「をたく」
(一般人から「ヲタク」と呼ばれる人々の中には自称してこう表記する人が結構いる)
現代用語の基礎知識には…
とある。◆おたく〔マンガ文化用語〕
一九八四(昭和五九)年『漫画ブリッコ』誌上で、マンガやアニメ、SFなどのファンの中でもつき合いたくない特殊タイプのマニアを現す言葉として、中森明夫が命名したともいわれる【「新おたく文化」講座(826ページ)」参照】。マニア間ではなれなれしく、それでいてきちんとコミュニケーションがとれず、細部や情報にこだわるしつこいタイプを指す。それまではどマニアとか、いやらしマニアとよばれていた。相手に「おたくは…」といういい方をすることからきた。一九九五(平成七)年には東大ゼミに「おたく学」が登場し、岡田斗司夫の「おたくの経済学」も出版された。
おたくはいまや、九○年代の電脳情報化社会のクリエーティブなニュータイプと捉えられることもあり、こだわり派に適用される言葉になりはじめている。
ハッカーと言う言葉が「コンピュータを使って悪い事をする人」から「コンピュータに精通したCoolな人物」や「クラッカー(現在ではこちらが「コンピュータ犯罪者」を指す)を迎え撃つ人」と言う意味に変化してきたように、「クリエーティブなニュータイプと捉えられることもあり、こだわり派に適用される言葉」とされ、以前とは異なり、逆に博識碩学な人物を指す場合も出てきたようだ。
一般的に旧来の意味での「おたく」と混同、同一視されがちな概念にロリコン等と言う言葉もある。
ロリコン
正しくは「ロリータコンプレクス」とは…白系ロシア貴族出身で米国に帰化した作家・詩人ナボコフ(Vradimir Nabokov 1899〜1977)の小説「Lolita」を語源とする言葉で、ストーリーは少女にしか欲望を感じない中年詩人のハンバートが、偶然12歳の少女ロリータと出会い、彼女と異常な性愛の世界に溺れると言うもので、辞典等では〔異常性愛の一つ、中年の男性が少女にしか性的欲望を感じない心理を言う〕等と説明されている。
現在一般に「ロリコン」等と省略されて使われる場合はもっと軽い意味で使われることが多い。
女性が強くなってきた時代において青少年が同世代の女性から逃避し、「2nd.デメンション・コンプレックス(またはシンドローム)」に走ったりする場合などにも用いられる。
こうした2次元コンプレックス、平面の少女に強く魅かれる俗に言うアニメーションマニアが「おたく」の発祥であると言われている。
アリスコンプレクス
「ロリコン」とほぼ同義になる。こちらは定義として確立されていない言葉であるが、最近わが国ではたまに使われているようである。
「ロリコン」の語源となった小説「ロリータ」が、わが国において、余りポピュラーでないのに対し、ルイス・キャロルの「アリス」シリーズが大変有名なことに起因する。
「ロリータ」は、「サド・マゾ」の「マゾ」の語源となった、マゾッホが余り知られていないにもかかわらず、言葉としての「マゾ」が一人歩きしているのとよく似た現象である。
主人公のアリスは実在の人物で、キャロル自身真性のロリータコンプレックスであったことは周知の事実である。
不思議の国のアリス
ヲタク宣言
高いPCスキルを持ったある女性WebMasterから貰ったメールに
当時(高校生の頃)、学友たちに、PCの話が全く通じず、それどころか「オタク」と まで言われ、私は寂しい思いをしていたのです。と言う下りがあった。
「オタク」と呼ばれたのがショックで、以来、友達とはPCの話をしていません。
ヲタクと言われて怒る人はヲタクなんだとも聞いたことがある。
(何ともな表現だね)私自身既に“ヲタク”で括られる年齢ではないし、風体もステロタイプヲタクとは異なるはずである。
ステロタイプ的ヲタクはかつて私の運営していたSIGはヲタクの巣窟みたいなところだったので、ヲタクと言われる人たちにさほど違和感はないし、今でも自分自身きっとヲタクなんだろうなと思っている。[おたく総研](とうとう消滅、惜しいサイトを無くした物だ…) によると
「アニメ/漫画・男性・デブ・Tシャツ・Gパン・汗かき・脂性・臭い」と言うことになる。
これを元に一般的印象の侮蔑的ヲタクをまとめると…
こんな具合か?
- 体格
- デブまたはガリガリ(私はどちらでもない)
- 風貌
- デブの場合脂ぎっている(…いないと思う)
- 外見:1
- めがね(…一つ合致)
- 外見:2
- 服装に無頓着(…ではない、と思う。年の割には)
- その他:1
- 汗かき・臭い(汗かき…だな。「におい」は加齢臭が出ても仕方ない年齢だ)
- その他:2
- アニメ(…ううむ、嫌いじゃないぞ。我が国の誇る文化だと思う)
(まずいな、結構当てはまってしまう)
しかし、“ヲタク”とは外見ではなく、価値観の問題なのだ。
誰かに「おまえはヲタクだ」といわれたら、「そうだよ、何か問題ある?」と返答する。
まぁ、これはオジサンだから出来る芸当であって、特にヲタクが一般化していなかっ た10数年前の女子高校生にはこういう受け答えは出来るわけはなかっただろうが…。ヲタクと言う言葉は、「ヲタク自身が誇りを持って自分を指す場合」以外は、「ヲタク化するほどの持久力、情熱や知力を持たない凡庸な人々」が「立派なヲタク」を差別して排除するときのカテゴリーなのだと思う。
ヲタクに至るほどでなくとも、ある程度知性の高い人は少なくとも“ヲタク”を差別的意味で使ったりはしないようである。
逆に、何らかの価値ある事業を成し遂げた人は、ある意味“ヲタク”的傾向を少なからず持っているのではないかと感じる。我々は“ヲタク”と言われることを誇りに思わなければならない。
人々が侮蔑的意味あいで他者を指して「ヲタク」と呼ぶときは、その人は差別よりも目の前の“ヲタク”に「畏怖れ」に近い印象を持っているような気がしてならない。
(なぜなら、彼らにはヲタクと言われるに必要な程度の知識を蓄積できるだけの情熱や能力がないのだから)つまり、悪意を持って他人を“ヲタク”と呼ぶのは劣等感の裏返しなのである。
ヲタクよ立ち上がれ!
そして、未来のために研鑽を続けようではないか。知的探求心と情熱・継続の力無きところにはなにも生まれはしないのだから。