新・闘わないプログラマ No.218

備えあれば…


コンピュータは故障するもの、障害が発生するもの、というのを前提に使って行かなければいけない、ある意味大変不便なものであるわけでして、そんなことは言うまでも無いのですが、コンピュータのハードウェアは故障しやすいし、ソフトウェアはバグですぐに止まってしまうし、そんな状況で、コンピュータを使う方は、それをだましだまし使っていくしかないわけです。
例えば銀行の勘定系システムのように、ほんのわずかでも止まると社会的に大問題になるようなシステムなどでは、システム全体を多重化したり、何らかの障害が発生しても最低限のシステムだけでも動かせるような仕組みにになっていたりします。
またそれ以上に、データの保全も大切なことで、例えば銀行で入金したはずなのに、それが口座に反映されていなかった、とかそんなことがあっては困るわけで、そういう重要な処理では、何重にもデータの保全のための仕組みが用意されていて、最悪の場合でも「入金された」というような事実自体が記録に残らない、というようなことが無いような仕組みになっています。
いやまあ、出金したのに口座からその金額が差し引かれていなかった、とかそういう障害ならいつでも歓迎なのですが…残念ながらそういう幸運に当たったことはありません。

そういう大規模なシステムの話でなくても、話は急に卑近な例になるのですが、最近はどんな仕事でもあたりまえのようにパソコンを使うって時代ですが、あまりパソコンやそのソフトを信用しないほうがいいのではないか、と傍から見てて不安になるような光景をよく見ます。
朝からワープロで文書を書き始めて、夕方に帰るまで一度も保存という作業を行わずに書きつづける、とか、無くなると多大な被害(金銭的とか労力的とか)が発生するようなファイルを、バックアップも取らずに使いつづけるとか。
あのね、パソコンのハードウェアやソフトウェアなんか、めちゃくちゃ信頼性が低いんだから、そんなおそろしいことはやらない方がいいと思うのですが。あまりパソコンを信用しないほうがいいのでは、と。
で、ワープロのソフトがハングしたり、フロッピーに入れておいたファイルが読めなくなったりして、「うぎゃー」とか奇声を発するのはできれば止めて欲しいな、と思ったり…さらに、「今日一日の作業が全部無駄になっちゃうよー、なんとかしてくれよー」とこっちに振られるのは、もっと止めて欲しいのですが。

とまあ、ごちゃごちゃ書いたわけですが、実はここまでは前置きでして、ここからが本題です。
先週の「がんばれ!!ゲイツ君」「パワーポイント力学」の中で、プレゼンテーションのお話と、あとプレゼンテーションソフト、特にMicrosoft PowerPointのお話がありました。
私も、(最近は仕事の内容から、あまりやっていないのですが)プレゼンテーションというか、人前で話をする、というのをよくやっていました ←というのは以前にも何度か書いたことがありますね。実は、私自身そういう仕事は得意ではない、というかはっきり言って苦手なほうなのではないか、と思うのですが、何故かその種の仕事が結構入ってくる(きた)んですよね。
で、本当に苦手なものですから、話をする前には準備だけは、これでもかと言うほどやったりするわけです。そういうわけで、プレゼンテーションソフトも、(Microsoft Officeにくっついてくる)PowerPointが主ですが、結構使い込みました。で、私の印象としては、「がんばれ!!ゲイツ君」に書かれているほどひどいソフトなのかなあ、と思ったわけです。
とりあえず、実質タダ(いやもちろんタダじゃないですけど、ほとんどの人にとってはおまけソフトという印象があるのではないでしょうか)で、どこにでもあるし、機能的にも性能的にも、それほど凝ったことをするのでなければ不満を感じたことは無いです、私の場合。とは言え、いままで使ったPowerPointはOffice 95とOffice 97に付属のやつだけなので、最近のやつはどうなのか知らないのですが…もしかして急激に品質が悪くなっていたりするのでしょうか?

私の場合は、プレゼンテーションソフトを使うと言っても、OHPで出来ることに毛が生えた程度の使い方しかしていないので、Office 95/97に付属のPowerPointで不満は無いし、不安定になることもそれほどない、ということは言えます。
ですので、「がんばれ!!ゲイツ君」の作者の外崎さんが言われる、

で、プレゼンテーションという場は、やはりその出来不出来がアピール度を大きく左右するというだけあって、かつてはOHP全盛であったこの分野も、今では見栄えのするものを求めてプレゼンテーションソフトが大流行となっております。聞く所によると、学会ではまさにそれに命を懸けているような人も多いとのことですが、そういう人に限って内容は薄いのだそうで(^^;;。

から見ると、私のような地味なプレゼンテーションは見栄えも悪くアピール度も少ない、ってなことになっちゃうのでしょうか…かと言って、私のプレゼンテーションの中身が濃いかどうかは…ノーコメントということにしておきます。
それはともかく、「がんばれ!!ゲイツ君」では、PowerPointを使ったプレゼンテーションに関するトラブルが(「お寄せ頂いたお便り」という形で)いくつか紹介されています。「画像が表示されない」「スライドが全く開かない」「いきなりpptが異常終了」「企業展示デモで落ちる」「聴衆に救われる」
ただ、外崎さんが紹介されている他のソフトの機能や性能や安定性はどんなもんなのか、それが書かれていない以上、PowerPointの障害だけを取り上げるのは不公平な気もするのですが。それはともかく私自身が使った範囲内では、少なくとも昔の(PowerPoint 97まで)やつは、特に目立った障害を起こしたことは無かったですね。
ただ、いずれにしても…それがいいか悪いかは別にして…今のパソコンは壊れるものだし、ソフトは異常終了するものだし、ファイルは開けなくなるものだし、そういうのを受け入れざるを得ないのが現実です。
ですから、プレゼンテーションが失敗したのをある特定のソフトのせいにしたところで(そうすることによって精神の安定は図れるのかも知れませんが)、結局は準備不足でしかないわけで、そのプレゼンテーションが大切であればあるだけ、障害の原因になりそうな要素は出来る限り取り除く、機器の予備を用意しておく、最悪OHPでも話を続けられるようにその準備もしておく、等のことをやっておくべきではないか、と考えます。

などとエラソーに言っておきながら、先日やったプレゼンテーション、OHPを使ったのですが、電球の予備を確認するを忘れてしまい、話の途中でOHPの電球が切れ…
その後のことは聞かないで下さい。

[前へ] [次へ]

[Home] [戻る]


mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp