ALCYONE LEGEND For VRオイル&水漏れ対策修理1


  


初めに

今回の献体?であるVRは千葉県在住のXAVIのメンバーなのですが、98年末に、ドライブシャフトの修理がてら、これから
悪くなりそうな所があれば直して下さいとの事で京都迄、走ってこられました。

 オーナーの方は職人で仕事柄よく某大陸へ出張?で行かれるみたいで、車を預かり悪い所を拾い出して連絡しようにも全く
 連絡が付かずに困ったあげく、本人さんの当初の予算内で出来るだけの事をしてくださいの一言で決行する事になりました。

車自体のコンディションは割と良かったのですが、リフトアップして詳しく調べると、たまたま発生していないだけで水漏れと
  オイル漏れが、この先に出てくるだろうという結論になったのですが、筆者自身の仕事の進め方として、修理過程の間でこれ
から出て来ると思われる箇所はあっさりとついでに交換若しくは対処しておこうという持論?があります。

  車は金属だけでなくゴム、プラスチック、複合素材、色々な部品の寄せ集めでありまして、永久的でないというのは素人でも知
  っている事ですが、例えば冷却ホースから水漏れしたとすると、単に経年変化で破れたのか?、オーバーヒートして冷却系の圧
力が過大になって漏れたのか?、他の部品との擦れで漏れたか?、色々な要素が絡んで水漏れに至る場合があります。

  これはオイル漏れもしかりで、古い車の場合は単に破損した部品だけを取り替えても、次々と経年変化を起こしている部品はよ
く壊れたり、漏れたりします。

  一カ所、修理した弊害で一部が新品になって全体のバランスが崩れたりすると弱ってきている部分にしわ寄せがきて、必ず漏れ
たりしますのでユーザーの金銭的負担とバランスしながら作業を進めます。

  車は動いてなんぼの物ですのであくまで稼働していて値打ちがあると思います。
  修理して直ぐに修理に関連した多の部位から漏れたりすると再入庫という形になり、ユーザーは車に乗れない、再び出金という
  目に遭うため、修理する側も値打ちのない修理だと思う事もあり、ユーザーも含めてお互いが気持ち悪い事にならない為に、修
  理中にこれから悪くなりそうな部品を取り替えておけば、先のリスクは軽減できるので結果的にはユーザーも幸せになれるとい
  う事があります。
  
  今回はそういう意味で年式からのバランスを考えてアルシオーネ特有の必ず、漏れますという部分にスポットを当ててみました。
   


エンジンルームを真下から盗撮してみました。

  一見すると、
エキゾーストパイプにオイルが付着している程度でヘッド付近は綺麗に見えます。

  エキゾーストパイプに垂れているオイルはオイルポンプからの漏れによるものでした。


          

カムシャフトを支えるカムケースとシリンダーヘッドの合わせ面から漏れています。

  この場所にはケースとヘッドの間に油圧の通る通路が設けてあり、ゴムの0リングでシールするようになっていますがゴムが
経年変化で硬化して必ず漏れる設計?になっています。

この辺りは試作段階で経年変化によるゴム材質の劣化の見極めが悪かったか材質がプアなものによるものしか考えられません
  がそれ以上にヘッド関係の収縮、膨張が激しいかという所でしょうか。

  もし、この部位からの漏れになりますとケースの0リングを交換しなければなりませんので手間はかかります。

  タイミングベルト廻りを分解して、カムケースを分離しなければなりません。

  メーカーもこの辺りの事はよく分かっているみたいで0リングが従来は普通の0リングでしたが、現在流通している部品は成
  形された0リングで専用部品となっていて、耐久性は高そうでした。


冷却系の鬼門であるクランクケースとインテークマニホールドを繋ぐバイパスホースです。

  このホースは古くなってくるとぶよぶよになってきて針で突いたようなピンホールが開いてクーラントが漏れます。

  右側はウォーターポンプですが、これも定番でよく漏れます。
           
  赤で図示してある所からクーラントがよく滲んできますが、地面に落ちない程度で極、僅かに滲んでくる場合がありますが、
  ポンプ軸の冷却用の分がほんの少しだけ滲む場合はあるのですがポタポタと下に垂れてくるようでしたら即、交換です。

  
黄色で図示してあるホースもたまに破裂しますので、要注意です。
  ちなみにXAVI管理者の掘 氏は両方の漏れを短期間の間に経験済みであります。


インテークマニホールドとシリンダーヘッドの接続部です。

  VS、VRはターボ加給であるために、加給圧とガスケットのへたりでこの部分のガスケットがたまに吹き抜けて、エンジンの調
  子が悪くなる物がありますので注意する必要がありますね。

  このVRは吹き抜けはなかったのですが、右側画像ガスケットが経年変化でふやけてきて、オイル気やガソリンの気化したもの
がかなり、滲んできていました。

  黄色で囲んでいる部分がオレンジっぽいのはガソリンの気化した成分です。


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