ガルデナの谷とサッソルンゴ
ガルデナの谷 Val de Gardena またはグレーデンタール Gröden Tal へはボルツァーノからバス(SADバス)が頻繁に出ています。オルティセイ、サン・クリスチーナ、セルバ経由プラン Plan 行きのバスです。 またボルツァーノとブレンネロの間のブリクセン Brixen からキューザ Chiusa/Klausen、オルティセイ、サン・クリスチーナ、セルバ経由プラン Plan 行きも出ていますので、ドロミテの中では公共交通機関を利用して楽しむことの出来る数少ない地方だということが言えます。
ただし冬ダイヤの始まる9月中旬からはコルチナ・ダンペッツォ方面へ行くバス等が無くなるのをはじめ、バス路線は大幅に減少しますのでレンタカー利用をお奨めします。
 ガルデナの谷沿いの村
 ホテル・カルメン
 サッソルンゴ
 ガルデナの谷探訪のヒント集
ガルデナの谷沿いの村
ボルツァーノからプラン行きのバスに乗ると、バスはイザルコ川に沿ってインスブルックへ向う高速道路A22と並んで走る国道12号線を北東を目指します。約23kmほど行き、右折してイザルコ川を渡ります。 その橋がポンテ・ガルデナ Ponte Gardena / Waidebruck で、ここからがいよいよガルデナの谷です。そこから13kmほど国道242号線を走るとガルデナの谷の最初の村、オルティセイ Ortisei / St. Ulrich (標高1,236m、人口5,500人、ゲスト・ベッド数5,900)に着きます。国道の北側に展開しているこの村はガルデナの谷の中では最も大きな町で、映画館もあるということです。
村の南側からはアルペ・ディ・シウーシ Alpe di Siusi/Seiseralpe へ登るロープウェイがあります。 この村には1985年に一泊したことがありますが、かなり中心街から離れた四星のホテル・グリエンという宿だったので村の中心街についてはほとんど知りません。

オルティセイの次の村がサン・クリスティーナS. Christina/St. Christina (標高1,428m、人口1,730、ゲスト・ベッド数2,800)です。 1984年、初めてドロミテを訪れたときの私はガルデナの谷やサッスルンゴについての知識は全く有りませんでした。 ボルツァーノからコルティナ・ダンペッツォ Cortina d'Ampezzoへのバスがあるらしいということで、ボルツァーノにやってきたのでした。 しかしバス・ターミナルに着いたところ、すでに冬ダイヤになっておりドロミテ街道を突っ切ってコルティナへ行くバスは運行されていないこと、そしてコルティナへ行くには大きく北側をぐるっと周ってドッビアーコ Dobbiako から南下するバスしかない事を知りました。 それもすでに最終便が出てしまっていたので思案に暮れていたところ、なんとなく響きの良いサン・クリスティーナという地名を見つけ、そこまで行ってみることにしました。 これがこのサン・クリスチーナとの出会いです。

谷の一番奥の村がセルバ Selva Gardena/Wolkenstein (標高1,428m、人口2,400、ゲスト・ベッド数8,000)です。 狭い道の両側にたくさんの宿泊施設が並んでいます。
ホテル・カルメン
バスのドライバーがサン・クリスティーナといったのを聞き慌てて降りたのがポスト・ホテルの前のサン・クリスティーナ・ピアノだったと思います。 バス停の左側にまだ開業して間も無いと思われる瀟洒な三ツ星ホテル カルメンがありました。 これも初めてわかったのですが、この近辺のホテルは通常一泊二食付きのハルプ・ペンシオン Halp Pension (英語ではHalf Board)か、一泊三食付きのフォル・ペンシオン Voll Pension (英語は Full Board)Hotel Carmen が当たり前です。 私もハルプ・ペンシオンで泊まることにしました。 良心的な料金とその食事にこの宿がすっかり気に入ってしまいました。
昨1999年10月、15年ぶりでこの宿に泊まり オーナーの老夫妻と旧交を温めました。ハーフ・ボードでドゥーシェ付きのこぎれいな部屋で10万リラ。 実は1985年11月に訪れたところ休業中で、そこの娘さんが車で隣村のセルバ(Selva / Wolkenstein)とオルティセイ(Ortisei / St. Ulrich)まで連れて行ってくれ、ホテルを一緒に探してくれました。 そのときやっと見つけたホテルがオルティセイの項で述べたグリエンです。
カルメンの食事は最高です。右図の財布みたいなものはナプキン入れで、食後に自分Dinner at Hotel Carmen in October 1999の使ったナプキンを入れておきます。すると次の食事の時に洗わずにそのまま出きます。この習慣はスイスのエンガディン地方からここドロミテ地方にかけてのもののようです。
Napkin2000年8月はじめて家族を連れてカルメンを訪れましたが、ハイエスト・シ−ズンということもあり一人ハルプ・ペンシオンで148,000リラ、残念ながら最高の料理とは言えず、また上記のナプキン入れは出てきませんでした。
サッソルンゴ

