新・闘わないプログラマ No.212

やる事が増えてゆく


よくありがちな話なのですが、何かシステムを設計する上で、それに必要とされるハードウェアやネットワークの能力をどのように見積るか、というのはなかなか難しい問題です。実際問題、例えばサーバ機にはどれだけの処理能力が必要で、効率のよいネットワーク構成はどんなものか、といったことを完全に論理的に導き出すことは極めて困難であるし、結局のところ、勘に頼っている場合が多いのが実情です。
まあ現実には、あらかじめ出来るだけの拡張性を持たせておいて、例えばサーバ機のメモリが足らなくなったら後で容易に増設できるようにしておく(←その費用もどこからか捻出できるようにしておく)なんてことになるわけですが、逆に、意味も無くハイスペックなハードウェアを導入しちゃって、ネットワークもスカスカなら、コンピュータのCPUやメモリやディスクの使用率もヒト桁台、バックアップ用にやたら高価な磁気テープ装置を入れたはいいけど埃がかぶったまま。さて、お客さんにこの現状がバレないようにするためにはどうしたらいいだろうか、などと悩むこともあったりします。
それから、あるシステムがあったとして、そのハードウェアにさせるべき仕事は時の経過とともに増大する傾向にあるのが一般的ですし、また、そのハードウェアに新たな仕事をさせたりして、処理能力が不足してくる、ということもあります。
結局、システムのカットオーバー時には余裕のあったハードウェア資源も、時とともに能力不足に陥りがちなわけです。
何か、きわめて当たり前のことを小難しく書いているだけのような気もしますが、なぜこんなことを書いたか、と言うと、仕事の話とは全く関係無くて、実は、私の家で常時稼動しているサーバ機(OSはLinux)の能力がかなり厳しくなってきたからなのです。

このサーバ機、もともとはファイルサーバ(せいぜい数百MBの重要なデータのバックアップ用)とメールサーバくらいが動けばいいな、という目的で入れたものでした。
しかし、常時稼動しているUNIX機があると何かと便利で、あれも使える、これにも使える、ってな感じで、そのサーバでやらせる仕事がどんどん増えてきました。また、ちょっとしたデータのバックアップ(CD-Rに保存するまでの一時しのぎで、ディスククラッシュや誤消去に備えて、データを二重にとって置きたい場合とか)なんかにも便利に使い出したりしています。
こうなってくると、そのサーバ機、もともと中古PCを安く(数千円)で買ったやつだったりするわけで、CPUは遅いし、メモリは少ないし、ディスクも大容量のは繋がらないし、ってな感じになってしまったのです。
で、出来るだけお金をかけないで、このサーバ機になっているPCのアップグレードを図りたいなあ、と思っていたのですが、この連休中にそれを決行しました…が、無残にも敗退してしまいました。以下はその記録です。
まず、このPCの現状は、メモリはDIMM1枚、SIMM4枚、っていう珍しい構成で、DIMMには中古で買ったときから刺さっていた32MB、あとSIMMはあちこちからかき集めてきた8MB×4枚、合計64MB。DIMMはどういう素性のものが刺さるのか分からなかったのですけど、手元にある64MBか128MBのPC100 SDRAM DIMMが刺さればいいなあ、でも動くのかなあ、と。
あと、ディスクは、現状は6GBと3GBの(何故か2.5インチの)ディスク。これも手元に16GBのディスクが余っていたので、これが付かないかな、でもこのPC、かなり古い奴だからなあ、8GBあたりに壁がありそうだし…。

そんなわけで、とりあえずサーバ機のシャットダウン。落とす直前に「uptime」コマンドで調べて見ると、前回立ち上げてから180日。ほぼ半年間、このOSは何の問題もなく稼動を続けていたようです。何か落とすのが惜しくなったりしたのですが、そこは心を鬼にして(←というほどのものか?)「shutdown -h now」。
まずはメモリの交換。いま付いている32MBを外して128MBをスロットに刺そうとするが何故か入らない…両者を比較しても、形状は全く同じに見えるんだけどなあ、変だなあ、と何度もやってみるがどうしてもうまく入らないのです。で、よくよく比較して見ると、形状はほぼ一緒なのだけれど、切り欠け(?)の位置が微妙に(1mm)くらい違っていることを発見。これってやっぱり規格が違うのかなあ。というわけで、メモリ増設は諦めました。
次はディスクの交換。いま付いているディスクを外して、16GBのやつを接続して電源オン。BIOSの設定画面を見ると8.4GBという表示。BIOSは最新版(とは言っても4〜5年前のやつ)だし、これはやっぱり8GBの壁があるらしい。こういった壁を取り払う(というかBIOSを騙す?)ソフトってのもあるそうで、そういった情報を調べて見たのですが、今回のような場合はどうも無理みたいでした。ということでこれも諦め。
結局、何もせずに元に戻すことに。ううむ、やっぱりもうちょっと新しいPCにしないとだめかなあ、サーバ機にあまり投資はしたくないんだけどなあ、と思いつつ元に戻しました。
で電源を入れると…こんなときに限ってうまく立ち上がらなかったりするんだよなあ…お、何事もなく立ち上がった、ああ、よかった。あれ? でもネットワークに繋がっていないみたいだぞ。おかしいなあ、ハブのLinkインジケータは点灯しているし、何故に繋がらない?? 〜〜(10分経過)〜〜 あれ? 急に繋がった。何故? どうして? これは現象からして、NICが怪しいなあ。安定性重視で3Com 3C509なんてのを使っていたけど、これかなり古いやつだからなあ、イカレかかっているのかなあ?

というわけで、家のサーバ機、拡張性はもう無いし、ハードも怪しげだし、そろそろどうにかしないといけないかなあ、と思っています。実は今使っているノートPCを次期サーバ機にしようと前々から思っていたのですが、拡張性とか信頼性とか考えるとノートは止めた方がいいかなあ、と最近思っています。
とにかく、今より処理能力があって、拡張性があって、静かで、省電力で、でもって安く、という都合のいいことを考えているのですが…でも、性能が上がったら上がったで、このサーバにやらせる仕事が増えるだけのような気もするのですが…。
しかし、そんなことよりも腕が痛い。ラックの上の方(床から150cmくらい)からこのサーバ機を下ろすときに腕が「ぐき」っと…今度のサーバ機はもっと小さくて軽い奴にしようっと。

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