UNTER− WERT 1999/02/10に更新
プロローグ
深い森の中、蒼いマントを羽織った青年が一人歩いていた。 青年? いや、その顔にはまだ幼さが残っている、少年と言うべきだった。 しかしこの深い森の中、彼は何をしているのだろうか? 冒険者だろうか? 確かに少年よりも幼い冒険者だっている。 . . . しかし、彼はなんのえものも持っていなかった。 そう、少なくとも見た目には・・・・。 ザザッ 変化は突然起きた。 音がしたかと思うと青年は何人かの男達に取り囲まれていた。 ガ キ 「馬鹿な子供だな!こんな所にノコノコ殺られに来るとは!」 「近くの村で言われなかったのか?  ここにはこわ〜いお兄さん達がいるってなぁ!」 「ケケケケ・・・・」 「グヒヒヒ・・・・」 相手は4人。 チビ・デブ・ノッポのよくある三人組+魔術士風のリーダー格の男 といった構成になっている。 おそらくこの界隈を荒らし回っている山賊の一味だろう。 ただでさえ苦しい農民をさらに苦しめる様な輩だ。 ところでその少年は臆することなく口を開き淡々と話し出した。 「・・・僕はその村からの依頼できたんです。  山賊なんてやめて下さい。今ならまだ間に合います。」 「依頼だぁ?笑ッちまうぜェ、ヒョヒャヒャヒャヒャヒャヒャ・・・。」 「金だけ置いて帰んな!命だけは助けてやるぜぇ?」 「僕も手荒な真似はしたくありません。おとなしく手を引いて下さい。」 「てめぇ!人をなめるのもいい加減に・・・!」 「まて!」 リーダー格の男がいきり立つ3人を押さえた。 ブルーファング 「貴様・・・もしや蒼 牙か?」 「そう呼ぶ人たちもいますね。」 「なにぃっ!?こんなガキが!?」 「鬼神の剣をふるうという冷徹非情なハンター!」 「そうそう・・・」 ノッポが少年の側まで来てにやりと笑う。 「1年ぐらい前に女ができて、それから向かうところ敵なしの コンビとかってうたわれてたな。」 ピクッ 今までほとんど無表情だった少年の顔に初めて感情の色が走った。 「でもよぉ、今その女を連れてないってコトは・・・」 ここで言葉を切ってノッポはそのイヤらしい顔をグッと シンジに近づけてこういった。 殺っちまったのか?ズシャァッ 次の瞬間、ノッポの首は宙に舞い血の雨を降らせた。 少年の手にはいつの間にか剣が握られていた。 「キ、キサマぁ!」 バトル アックス デブが 戦  斧 を振りかぶり突進してくる。 「ヌォォォォ!力ならこのファット負けはせんぞぉ!」 ファット(デブ)は最大の力と怒りを込めて斧をふるった。 ガッ 「な!ばかな!?」 少年は素手で、それも片手で戦斧を受け止めていた。 ファットはなんとか斧で手を叩き切ろうと力を込めるがビクともしない。 バキィッ 少年の指が斧の鉄の部分を貫きつかんだ。 そしてそのまま腕を振り上げ地面へとたたきつけた。 グシャァ ファットは肉塊と化し、辺りに血のにおいが漂った。 「キエェェェェェ!」 チビが奇声を発しながらサーベルを繰り出す。 少年はまったく動かない。 シュッ シュッ シュッ 目にも止まらぬ早さで剣が舞う。 チビは突然動きを止める。 「どうだ?剣先が見えず、動くことすらできまい?」 「戦いの場はサーカスじゃない。」 「言ってくれるな!だがすぐその言葉をあの世で後悔させてやる!」 シュッ その言葉が終わると同時にサーベルが一瞬にして首筋へと入った。 (殺れる) チビはそう思いニヤリと笑った。 ズオッ チビのサーベルが首に当たるか当たらないかというときに、少年の剣が それ以上のスピードで動いた。 ザシュッ チビは上半身が丸ごと吹っ飛び消えていた。 「バカめ! 時間をかけすぎたなぁ!」 3人は最初から時間稼ぎだった。 ソーサラー リーダー格の男はその風貌通り魔術師だった。 「ふ、呪詛まで詠唱した完璧な魔法だ! ブルーファング  いかに蒼 牙といえど耐えられまい!」 通常魔法はその名称さえいえば発動する。 だが、呪詛を唱えてから発動した方がより高い殺傷力が生まれるのだ。 だが、少年はまったく動じず魔術師の動きを見ていた。 ライト・ノヴァ 「破の閃光!」 ドギュウッ 光の帯が一直線に少年へと放たれる。 少年はそれを見て前方に手をかざす。 少年のマントが風もないのに上へと捲れあがった。 身体が赤く光り、体中に呪文のような文字が現れる。 ライト・ノヴァ 「破の閃光」 ドギュウム 同じ魔法を少年も放った。 だが、圧倒的に力が違い過ぎた。 少年の方が。 グォォォォォォォ 少年から放たれた光は相手のそれをも飲み込み、 そのまま魔術師すらも消し去る。 「ガァァァ!? バカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 魔術師は跡形もなく消え去った。 少年はゾッとするような目で冷たい骸に一別すると 血にまみれたマントを翻し、元来た道を戻っていった。
つづく

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