GBのアームチェアCinema見ist:ホーホケキョ となりの山田くん

ホーホケキョ となりの山田くん

ホーホケキョ となりの山田くん

監  督 高畑勲
音  楽 矢野顕子
主  演 五十畑迅人
助  演 朝丘雪路/矢野顕子/柳屋小三治/中村玉緒/ミヤコ蝶々
製 作 年 1999
シナリオ 高畑勲
原  作 いしいひさいち


ジブリ作品はほぼ欠かさず劇場で見ているのだが…
本作に限っては、TV放映されるまで見ていなかった。
なんとなく、「金を払って劇場へ行く程のモノ」ではないような気がしたというのが正直なところ。

実は、本作は全編に渡りデジタルで制作され、世界20カ国にて公開予定(と言う触れ込みだった。本当に公開されたのか?どこで?これを受け入れるのか日本人以外が…)、制作費、作画枚数日本記録更新、日本アニメ映画史上最高となる、製作費23億6千万円を投じた大作。(これは直接製作費なので、広告費や配給経費を加えると30億を越えるのではないかと言われる)…等々エポックメィキングな作品だったようだ。
原作はいしいひさしの四コマ漫画で、題材を見ても本編の作風を見ても、「大作」という呼称が似合うとは到底思えない。
TV放映で初めて見た時の感想は…
「こりゃ、劇場へわざわざ行って見たら、怒る人がいるかもな」
と思ったのが偽らざる気持ち。


ソロギターのしらべ 一寸前に、衝動的にこの譜面集を買った。
“スタジオ・ジブリ作品集”と言う副題が付いている。
全体的なアレンジはギターを弾こう!お薦めの市販楽譜集でご紹介したYAMAHA MUSIC MEDIA CORPORATIONの“Studio Gibri Collection”の方が個人的には好きだが…
“Studio Gibri Collection”には(出版年代的に)掲載されておらず、この“ソロギターのしらべ”に載っていた“ひとりぼっちはやめた”と言う曲がとても軽快で心地よい。
矢野顕子作曲の本作の主題歌だという。


そういえば、作中で矢野顕子の歌が流れていたし、声の出演もしていた。
こうなると、俄然気になる。

ホーホケキョ となりの山田くん 今更…ではあるが、結局DVDを仕入れてしまった。
購入したモノは、何故か上で紹介したジャケットと異なる、一連の「ジブリがいっぱいコレクション」統一デザインではない。

さて、作品。
脱力感の極致、ある意味「イーカゲン」な作りにもに見えるが、じっくり見ると、実はこれ、かなり手をかけていることが判る。

作画制作の、一見ユルいが実は緻密に計算されたダレ方…
豪華な声優陣。
確かに金と気を遣っている。

「大作」と呼んでしまうのはどうかと思うが…
これは『後になって効いてくる』作品なのではないだろうか…
音響もDOLBY 5.1やDTSの立体音響なのが、予想外に効果的でかなり笑える!

私は、高畠勲の理屈っぽさは基本的に嫌い!なのだが…これは許せる。
あの猫の恩返しのおまけ、ギブリーズ episode2にも通じる突き抜けたシュール感が堪らない。
実は、とても気に入ってしまった。


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