 |
|
公園入り口までは舗装道路だが、ゲートから先は未舗装だ。 ビジター・センター前には未舗装の駐車場が広がる。 1996年に来たときはその駐車場にテーブルが所狭しと並び、ナバホの人々がガイド・ツアーの呼び込みをやっていたが、2003年9月に訪れたときは道路を挟んで反対側のビジター・センター側にガイド・ツアーの小屋が1軒あるのみだった。
まずこの駐車場に駐車しよう。 そしてビジター・センターに入ってみて、トイレを済ませ、いざバレー・ドライブに出発だ。 だがその前に駐車場の道路を隔てた崖のヘリに行って景色を見よう。 下の写真がここからの景色だ。 未舗装の17マイルのループ・ロードはここから下に下りていく。 下の白い部分がその道路だ。 左からウェスト・ミトン・ビュート
West Mitten Butte、イースト・ミトン・ビュート East Mitten Butte、そしてメリック・ビュート
Merrick Butte だ。 ミトンとは親指以外の指が分かれていない手袋だ。 ナバホ族(このナバホと言う呼称はスペイン人の開拓者が名づけたと言う。 ナバホの人々は自分たちのことを「ディネー
Dineh」と呼ぶ。)の人々はこの2つのミトンが自分達を守ってくれるものと信じていると言う。
|
この問題はなかなか難しい問題だ。
1996年の場合にはほとんどのビジターはガイディッド・ツアーを選んでおり、自分の車でバレー・ドライブに挑戦する者は少数派だった。 しかし様相は一変していた。 2003年この駐車場までドライブしてきた人々は、ほとんどその車でバレー・ドライブを行っていた。
自分で運転することのメリットは当然ながら自分のペースで回れることだ。 すばらしいスポットだと思ったら好きなだけそこにとどまることが出来る。 一方ツアーだとそうは行かない。 他のツアー参加者に気兼ねしながら写真を撮ったりしなければならない。
一方ツアーのメリットは一般車の入ることのできない道路にも入っていけることだ。 しかし短時間のツアーの場合には制限地域に入らないものもあるので事前に確認しておこう。 私たちが1996年に参加したツアーの場合には干上がった川の中など一部一般者乗り入れ禁止地域に乗り入れはしたが特にそのメリットは感じられなかった。
したがって路面が乾いており天候に不安が無い日にここで半日程度過ごそうと言う向きには自分でドライブすることをお奨めする。 通常のセダン・タイプの車で特に問題は無い。
路面がぬかるんでいる場合やすぐにも雨が降ってきそうな場合にはガイディッド・ツアーに参加するべきだろう。 また3時間以上のツアーで一般車の入場の禁止されているバック・カントリーへ行くツアーにタイミングよく参加できそうな場合にはどこが見られるのか聞いてみよう。 ナチュラル・アーチ、岩石彫刻
petroglyph、絵文字 pictograph やアナサジの遺跡などをめぐるツアーであれば参加する意義は大いにある。 グールディングス・ロッジからは夏季は午前9時と午後4時にこれらを回る3時間半のツアーがある。
またグールディングス・ロッジから夏季の間9時に出発する1日ツアーがある。 このツアーの場合には上記の他、公園西側に位置するミステリー・バレー
Mistery Valley やホーガン Hogan と呼ばれるナバホ族の伝統的な住居跡を訪れるようだ。
|
バレー・ドライブへ出発しよう。 駐車場からかなりの急坂を下ると、左手に親指が右のウェスト・ミトン・ビュート、奥まったところに親指が左側のイースト・ミトン・ビュートを見ながら進む。 この2つのミトンがほぼ対称形であるのが不思議だ。 続いてメリック・ビュート。 次に左手に現れるのがエレファント・ビュート
Elephant Butte。 どう見たら象なんだ?
