愚行連鎖 Recently My favorite things.


ジェリー・マリガン

Jacket ナイト・ライツ ジェリー・マリガン(UCCU-5029)
Night Lights/Gerry Mulligan

一言で言うと“哀しくも美しい”

もちろん、LP盤でも持っている。(当然、LPには7曲目の'65ver.のナイト・ライツは収録されていない)
かつてン十年前、毎晩聴いていた深夜のFM放送のオープニングで“プレリュード:ホ短調”が使われていた。
(数年前にTVCFでも使われていたそうだが、私は知らなかった…)
当時はこの曲がショパンであることも演奏者がマリガンであることも知らなかったが、哀調を帯びたメロディは一日を締めくくるイメージとして私の体に染み着いている。
本作は作・編曲家としても有名なバリトン・サックスの名匠の代表作。
ボサ・ノヴァ・ブーム真っ只中の1963年の録音で、アート・ファーマー、ボブ・ブルックマイヤー、ジム・ホールなど、ハイセンスなミュージシャンを配し優美な知的な演奏が収められている。

ジェリー・マリガン自信ははそれまで脇役でしかなかったバリトン・サックスで豪快なソロを繰り広げ名を成したが、実はルックスもかなりのものである。彫りの深い二枚目の長身で、大きなバリサクに負けない体躯をすっくと立ち上げて取るソロは圧巻である。
ユニークな楽器編成だがそれを生かした編曲がまた素敵だ。
全体が大都会の夜のムードを醸し、ストレートで(理屈っぽくなく)聴きやすく、BGMにさえ安心して使える。
しかし、内容は何とも上質で、まさしくこの時代のジャズである。

ジェリー・マリガン(Br.s./P./Cl.)
(1)〜(6)アート・ファーマー(Tp./Flh.)
ボブ・ブルックマイヤー(Tb.)
ジム・ホール(G.)
ビル・クロウ(B.)
デイヴ・ベイリー(Ds.)
(7)ピート・ジョリー(P)
ジョニー・グレイ(G.)
ジミー・ボンド(B.)
ハル・ブレイン(Ds.)


Recorded in Sep.10.1963(1)〜(6),Oct.1965.(7)
  1. ナイト・ライツ(1963ヴァージョン)
  2. カーニヴァルの朝
  3. ウィー・スモール・アワーズ
  4. プレリュード:ホ短調
  5. フェスティヴァル・マイナー
  6. テル・ミー・ホエン
  7. ナイト・ライツ(1965ヴァージョン)


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