GBのアームチェアCinema見ist:パリタクシー
パリタクシー(原題:Une belle course)
監督 クリスチャン・カリオン
脚本 クリスチャン・カリオン/シリル・ジェリー
出演 リーヌ・ルノー/ダニー・ブーン
音楽 フィリップ・ロンビ
製作 2022/仏
2025.12.2.鑑賞(Amazon Prime)
先日観た映画“TOKYOタクシー”の元ネタを観ることにしよう。
CATVでも放映されているのだが、残念ながら未契約のチャネル。
アマプラで観る。
敢えて“吹替版”。フランス語じゃ聞いたって解らんしね。
フランスでのタイトルは、『Une belle course』で『素晴らしいレース』。英題は『Driving Madeleine』

リーヌ・ルノー
1928年7月2日-(97歳)
フランスの歌手、女優、エイズ活動家。 80年のキャリアの中で、彼女は86本の映画やテレビ映画に出演し、25枚のアルバムと114枚のシングルをリリースした。彼女はまた、12 の演劇に出演し、約20冊の本を執筆または共同執筆した。
ウィキペディア(英語)より
運転手の方は
ダニー・ブーン
1966年6月26日-(59歳)
フランスの俳優、コメディアン、声優、映画監督、脚本家、映画プロデューサー。
1990年代にコメディアンとして活動を始め、2008年にコメディ映画『ようこそ、シュティの国へ』で俳優兼監督として成功を収める。以降はさまざまな映画で脚本または監督、あるいはその両方を務めている。
ウィキペディアより
リーヌ・ルノーは知らない女優さんだが、フランスでは国民的な女優・歌手でフランスショービズ界の重鎮で、アメリカで活動していた時期もあるらしい。
芝居に歌にと倍賞千恵子の大先輩のような人か。
ダニー・ブーンはキムタクとは大分趣が異なり、一見貧相なジャン・レノを思わせる容貌。
実際には役柄上の無精ひげがないと全くジャンではないのだが。
お話は事情のありそうな老婦人を乗せてパリの各地を巡るロードムービー。
日本版リメイクはストーリーなど殆ど踏襲している。
但し、元の方は運転手の家族の姿は最終盤まで登場しない。
こちらの方が上映時間が12分ほど短い。
語り口が簡潔でリメイク版と同じようにそこそこ凄惨なエピソードはあるのだが、山田洋次版ほど湿っぽくない。
やってることはほぼ同じなのにねぇ。
パリはドライな印象を受けるが、TOKYOの方は…
やっぱり“男はつらいよ”の一寸湿っぽい人情劇…にしないと納得しないんだろうなぁ。いや、山田洋次の世界だからそうでないといけないのだけれど。
ほぼ同じ事をやっているのに伝統的フランス映画と山田洋次の松竹映画になっているのはある意味凄い。
老婦人の年齢はオリジナル版が92歳で、日本版は85歳。
どちらも戦争経験者で、トラウマになっている事件もほぼ同じ。
どちらも「時代のせい」という良い訳が出てくるが、どうなんだろう?
当時の家庭事情や社会背景など、お国柄の違いを検証しながら共通した部分はそのまま残し、違う部分は日本特有の事情に置き換えているおかげでストーリーは全く改変していないのに山田洋次らしい日本映画に仕上がっている。
私としては「どっちも悪くない」んじゃない?と、言うことで。

ちなみにパリの方、タクシーは黒い「ルノー・エスパス」、キムタクの商売道具はプリウスα。
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