右手にスリー・シスターズ The Three Sisters (右写真)が現れる。 このスリー・シスターズを「3姉妹」と訳している場合が多いようだが、ここでは「3人の修道女達」とした方が適切だろう。 両側の二人は修道服を着て手を前に組んで右の方に歩んでいるように見えないだろうか。 ちなみに真ん中は修道院に入りたての少女であると言われる。
|
このスリー・シスターズの道を挟んだ反対側に迫っているのがキャメル・ビュート Camel
Butte (左写真)である。 これはなんとなくラクダに見えるような気がしないでもない。
まもなく交差点に差し掛かる。 まず右に向かおう。 道路の行き詰まり、スリー・シスターズを間近に見る場所にジョン・フォード・ポイント
John Ford's Point の大駐車スペースがある。 車から降りて右前方の半島状の台地の先端まで行ってみよう。 ここは下とはかなりの高度差があるので大変眺めが良い(下写真)。 1939年に公開されたジョン・フォードの「駅馬車」
Stagecoach のロケーション撮影に使われた場所だ。 この広大な景色を背景に、高低差を利用したショットは当時の映画としては画期的なものだった。
|
ジョン・フォード・ポイントから先ほどの交差点に戻り、ここでまた右折する。 ここからは一方通行路だ。 左側にレイン・ゴッド・メーサ
Rain God Mesa を見、そのメーサに沿って左カーブを切る。 そのカーブのあたりから遠方にハブ
The Hub が見える。
|
レイン・ゴッド・メーサの南東の端には巨大な手のひら(下写真)が聳え立つ。 そして前方にトーテン・ポール
Totem Pole が見えてきた。
|
トーテン・ポール(下写真右側のコラム)は高さ808フィート(246m)と言われる。 その左側に見られる一群のタワーがイェイビチャイ
Yeibichai と呼ばれているようである。 このイェイビチャイとはナバホ族の伝説の踊り子たちの踊る姿に似ていると言うことから名づけられたといわれる。
トーテン・ポールのビューポイントから左に折れ、左にレイン・ゴッド・メーサを見、右側のスピアヘッド・メーサ
Spearhead Mesa に沿って北上する。 その突き当りがアーティスト・ポイント
Artist's Point (下写真)だ。 ここはジョン・フォード・ポイントと双璧をなすビュートとメーサを一望できるビュー・ポイントだ。
|

|
左側のビュートがメリック・ビュート、その後方右側に広がるのがセンチネル・メーサ
Sentinel Mesa、ウェスト・ミトン・ビュートはちょうどメリック・ビューとの陰に隠れている。 右側のビュートがイースト・ミトン・ビュートで、その左手に小さく見えるのがビッグ・インディアン
Big Indian、右手に見えるのがベアー・アンド・ラビット Bear & Rabitt
のようである。
目を北側から東側に移すとスペアヘッド・メーサの先端部分(右写真)である。 おそらくこれがこのメーサの名前の由来となったスペアヘッド(槍の先端)であろう。
ここから少しもと来た道を戻り右折する。 クライ・ビュート Cly Butte の先、キャメル・ビュートの手前のT字路を右に折れ、クライ・ビュートを右に見ながら進んだ突き当りがノース・ウインドウ North Window (下写真)だ。 2つのビュートの間から北側をのぞき見ることができることからこのような名前がつけられた。 したがってここで言うウインドウは(丸い)穴のあいた岩と言う意味のウインドウではない。
ノース・ウインドウからはまたもと来た道を戻り、T字路をキャメル・ビュートに沿って右折する。 ほどなく十字路で、ループ・ドライブの終点だ。 まっすぐ行け ばジョン・フォード・ポイント、右に曲がればビジターセンターへの対面通行の帰り道だ。 同じ道だからと言って急いで戻るのはやめよう。 進む方向によって風景の見え方は大きく異なり、すばらしいスポットを見出すこともよくある。
駐車場の手前の登りはかなりの悪路で上りも案外きつい。 地面が乾燥している日でも苦労して登って行く車を見かける。
この1周17マイルのバレー・ドライブは2時間あればかなりゆっくりと回れる。 急がずにゆっくり堪能しよう。
|
|
 |
 |