愚行連鎖 WorksGBの道具達-7

1号機 三度目の大改修

苦労は金を払ってでも拾ってこい!


吾が愛しのMICRON CASE

1号機近影 行きつけの店でSuper7のBaby-ATマザーボードを発見してしまう。
FIC VA-503A
Baby-ATファクターであるが、電源はAT/ATX両用、メモリスロットもSIMM/DIMM両方備えている。

(よく考えればFSB100で動かすようなCPUとSIMMを組み合わせることなど普通はしないはずで、あまり意味はない)

…と書いてしまったがこれは間違いで、SIMM/DIMM両方を持つMBは一つ下のVA-503+というタイプだった。
VA-503+は同じくBaby-AT Suuper7だが、対応CPUの幅が狭く(450MHzまで)、チップセットは同じVIA Apollo MVP3だが、SuperSuthチップもないのでATA66は使えない。
スロットもVA-503Aの1AGP/4PCI/1ISAに対し、1AGP/3PCI/3ISAとなり、IrDA、USB、Wake on LANにも対応しない。
実売価格で1,000円程度の差だったら、VA-503+はISA使いたい場合以外、選択肢から外れるよな。

1号機はWindows3.1時代からの付き合いだからもう6年以上になる。

(機体番号は自作AT互換機のものであり、通しナンバーで言うと実際にはこれは8号機になる。もっともこの1号機も中身で竣工当時のままなのは電源と、FDDとサウンドカード位のものだが…)

とにかくこの1号機の箱(筐体)のデザインが好きな私としては、もう我慢が出来ない。
電源ケーブル周りとスイッチなどと一緒にAMD K6-2 450(K6-3はちょい高くて手が出なかった)を入手。

Super7+AGPのマザーボードってのは、極めて相性がきついらしい。
ちゃんと動かすにはかなりの苦労がいるとの話である。
ワク ワク ワク…

スイッチ周りを購入したのは、近いうちに電源ユニットをATXにしようと企んでいるため。
サイトから拾った情報によるとこのマザーにはサウンド回路がオンボードらしい。
なんて優れているんだ。

Planex ENW-8300-T PCI するってぇと、ネットワークカードさえPCIにすればコンフリクトに悩む時間が減る…そう考え、使ったことが無いと言う理由だけででPlanexのNICも購入。

Linux OK!のペンギンマークが可愛いぞっ!

WESTERN DIGITAL Caviar84AA マザーボードはUltraDMA66対応との事で思い切ってHDD(WD84AAと66ケーブル)も買ってしまった。

現在はC:にWESTERN DIGITAL Caviar28400、D:には一世代も2世代も前のWESTERN DIGITAL Caviar31600(1.6GB)を装着しているのだ。

ちなみに私は特に事情がない限り、WESTERN DISITALのHDDを選んでしまうのだ。
他にも廉くて性能の良いユニットはたくさんあるのだが、なんとなく好きだと言うのは大きな理由である。
ロット不良なんかにゃめげないぞっと!

FIC VA-503A 帰宅してマザーボードを確認すると、型番は確かにサウンドオンボードのタイプだが、箱に張ってあるラベルに消えかかって**/WOと書いてある。
いやな予感を覚えながらパッケージを開けると…

サウンドチップの有るべきところとAMRスロットの部分が空半田になっている。

やられた!

(ざっと調べたら、どうもこのVA-503A、サウンドオンボードのタイプはあまり正規輸入されていないようだ。日本のマニアは多少高くてもオンボードタイプじゃない方選ぶんだな、きっと。i810だって自作マニアにはあまり人気ないようだし)


ISAのサウンドカードもネットワークカードもは手持ちがそれぞれ2枚ほどあるが、このマザーにはISAが1本しかない。
速度的にもネットワークカードをPCIにした方が有利になるような気もする。
結局ネットワークカードを買ったのは正解ではあったのだ。
(と、思っておくのが一番)
C:に使っていた前述のHDDはWESTERN DIGITAL Caviar28400。一応UDMA66対応だが、TypeAAよりも遅いはず。そりゃぁ起動ディスクを高速にするのはお約束でしょう。
早速得意のHDDの引越し(C:←→D:…もう何回やったことだろう)、1号機中身の総入れ替え。

