新・闘わないプログラマ No.401

テキストエディタの思い出


テキストエディタのMIFESが20周年だそうで、初期のMS-DOSでまともに動くスクリーンエディタはこれくらいしかなかった、ということもあってよく使われていました。などと書くとトシがバレるかも知れませんが(もうバレてるか)。
それより前になると、WordMasterあたりでしょうか。私もFORTRANのプログラムをしこしこと作ったこともありました。あ、当時のOSはMS-DOSじゃなくてCP/Mだったかな。などと書くとトシがバレるかも知れませんが(だから、もうバレてるってば)。
当時のMS-DOSには、テキストエディタと言えば例のあのEDLINというラインエディタしか付属しておらず、これは非常に使いづらいものだったわけで、私もほとんど使ったことがありません。そんな当時、職場のあちこちのPC(当時はPC9801が多かったかも)に、どれもなぜかMIFESが入っていまして……

「あれ? なんでMIFESがどのパソコンにも入ってるんだ?」
「あ、それ、オレが入れておいた。気が利くでしょ?」
「入れておいたって……」
「“CONFIG.SYS”とか“AUTOEXEC.BAT”とか修正するときに便利だし」
「でも、MIFESなんて買ってたの?」
「買わなくたって、ここにあるもん」
「そのフロッピーってどこから?」
「知り合いにコピーしてもらった」
「……」

なんてことが許される(←わけありません)ような牧歌的な時代もあったということで。当時、MIFESを買ったという話は、私の周りでは一度しか聞いたことがありません。買ったやつには「バカか、お前。そんなもん買わなくたって(以下略)」なんて馬鹿にすることが許される(←わけありません)ような牧歌的な時代だったわけです。
当時、MIFESの違法コピーは、正規版の数百倍・数千倍、もしかするとそれ以上出回ってきたのではないか、と思います。メガソフト(MIFESの開発元)も、これでかなり損をした(というか利益を取り損ねた)のでしょうね。
ちなみに私はMIFESはほとんど使ったことがありません。VJE-Penなどというワープロをテキストエディタの代わりに使ったり、そのあとは、これも一世を風靡したVzというエディタをよく使っていました。Vzには、マクロで動くテトリス(もどき)が付いていて、Vzエディタの利用時間の95%は、このテトリスもどきをやるために使われていたような気もします。

さて、その後、家で使うパソコンをPC9801からMacにした(1992年頃、もう13年も前のことじゃん)こともあって、家で使うエディタはMac用のフリーソフトのやつ(名前忘れた)にしました。ちなみに、当時職場ではUNIXを使った仕事をしていましたので、職場ではほぼ100%、viでしたが。
その後、家のメインのパソコンがWindowsに移ったりしつつも、有償のエディタは使わず、メモ帳やワードパッドや、あとvimや、そんなものを使って過ごしてきたわけです。ちなみに、このの駄文も、初めのうちはMac上のフリーのエディタ、その後はWindows上のメモ帳でずっと書いていました。ところで、Windows上での有償のエディタと言えば「秀丸エディタ」が有名ですが、私はこれを使ったことがありません。「メモ帳でもなんとかなるしい」ということで。
そんなおり、「本のために長めの原稿を書かないといけない」という状況が発生しまして、さすがにメモ帳ってわけには行かんだろう、ということで、フリーやシェアウェアのエディタをいくつか試してみました。その結果、どれも一長一短があるとは言え、その差はさほど大きく無さそう、ということで、だったらタダのソフトのほうがいいだろう、ということで、「サクラエディタ」というのを使うことにしました。かなり高機能なエディタのようで、マニュアルを見るとあれこれいろんなことが出来るようですが、私はそういうディープな使い方はしていません。原稿を書く上で、grepはよく使っていますが。というか、本のような長めの原稿は、grep無しではとても書くことができません。前に書いた内容って、結構忘れちゃうんですよね。

さて、先日、某所にあるPCにどれも有償の某エディタが入っていることに気づきました。インストールディレクトリの日付を見ると数ヶ月ほど前。

「あれ? なんで某エディタがどのパソコンにも入ってるんだ?」
「あ、それ、オレが入れておいた。気が利くでしょ?」
「入れておいたって……」
「“なんちゃら.ini”とか修正するときに便利だし」
「でも、某エディタなんて買ってたの?」
「買わなくたって、ここにあるもん」
「そのシリアル番号ってどこから?」
「知り合いに教えてもらった」
「……」

おい。

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