデオデッキと同時に登場したのがS端子というやつで、これは輝度信号と色信号を分離して別々の信号線を使って送るものです。コネクタにはミニDINコネクタというのを使っています。このコネクタは、昔のMacintoshに付いていたインターフェースであるADB用コネクタと同じもので、確かS端子用のケーブルをADB用に流用できたような記憶があります。

と、まあ、最近まで、私の理解しているビデオ用信号・コネクタの規格はこの2つだったのですが、最近、新しくビデオ関連機器をいくつか導入したところ、なにやらよくわからないコネクタがいっぱい付いていて、さっぱりわかりません。そこで仕方なく調べてみました。

ってな感じで、やっぱりわけがわかりません。上の説明も間違っているところがあると思いますが、調べる気にもならないほどです。それぞれ必要があって出てきた規格なんでしょうけど、もうちょっとこうなんとかならなかったものでしょうか。
などと文句を言っているのは、先日知り合いから「テレビとDVDプレーヤの接続のしかたがわからない、ついては接続ケーブルが無いので買ってきて接続して欲しい」と言われたからなのですよね。いろいろ聞いてみたところでは、

いろいろ調べてみたところ、コンポーネント端子の信号とD端子の信号は互換性があって、ケーブルの片側がコンポーネント端子、もう片側がD端子という、今回の接続にはおあつらえ向きのケーブルが売られていることを確認して、それを買って知り合い宅に向かいました。

「で、どうせ、いつものごとく違うケーブルでも間違って買って行って接続できなかったんだろう」ですか? いえいえ、いつもいつもそう失敗ばかりしません。ちゃんと接続でき、絵はちゃんと表示されました。そう、絵はちゃんと表示されました。が、しかし……音が出ない。よくよく調べてみたら、D端子ってビデオ信号だけで、音声は別なんですね。

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