XCOPY C:\ D:\ /C /E /H /R /S

が秘密の呪文。
DOSでやったら駄目よ。あくまでもDOS PUROMPTで実行ね。
ロングファイルネームが壊れてしまうからね。

AMD K6 2 450 Retail BOX この時に忘れずAMDK6パッチを当てておく。

Windows95は200MHz以上のCPUを想定して設計されていないので、このパッチを当てないと高速CPUでは起動すら出来ない。(Windows98なら問題は生じない)
更に、このパッチはDOSからは実行できないのだ。
CPU差し替えてしまうと、“缶切は缶詰の中”状態になってしまうのだ。
夢、お忘れなく。


ちなみにCPUに関してはIntelもAMDも(オーバークロック目的でロットを選ぶなど…)特別な理由がない限りは、リテール版を選んだ方が出費は抑えられる。
なぜなら、どちらもリテール版であれば¥1,000.程度の価格差でヒートシンクファンが付属するからである。
但し、AMD K6のヒートシンクはしっかりと固定されているので大容量のものなどに交換の際には少々苦労する。まぁ、定格で使うんならそのままで全く問題はない。
Pentium!!!もリテール版はヒートシンクがしっかりと固定されているので外さない方が無難である。
定格外で使いたい向きは、やはりバルク、という事になるだろう。
K6 2付属のファンはHDD電源などのコネクタの間にかませる4Pinの物だったので、今回はファンのみ手持ちの温度センサー対応の3Pinの物に交換した。
Celeronも何故かリテール版の付属ファンはセンサー端子のない2Pinの物である。

また、Windows95 OSR2は、追補版のUSBドライバをインストールしないとAGPを使えるようにならない。
USBドライバを入れるが、なんとしてもこれがインストール出来ない。
えらい苦労をしてしまった。
(結局これもビデオカードメモリコンフリクトの問題だったことが後で判明)

頼りにしていたビデオカード、Bansheeはどうやらまた死んだようだ。これでとんでもなく時間を食う。
Windows起動に無事成功し、最初はそれなりに動いていたが、何かするたびどんどんあちこちでコンフリクトが始まる。
ISAのサウンドカードも最初はちゃんと動いていたのに、どんどん状況が悪化し、コンフリクトしまくりで結局動かなくなった。
仕方なく、バルクのVIBRA128を1枚買ってくる。
流石PCI、あっという間に認識。
しかし、デバイスマネージャは今だ (?) (!) (i) の林立する未定だらけ。
最初に起動したときは全部うまく認識したのになぜだろう…
IEも死んでしまった…頼みのNortonもくたばりかけている。

あっち外しこっち挿しでどうにかデバマネを完全に綺麗にする。
しかし、とりあえず挿してあるTotal3Dに問題あり。
最新版ドライバをサイトから拾って入れたら正常に動作しない。
仕方ないのでWin標準のドライバで動作させる。

一通り正常に設定できるが、ただ一つ、一番使う知子の情報がどうあがいても動かなくなってしまった。

Banshee逝く… 修理に出したBansheeが戻ってくる。
結局異常なしとの事。
おっかしいなぁ〜。1号機はともかく、2号機でも認識できなかったのに…

早速1号機に装着してみるがやはり何も出力しない。
全く認識すら出来ないのだ。
2号機では認識はするが、VGA以上の出力が出来ない。

諦めて1号機はTotal3Dに戻す。
折角AGPがあるのに旧式のPCIカードを使うのは許せないが、とりあえず作業を進めるためには仕方がない。

再起動戦士ランダムと化しながら調査を進めると、セーフモードでは知子はちゃんと動く…。
これはどうもビデオ回りが怪しい。
試しにドライバを古い物に差し替えて、BIOSのビデオキャッシュを外してみるとやはり動いた。
Total3Dのメモリ周りが悪さをしていたようだ。
古いカードなので情報は既にサイトにもない。
さすがSocket7だけあって、このマザーは非常に気難しいタイプだ。

FIC台湾のサイトで見つけた互換テストの適合一覧表を持って、先日目を付けていた激安のATX電源とG200を求めて急いだが、既に両方とも売り切れ。
がっかりして地元へ。

適合表を元にビデオカード物色。
これも適合表にあったCreative Graphic Braster RIVA TNTを購入。
帰宅後TNTを装着すると1号機は全く何事も無く正常に動く。

全く…

数限りない再インストールと再起動の嵐、肩凝りと目の痛みを圧してのレジストリチェックは一体なんだったんだ?

