GBのアームチェアCinema見ist:TOKYOタクシー
TOKYOタクシー
監督 山田洋次
脚本 山田洋次/朝原雄三
原作 クリスチャン・カリオン/シリル・ジェリー(映画『パリタクシー』より・オリジナル脚本)
出演 倍賞千恵子/木村拓哉/蒼井優/マキタスポーツ/迫田孝也/優香/中島瑠菜/神野三鈴/イ・ジュニョン/小林稔侍/笹野高史/大竹しのぶ/明石家さんま
音楽 岩崎太整
製作 2025
2025.11.30.鑑賞
本日の作品
日本で2023年に公開されたフランス映画『パリタクシー』の舞台を東京に置き換えてリメイク。本作が91本目の監督作となる山田洋次監督の作品。
嗚呼、予定調和。
冒頭でもう結末が見えてしまう。
しかし、それは陳腐な訳ではなく、名匠山田洋次の既に掌の上。
今回は倍賞千恵子を見るために着席したのだが…
実はキムタクはあまり好きではない。ナニを演っても全てキムタクになってしまうから。
しかし、演ずる者にキャラクターが合致したときはそれはそれは良い役者になる。
同じく山田洋次の「武士の一分」を見たときに“俳優としてのキムタク…木村拓哉”を見直し、そして一寸好きになった。実は凄い役者なのかも知れない。
可愛らしかった(年上だが…)下町の太陽倍賞千恵子は可愛らしいままお婆ちゃんになっていた。皺も隠していないがそのままで充分に愛らしい。(年上だが…)
殆どがプリウスタクシーの車内での会話劇。
そして東京観光案内のようなロードムービー。
更には倍賞千恵子演ずる一人の女の波乱に富んだ戦後史。
観光案内と言ってもその各々の場所に結構重いモノが含まれているのだ。
ハウルとソフィーの立場が逆転したようなキムタクと倍賞。
お話そのものは何だかどこかで見たような…既視感に溢れているが、この“次が読める展開”は逆に心地よい山田洋次の世界。あ、そうなるんだろうな、と言うお伽噺的結末を迎え、心優しく休日の半日を費やすに惜しげのない作品ではある。
嗚呼美しき予定調和。
オリジナル「パリタクシー」を見ていなかったのも良かったかも知れない。
山田洋次、94歳なんだってさ…倍賞千恵子も84歳。
もの凄いことだ。70やそこらで爺ぃ面してちゃいかんのだな。
目次へ戻る