バレー・オブ・ザ・ゴッズへの道  ここはどういう性格の場所 ?
 周遊道路へ  

どこで入手したのだろうか「Southeastern Utah」というパンフレットがあった。 この中のブラッフ Bluff と言う町のページに「Bluff Ballloon Festival at Valley of the Gods」と記された写真が掲載されていた。 色鮮やかな気球がすばらしい景観の中に浮かんでいる写真で、一目で魅了されてしまった。
私はすぐさまバレー・オブ・ザ・ゴッズがどこにあるのかを探し始めた。 かなり苦労した末メキシカン・ハットの近くにそれを見つけ、立ち寄ってみることにした。

バレー・オブ・ザ・ゴッズへの道

バレー・オブ・ザ・ゴッズはモニュメント・バレーからモアブ Moab やコルテツ Cortez へ向かう際に使うUS163沿いに入り口がある。 そのため比較的行き易いと言えるだろう。
すなわちモニュメント・バレー入り口から東にUS163をメキシカン・ハット Mexican Hut を越え24.5マイルほど行くと州道261号線が左から合流する。 そこからさらにUS161を4マイルほど行ったところからバレー・オブ・ザ・ゴッズへ入る。 モニュメント・バレーの交差点からは28−29マイルというところだ。 バレー・オブ・ザ・ゴッズの周遊道路はダートの17マイルの道で、州道261まで続いている。 そこからUS161までは5.5マイルほどである。
モアブからだとUS191を南にモンティチェッロ Monticello、ブランディング Blanding、ブラッフを過ぎ、ちょうどモアブから100マイルほどのところからUS163に入る。 そこから15マイルほどで入り口だ。

Rent-a-car周遊道路へ

州道261との合流点からUS163を東へブラッフ方面に4マイルほど行く。 道の両側に聳えていた崖が切れ視界がよくなったところの左にバレー・オブ・ザ・ゴッズの入り口がある。 US163から急坂を下ると小川が流れていて、その川の中を突っ切ると右手に案内板がある。 下の地図に示されているようにビュートの間をシーニック・スポットを巡って周遊道路は作られている。
その川を渡るのを逡巡する場合には先へ進まない方が良い。 この周遊道路はモニュメント・バレーよりはるかに悪路で、一般車ではちょっとつらい。 私たちはアラモ Alamo のサイトから安い一般車を予約(2ドアーのコンパクト・カー 乗り放題 Unlimited Mileage の1週間レートにコロラド州グランド・ジャンクションでのドロップ・オフ Drop Off = 乗り捨て料、任意保険および税金類込みで何と $481.65 !)していたのだが、ラス・ベガスでチェック・アウトする際、たまたまコロラドに戻すリクレーショナル・ビークル(右上写真)があり、これを使わないかと言われたのだ。 陸送屋をやらされるわけだから、もちろん料金の変更なし。 これは実にラッキーだった。Map of Valley of the God

案内板の先に進むとまず現れるのがセブン・セーラーズ Seven Sailors (下写真)だ。 セーラー帽をかぶった小人たちがビュートの頂上に乗っている感じだ。
Seven Sailors

車は砂埃を上げながら前進する。 一本道なので迷う心配は無い。 やがて左にふくよかな雌鶏がビュートの上で卵を抱いているようなセッティング・ヘン・ビュート Setting Hen Butte が現れる。 残念ながらその写真は撮っていなかったようだ。
モニュメント・バレーではビュートそのものが巨大で神々しいのだが、ここバレー・オブ・ザ・ゴッズではビュートの上に神々の作った巨大な彫刻が乗っているといったイメージで、趣が大きく異なる。

またモニュメント・バレーではトーテン・ポールのようなタワーには通常近づけないが、ここではタワーのすぐ近くを道が通っていたりするので迫力満点だ。 上の地図にあるようにこれらの自然の彫刻には名前がつけられているが、それを特定できないものも多々ある。

上の二つなどもその種のものだ。 右上の岩からは映画「ベン・ハー」に出てきた戦車競技場を思い出した。
車も体もねじれる感じの悪路の連続の周遊道路だが、ここは2003年の1週間の旅の中でシーニック・ドライブ・コースとしてはモニュメント・バレーを抜いて1番気に入った。 ただしモニュメント・バレーは2度目だったことから感動の度合いが低かったかもしれない。 ともかくもここはお奨めのスポットだ。
約17マイルの周遊路の終端近くにバレー・オブ・ザ・ゴッズ・ベッド・アンド・ブレックファースト Valley of the Gods Bed & Breakfast がある。 この近辺唯一の宿泊施設だ。
ユタ261に出て再び国道163を取ったのだが、セブン・セーラーズがアイデンティファイできなかったのが残念で、再度その周遊路に入ることにした。 そしてそれを見つけ撮ったのが一番上の写真と言うことだ。 写真を撮り終えるとバックして国道163に戻り、キャニオン・ランズに向かった。 結局周遊路を一周と少ししたわけで、1周するための国道および州道部分の走行時間を含め、合計1時間半ほどここには滞在したことになる。 実に中身の濃い1時間半だった。

ここはどういう性格の場所?

このバレー・オブ・ザ・ゴッズはナショナル・パーク・サービスの管轄する国立公園類には属さない。 また州立公園 State Park でもないのだ。 これだけの規模の景観のある場所がこれらのいずれにも指定されていないと言うことで、改めてアメリカ合衆国の観光資源の奥行きの深さを知らされた。