サッソルンゴ ・グループ Sassolungo/Langkofel はガルデナの谷、セッラ・Finivia Ortisei - Alpe di Siusiグループ Gruppo Sella、ファッサ谷 Val di Fassa そしてアルペ・ディ・シウーシ Alpe di Siusi/Seiser Alm に囲まれた標高3,181mの独立峰群です。その山容は見る角度によって大きく異なり、そのどの方角から見てもこれまた神々しい姿をしています。ただし、ガルデナの谷の村からは残念ながら頭の部分が少し見えるだけで、またカナツェ- Canazei などのファッサ谷からは全く見えません。
それではまず私の最も好きなアルペ・ディ・シウ−シ側から見てみることにしましょう。オルティセイの中心部の南側、国道242号線の南側、ガルデナ川を渡ってすぐ右折した所に1999年冬に全面改装のなったアルペ・ディ・シウーシへ登るゴンドラがあります。このロープ・ウェイの正式な名称は Funivia Ortisei - Alpe di Siusi/Seilbahn St. Ulrich - Seiser Alm で、2000年8月の大人料金は往復19,000リラでした。なおさらにアルペ・ディ・シウーシの方へ降りていくリフトを含んだチケットも発売されています。 今回は午後5時ごろについた関係上(山頂駅からの最終が午後6時10分でした。)、下まで降りるのは断念しました。 また片道のチケットにして歩いてオルティセイに戻る、アルペ・ディ・シウーシからバスで戻る、さらにはアルペ・ディ・シウーシから砂利道をサン・クリスチーナへ向かうことも出来ます。なおアルペ・ディ・シウーシとサン・クリスチーナの間の道は車の通れる道ですが、一般車は進入禁止となっています。
ロープ・ウェイの山頂駅はサッソルンゴの北西にあたるので、夕方訪れるのが良いでしょう。
1984年に初めてガルデナの谷を訪れた際、たまたま日没までに多少時間があったので登ったのがここでした。 ロープウェイの頂上駅からはじめて一望するサッソルンゴの何と神々しい美しさか。 さらに牧草地をサッソルンゴに引きずり込まれるようにさまよい、何か怖さすら感じロープウェイの駅まで戻ったのを今だにはっきり覚えています。

Sassolungo from Alpe di Siusi 次に北東にあるガルデナ峠 Passo Gardena/Grödner Joch から見てみましょう。この方角からはサッソルンゴの本峰だけSassolungo from Passo Gardenaが見えます。上の写真の左側部分です。サッソルンゴは南東から北西方向に細長い岩山で、セルバからセッラ峠に至る道筋からはこのように横に広い山容を見せます。
その道の途中のプラン・デ・グラルバ Plan de Gralba からはピッツ・セラ Piz Sela へのロープウェイがあり、この近辺をハイキングするのも気持ちが良いものです。私は1984年10月、ロープウェイが動いていなかったので下から歩いて登り、この辺りを散策しました。
さらに国道242号線を南に下ってセッラ峠に近いセッラ峠小屋 Rif. Passo Sella 2150mまで行ってみましょう。ここから見るとサッソルンゴ・グループは下左の写真のように三つの峰からなっているように見えます。右側の峰がサッソルンゴの本峰です。


