Recently My favorite things.
My Favorite things
My Favorite Things/John Coltrane
- My Favorite Things
- Ev'ry Time We Say Goodbye
- Summertime
- But Not for Me
John Coltrane(Ss.,Ts)
McCoy Tyner(P.)
Steve Davis(B.)
Elvin Jones ds(Ds.)
Recorded at Oct. 21, 24 & 26, 1960.
このコーナーのタイトルにも使わせてもらったタイトル曲は、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌。
最近ではJRの“京都に行こう”CMのバックで、恐らくメロディは誰でもが知っているだろう。
私のお気に入り(My Favorite things)でもある。
実は、この盤が録音された時点では、後に名作といわれる「映画」はまだ封切られていなかった。舞台での人気曲ではあっても、それほどポピュラーな曲ではなかったらしい。
現に、私が最初に買ったLPのライナーには「当時、知る人が少なかったソプラノサックスの音色とエキゾチックな旋律から、コルトレーンが中近東の楽器と音楽に進んだと思われた」と書かれていたのが印象的だった。
非常に人気のある演奏なのだそうだ。
ジャズワルツの心地よさ、サイドメンの演奏、そして何よりもコルトレーンの吹くソプラノ・サックスがこのメロディに非常に良く合い、コルトレーンの演奏も、可愛らしい曲想にあった丁寧なものだからなのだろう。
曲そのものもコルトレーン自身の「お気に入り」だったようで、何度か“My Favorite things”を録音しているが、他のプレイはテナーサックス。
やはり、ソプラノで吹かれたこの録音が一番だと思う。
スタンダードを選曲した他の演奏も言うこと無し。
至上の愛/ジョン・コルトレーン
A Love Supreme/John Coltrane
録音:
- Love Supreme: Acknowledgement:パート1:承認
- Love Supreme: Resolution:パート2:決意
- Love Supreme: Pursuance:パート3:追求
- Love Supreme: Psalm:パート4:賛美
John Coltrane(Ts.)
McCoy Tyner(P.)
Jimmy Garrison(B.)
Elvin Jones(Ds.)
Recorded at Dec. 9, 1964
コルトレーンはジャズを聴く上で避けて通れない道の一つなのだが…ジャズ好きの中でも好き嫌いがかなり激しく出るようだ。
これは、人気の高いモダン・ジャズ名盤の誉れ高い1枚。
コルトレーン・カルテットの遺した傑作・代表作と呼ばれる作品。
しかし、この辺りまで来ると、実は私は思考停止してしまう。
若い頃は、「これを聴くことが格好良くて知的なのだ」と思いこんでいた節もあるが…
タイトルでも分かるようにコルトレーンは既に神がかってしまっている。
ここまで自分の精神世界に突進されてしまうと、聴き手は取り残されてしまう。
これを絶賛評価する人は、コルトレーンの意志が理解できているのだろうな…素晴らしい。
かの大橋巨泉が「メロディの歌い上げを忘れたジャズにはついてゆけない」とジャズ評論と決別したのもこの時代のことだったと思う。
この辺りを境にしてジャズはフリー!と叫びながら小心なリスナーを拒絶し始める…
私にも重すぎる世界だな。
どうせ、コルトレーンなら、思いっきり外れたこれをお奨め。
ザ・レイ・ドレイパー・クインテット・フィーチャリング・ジョン・コルトレーン
THE RAY DRAPER QUINTET FEATURING JOHN COLTRANE
- CLIFFORD'S KAPPA:クリフォーズ・カパ
- FILIDE:フィリデ
- TWO SONS:トゥー・サンズ
- PAUL'S PAL:ポールズ・パル
- UNDER THE PARIS SKIES:パリの空の下
- I HADN'T ANYONE TILL YOU:アイ・ハドント・エニワン・ティル・ユー
Ray Draper(Tuba)
Gil Coggins(P.)
Spanky De Brest(B.)
Larry Ritchie(Ds.)
John Coltrane(Ts. except 6.)
Recorded at Dec. 20, 1957.
オールド・スタイルのジャズでは比較的よく使われるが、モダン・ジャズでは非常に珍しいチューバ。それも、多分、唯一ソロ楽器としてメインで使っていた、レイ・ドレイパーのリーダー・アルバム。
コルトレーンの参加もあり、珍盤だが、意外に世間に知られているらしい。
レイ・ドレーパーはジャケット写真で見る限りでも、実に人の良さそうな笑顔が印象的である。
チューバがそもそも何となるユーモラスな印象を持った楽器である。
その写真の通り、このアルバム全体、何となくほのぼのとした暖かさが漂っている。
今様の言い方をすれば「緩〜い、気持ちよさ」とでも言おうか。
そんな珍しいプレーヤーである、レイ・ドレイパーだが、実はこのアルバムは、3枚目のリーダー作なのだそうだ。
ソニー・ロリンズの名曲“ポールズ・パル”も演奏されているが、ほとんどの曲がドレイパーのオリジナル。
リーダー・アルバムなのだが、本盤の演奏を聴く限り、実質的リーダーはコルトレーンと言っても良いかも知れない。
元々チューバそのものが、縁の下の力持ち的楽器なのだし。
鈍重なレイ・ドレイパーに、バリバリ饒舌に吹きまくるコルトレーンの対比が鮮やかだ。
しかし、本盤は、チューバの魅力が全開なのである。
その「たどたどしい」と言える程のチューバのソロが何とも「緩〜い、気持ちよさ」なのだ。
シャンソン名曲「パリの空の下」。こいつは癖になる、絶妙な雰囲気である。
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