愚行連鎖 高きゃいいってもんでは…

GB楽器博物館

その他の楽器類/ウクレレ:7

廉価ウクレレの研究:1

Ala moana UK2800

多くのガイドブックやウクレレ・サイトの初心者ガイダンスには…

「2万円以上の物を買うべし」

と書かれていることが多い。
果たして安いウクレレは楽器ではないのだろうか?




Ala moana UK2800 増殖したウクレレ、カミさん用のALA MOANA UK-2800。

ボディはコア、もちろん合板なのだが、これが結構いい音がする。
作りも非常に綺麗だし、ヘッドデザインなどにそこはかとないセンスを感じる。大当たりだったかも知れない…

と、ホンの一寸弾いていたら、ボディにスクラッチが…

綺麗なグロス仕上げなのでてっきりウレタン塗装だと思いこんでいたが、この塗装の柔らかさは安価な楽器によく使われるポリウレタンの堅固な皮膜ではなさそう。


価格から言えば、ラッカーの類とは考えにくいのだが…
合板の癖に好ましい音がするのはこの塗膜のせいもありそう。
塗膜そのものも薄目に見える。

しかし、10分かそこら弾いただけで表板にスクラッチが付いてしまうのはあんまり可哀想。
(そもそもカミさんにプレゼントしたモンだし…)


そこで取りい出したるは…

液晶保護シート。

液晶保護シート デジカメの液晶画面やケータイ、ゲーム機のディスプレイなどの保護に使う物である。
これが結構優れものなのである。
量販店などでは数100円から下手をすると1,000円近くするのだが、なんとこれは100円ショップで手にはいる。

このシートは若干硬めのフィルムで接着剤や両面テープ等は使わず、接着面にシリコン素材を使用し平滑な貼り付け面に自己吸着させるタイプ。
楽器にも悪影響はない…筈である。
気に入らなければ簡単に剥がせるし、張り直しも出来る。

自己吸着フィルムなので、グロス塗装の楽器にしか使えない技ではあるが…


Ala moana UK2800 張ったところも殆ど目立たない。
写真ではシートは判別出来ない。(分からないでしょ?)

自分の持ち物であれば、多少スクラッチが付いてる位の方が自分のモノっぽくて良いと思うのだが…
これ、一応カミさんにプレゼントしたモノで…
時々私も触るんですが、私が弾くとスクラッチ付いてしまう…
結構力一杯ストラミングしてるんだなぁ…

以前、デジカメ用の保護シートを量販店で買ったことがある。
量販店のはデジカメとして機種毎に揃っているのでサイズ合わせする必要はないのだが…

100円ショップのフリーサイズの数分の一の大きさのでお値段が数倍。
見た目は全く一緒である。

万が一、ラッカー塗装であった場合、シリコン素材は塗装面に悪影響を及ぼす危険がある。

ほぼ24時間経過後、更に数日経過後に一旦剥がして塗装面を確認したが、特に悪影響は出ていない。
この塗料は一体なんだろう?

なんと言っても、中国製。
化学塗料よりもトラディショナルな塗料の方が安かったり…
塗料よりも更に工賃人件費の方が安かったり…


さて、本題。

うUkulele Magazine いちむらまさき大先生もウクレレマガジンなど書かれている「2万円以上にしときなさい」は、ある意味非常に親切で分かりやすいアドバイスだと思う。
ソプラノウクレレ、楽器店店頭で2万円以上なら「そう酷いモノはない」と言うのは確たる事実。

しかし、基本的に変な材料、変な作りで無いという前提で、それ以下にも原石はあると思うのである。
大体、楽器店店頭に並んでいる商品だって、完全調整ってのはほとんど無いわけで…
(客の好みに合わせた)完全調整が出来ない楽器店なら2万円以上の品物でも危ないわけで…

3万円以上なら何の心配もなく結構良い物が買えるし、5万円以上ならハワイ製の有名ブランドも射程にはいる。
流石にその辺りになると、その音色は価格に見合ったモノと、当然なってくる。
(ハワイ製に関しては高くても仕上げは…ナニなものが多いが…)

Ala moana UK2800 更に10万20万を超える楽器もあるが…
はっきり言って、10万円以上のウクレレは見た目の見栄だけ(オーナーの方、失礼…)と断言してしまおう。
材料の原価を考えるにどんなに高級な材を使ったところで10数万円以上は、それ以外のなにか…例えば豪華なインレイ、厳選した木目…等を付加価値にしているとしか思えないのである。
つまり、楽器としての質にはあまり関係ないのである。

まぁ、ALA MOANA UK-2800は定価はハードケース付き\29,400.(一応)。
楽器店の店頭では大体2万円弱なので「2万円以上にしときなさい」の範疇ではある。

ネットショップでは14,000円代で売られているのであるが…
安全パイの国産楽器を買うよりもずっと面白いではないか。


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