Sassolungo from Rif. Passo Sella Telecabine del Sassolungo
ここのロープウェイは上右の写真のような細長い、立って乗るタイプの2人乗りで、鞍部のフォルチェッラ・デル・サッソルンゴ Forcella del Sassolungo/Langkofelsharte 2685mまで一気に上ります。ここにはT.デメッツ小屋 Rif. T. Demetz とそのテラスがあって、そのテラスからは左からチール Cir、セッラ・グループ Gruppo Sella やマルモラーダ Marmorada が一望できますView from Forcella del Sassolungo
ここをロープウェイとは反対方面に歩いていくと右写真のようにガルデナの谷の方面が垣間見られます。ここからは登山道があり、サン・クリスチーナ方面やセッラ峠小屋へ戻れます。ガイド・ブックによりますとこのカールを降りた反対側のビチェンツァ小屋 Rif Vicenza まで降りるのに約35分、そこから上記のピッツ・セラ近くのコミチ小屋 Rif. E. Comici まで2時間、さらにセッラ峠小屋の駐車場まで40分ほどかかるそうです。私も一度トライしたいと思っています。
1999年10月にここを訪れた際には、このデメッツ小屋には十数人の人が暖を取るため、中でコーヒーなどすすっていましたが、何と私も含め5名が日本人で、サッソルンゴももずいぶん日本人に知られるようになったものだと感心したのですが、2000年8月にはドロミテに滞在した4日間に日本人には全く出会いませんでした。
ここのロープウェイは往復大人17,000リラ。乗るときは一人ずつ離れた乗車位置につき一人ずつ飛び乗ります。このとき係員が飛び乗るのを助けてくれ、キャビンの鍵を閉めてくれます。降りるときも係員の助けを借りて飛び降りることになります。
ガルデナの谷探訪のヒント集

ロープウェイ

ガルデナの谷からのロープウェイは上記の2つの他にオルティセイから谷の北側斜面をセチェーダ Seceda 近くの2,456m地点まで登るもの、サン・クリスチーナから同じく北側斜面を2、107mのコル・ライザー Col Raiser まで登るもの、セルバからチールおよびガルデナ峠の近くのダンターチェピエス Dantercepies 22,98mまで登るものなどがありますが、早いものは9月中旬から、遅いものでも10月中旬には営業を休止してしまいます。

ガルデナの谷の宿

ガルデナの谷にはオルティセイ、サン・クリスチーナ、セルバに数多くの宿泊施設があり、大変リーゾナブルな料金で、快適な滞在と美味な食事を堪能することが出来ます。それでも夏のハイ・シーズンには宿を探すのが大変ですから予約をされることをお奨めします。 次のホームページから宿の検索および予約が出来ます。

http://www.val-gardena.com/

SADバス時刻表

http://www.sad.it/

レンタカー

ガルデナの谷にはタクシー会社はありますが、レンタカー会社はありません。 私は1999年、2000年とボルツァーノのマッジョーレ・レンタカー Autoservice Maggiore (National Car Rental) を使っています。 駅舎に沿ってベローナ方面に1〜2分歩いた道の右側に小さな事務所(ViaGaribaldi 32 Tel 0471 971 531)があります。 1999年10月にグループBというコンパクトカーを3日間借りたときは保険料等全て込みで何と345、972リラでした。 2000年8月にグループKというワゴンタイプの車を5日間借りたときは全て込みで1,127,000リラでした。営業時間は平日が08:00-12:00と15:00-19:00、土曜は08:00-12:00、日曜祭日は休みです。この点に注意して旅程を組まれると良いでしょう。
なおマッジョーレの何軒か手前にはハーツもあり、日本からも容易に予約できるはずです。

地図

Casa di Editore Tabacco 社 「Val Gardena / Gröden Alpe di Siusi / Seiseralm」 (シート番号05) 1:25,000