愚行連鎖

■私的オートキャンプ論 序-3-

スタイルとファッション -I-

 現在のオートキャンプは情報、道具の供給などからどちらかと言えばアメリカンスタイルに近いものと言っても良いだろう。
 コンチネンタルスタイルとでも言うべきである、バスケット持ってピクニックと言うスタイルもある。(こちらはアメリカンスタイルほど道具に頼り拘らない?)
 そしてわが国には古来より「野遊び」の習慣がある。
 重箱にあらんかぎりのご馳走を仕込んで、野原に緋毛氈を敷き詰め、さらに、金屏風等すら立ててしまい、花が咲いたと言っては飲み、鳥が鳴いたと言っては歌い、月が丸いと言っては食い、雪が積もったと言っては踊るのだ。ピーヒャラ!
 表面的なスタイル、道具建てはアメリカ式を踏襲してはいるものの、根底に流れる思想は未だにやはりこの「野遊び」だと言っても良いのではないだろうか?
 ※キャンプサイトでのエンジン発電機とカラオケだけは勘弁願いたいと心
  から思う。古来、日本人には花鳥風月を静かに愛でる、といった心もあ
  ったはずである。静かな夜にはランタンの燃焼音ですら隣人にとっては
  気になることがあるのだ。隣人と言えば、何故、わざわざ広いキャンプ
  サイトで場所はいくらでもあるのに先着のグループのすぐ側にテントを
  設営するのだろうか?
     (注:原文は5年ほど前に書いたものです)

 また、キャンプはひとつには華麗にして偉大なる“大ままごと大会”なのである。
男子厨房にふにゃふにゃら…などとうそぶきながら、普段は餓死寸前になろうともキッチンに立とうなどとは思わないオトーサン達が喜々として泥の上、野っ原に台所を居間を、果たせぬ夢の快適な住居をシミュレートして楽しむのである。

 毒を喰らわば、皿まで。
 こうなったら一丁とことんまで「文化的超快適便利至極手間不要野外生活」を追求してしまうのも手かも知れない。

  ※問題は予算だけだな…


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