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先日手に入れたマカフェリもどき、Paradise PDR-900である。
ブリッジに何を思ったか5弦に極端なオフセットがあり、オクターブ狂いがある。
一般には2弦をオフセットするのが普通だと思うが、このブリッジはガイドにもなっている両端のヒゲに当たって逆の取付が出来なかったので、取付間違いではないようだ。
オリジナルのブリッジにはこんなオフセットはないはずである。
仕上げも、さも機械でガガっと削り取りましたと言った風情で何とも…
更に弦高が低く、若干弦当りが出て音がビル。
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チーク突き板をブリッジ底面に0.5mmを2枚貼りで1mm全高を上げたら、弦当りは無くなったのだが、どんなにしっかり付けたところで、ブリッジとボディの間に接着剤が何層もあるのは気に入らない。
気に入らなければ作ってしまえばいいのである。
既報の通り東急ハンズで、黒檀端材(15×50×150mm)を確保してある。
まずは、大きめにざっくりと大まかな形に切り出す。
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後はもう、根気だけの仕事である。
オリジナルのブリッジ、本体の装着位置と現物合わせをしながら、ひたすらに削る削る…
これはほぼ完成に至る姿。
この後、鋸目、ヤスリ目を潰し、磨き上げればできあがり。
(言葉にするとあっと言う間だ…)
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装着してみる。
削り出しで出現した黒檀の縞模様とボディの飾りヒゲの縞が期せずして、一致した。なんてラッキーなんだ。
色も、オリジナルの赤い材よりもずっとマッチしている。
勿論仕上げのレベルは比較の対象外だ。素人はコスト度外視で手間をかけるのだから…
早速チューニングして弾いてみると…
なんと!ブリッジというのはこんなにも音に影響を与える物だったのだ。
(考えてみれば、当然である)
しかし、比較的軽めの材質不明のブリッジに下駄を履かせた物と、比重の大きい黒檀無垢の削りだしと言うだけの差がこんなに出るとは…(弦高をブリッジで更に0.5mmほど上げたのも影響しているか?)
得体の知れない、韓国製のパチモンギターが…化けた。
いや、惜しいよなぁ。続く…
材質はそこそこ悪くないし、基本的構造部分の作りはきちんとしているし…
しかし、出荷状態の店頭展示の状態では、このギターはハッキリ言ってゴミ同然の物だった。
全くの未調整(…は楽器店の責任か)、各部の最終的仕上げの雑さ…等々。 ううむ…後、ほんの少しだけでも手を入れてやれば、かなりイケてる商品なんだけどなぁ。
元々、箱がガンガン鳴るしね。
このタイプのキャラクターって、かなり好みの分かれるところかも知れないけれど…
音色の癖はかなり強いし、弦高を高くしないと味が出ないし、その上ロングスケールだしなぁ。