散財である。
しかし、事道楽に関する出費はちっとももったいないと思わないのがヲタクの所以である。
カミさん拝み倒して借金してでも、昼飯抜いてでもパーツ買うのが正しい道である。

おや?よく考えると2号機のTNT2、カミさんマシンのTNT M64とTNTシリーズが揃ってしまった。
現状いかにビデオチップの選択肢が少ないかが如実に現れている。

CPU:AMD K6-2 450MHz FSB100MHz
MB:FIC VA-503A/Sound Wo(Cache 1MB)VIA MVP3 & Super South
SCASI I/F:Qvision SCSI Star/FR,FL(PCI)
HDD(C:):WESTERN DIGITAL Caviar84AA
HDD(D:):WESTERN DIGITAL Caviar28400
CD-ROM:MITUMI FX1200S
CD-R:TAIYO-YUDEN EW-50
VIDEO:Creative Graphics Blaster RIVA TNT AGP 16MB
SOUND:CREATIVE VIBRA128 PCI
NIC:Planex ENW-8300-T PCI

期せずして、1号2号のメインマシングループのレガシーフリーが実現してしまった。
ルーターが10Baseのハブ兼用なのでネットワークカードに100Baseを選んでも無駄…なのが悔しいところだが…

はっきり言って、それまでのIDT WinChip2(200MHz)のポテンシャルでも通常の使用には何ら不都合は無かったのだが、ヲタクというものは全く持って恐ろしいものである。
しかし、これこそが常に「苦労を金を払ってでも拾ってくる」ヲタクの正しい道と言うものである。

速いぞ、速いぞっ!

ただこれだけのために…

流石にCanopus自慢の超高速カードSPECTRAにだけは勝てないが、総合ベンチやCPUベンチだけだったらPentium!!!とどっこいか、下手すると速いことすらある。
雑誌などでは評価の低いUDMA66もかなり効いているようだ。
気難しい互換CPUや互換Chip-Setを完璧に動かしてこそ、真のヲタクというものだ。
しかし、有り物を再構築するのってホント大変。
ゼロから作るのの数十倍苦労するよなぁ。
(しかし、好んでそれをする奴…)
既存のデータや環境(もちろんバックアップはあるけど)を殺さないようにという極限のスリルもあるしねぇ。

ラスト一発、解決できないのがBIOS。
マシンが暖かいときの再起動では問題は出ないが、半日程度の時間を置いて起動すると必ずBIOS Checksum Errorが出る。
設定したビールスワーニング(off)、ビデオイニシャライズ(AGP)等が、時間を置くとワーニング(on)、ビデオ(PCI)に変更されてしまうようだ。
PnP OSの有効も設定消えるし、接続のないUSB 2もBIOSで使用不可に出来ない。
時計は正常に動いているので電池とは考えにくいのだが…

残ったEDO SIMM 96MBとWinChip2、1.6/1.2GB HDDの行方は…


後日談

FIC Japan を探し回って、マザーボードの情報など何処にも無いことにいらだっていたが、実はマザーボードを扱っているのは別法人らしい。
First International Computer Japan には詳しい情報や障害におけるFAQがずばり書き込んであり、台湾の本社へも飛ぶことが出来る。
更にここからVIA Technologies, Inc.へも飛べ、AGPドライバ始め、その他のドライバ類も入手可能である。

ちなみに、起動時にバイオス設定がクリアされてエラーになる現象と、OSインストールが失敗する原因についてもFAQにしっかりと書いてあった…

・VA-503Aで電源投入時に毎回 Check Sam エラーが出ます。

VA-503A + AT 電源 + Windows95/98の組み合わせで使用していると、シャットダウン後、電源を再投入するとCMOS Check Sum Error がでます。
ATX電源を使用した場合はこの症状は出ません。
新しいBIOSはVA-503A BIOSアップデートページにあります。

・OSをインストールしている最中でコピー終了後 再起動後するとエラーが出て進みません。

これはVIAのチップセットを使用しているマザーボードによく見られる現象です。インストールする前にBIOSでUDMAをDisableにしてPIOをmode2でインストールしてください。インストール終了後チップセット用の最新ドライバーをインストールした後BIOSのUDMAにしてください(HDDがUDMA対応の場合)。

なんだかなぁ、あの苦労は一体なんだったんだ。


▽次へ続く…

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