思ツタコト No.41

○○学部××学科


世間では大学入試の季節のようですけど、最近は受験生が減っているようで、各大学とも人集めにはかなり苦労しているようですね。
通勤途中に電車の広告などを「なーんか、聞いたことも無い大学が結構あるんだなあ」とか思いながら眺めていたりするわけですけど、最近の大学って「国際環境情報システム学部、人間関係福祉政策学科」(←適当、いまでっち上げた)とかいう調子の、いったい何をやる学部と学科なんだ、というようなのがものすごく多いのに気づきます。
「文学部国文学科」とか「理学部数学科」とか、そーゆー質実剛健な学部・学科は、いったいどこに行ってしまったのでしょうか?

いったい「日本の大学はこれでいいのか! こんなミーはーな学部・学科名をつけて、恥ずかしくないのか」と怒りにうち震え……たりすることは全然無くて、「ネタ、見っーけ」とばかりに、ちょっと調べてみることにしました。
文部省のサイトをうろうろしていると、今年新設される大学・学部・学科の一覧が見つかりました。PDFファイルなので面倒だったのですが、新設学部名と新設学科名から、単語を切り出して集計してみることにしました。これによって、トレンディ(死語)な学部名と学科名に使われている単語が分かるのではないか、という魂胆です。
まず学部名について集計してみたのが、下の表です。

表1 新設学部に使われている単語
単語
13 情報
12 文化
10 経営
9 社会
7 人間
6 科学、政策、総合、福祉
5 看護、現代
3 環境、経済、人文
2 アジア、システム、芸術、国際、心理、太平洋、地域、保健、流通
1 コミュニケーション、コミュニティ、デザイン、ビジネス、マネジメント、メディア、医療、栄養、応用、開発、学習、観光、企業、工学、振興、数理、生涯、生活、創造、造形、発展、美術、表現、服装、法学、防災、理工

「情報」「人間」「政策」「総合」「福祉」と言った「いかにも」な単語が並んでいますねえ。「環境」ってのが意外と少なかったのがあれですけど。この中で「政策」ってのは、私は一番分からないです。どんな意味でつかわれているのだろうか…。
次に、学科について集計した表です。

表2 新設学科に使われている単語
単語
24 情報
17 福祉、文化
14 社会
11 科学
10 工学、人間
9 コミュニケーション、経営、心理
8 システム、環境
7 看護
6 政策、総合
5 アジア、メディア、国際、造形
4 ビジネス、マネジメント、経済、健康、現代、表現、療法
3 観光、芸術、言語、人文、生活、太平洋、流通、臨床
2 デザイン、企業、機械、作業、産業、創造、地域、電子、美術、服装、理学
1 アーキテクチャ、イメージ、カウンセリング、コミュニティ、コンピュータ、サービス、スポーツ、ディジタル、ネットワーク、ヒューマン、プランニング、ボランティア、マーケティング、マンガ、異文化、栄養、音楽、介護、開発、関係、機能、技術、共生、協力、空間、建設、建築、交通、工芸、行政、材料、住環境、障害、食物、数学、数理、生涯、生産、生命、精神、地方、通信、電気、日本、発達、複雑系、文化財、文学、保健、放射線、法学、防災

学科名では、「コミュニケーション」「システム」「環境」が、上位に食い込んできていますね。よく見る学科名で「言語コミュニケーション学科」とかいうのがあるんですけど、あれってもしかして「英会話教室」に毛が生えたようなもの? ←英語だけじゃないとは思うけど。
しかし、この表を集計していて気づいたのですけど、これから受験者数がどんどん減少していくというのに、何でこんなに大学やら学部やら学科やらを新設するんでしょうかねえ。まあ、大学の総定員数の毎年の増減までは調べられなかったのですが、多分そのあたりで調整はされていることと思いますが。
最近の受験生には、こういうミーハー(と、敢えて呼びますけど)な学部・学科名が人気なんでしょうか。私ならヤだなあ。
人間総合政策情報学部環境福祉システムコミュニケーション学科などというようなとこ。

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