GBのアームチェアCinema見ist:「ジェダイの復讐」について

ジェダイの復讐

スター・ウォーズ ジェダイの復讐:Star Wars/Return of the Jedi

監  督 リチャード・マーカンド
音  楽 ジョン・ウィリアムス
主  演 マーク・ハミル
助  演 ハリソン・フォード/キャリー・フィッシャー/アレック・ギネス/フランク・オズ
製 作 年 1983
シナリオ ローレンス・カスダン/ジョージ・ルーカス
原  作 ジョージ・ルーカス

Star Wars/Return of the Jediの日本公開版サブタイトル「ジェダイの復讐」はどう考えても変。
「ジェダイへの回帰」とでもすべきと思うのだが。


書いたが、実はこれ、Star Wars フリークの間では周知の事実だったようである。

StarWars Science & Art

2004.5.23.

スター・ウォーズ サイエンス アンド アート展 上野の国立科学博物館で開催中の“スター・ウォーズ サイエンス アンド アート”を見に行ってきた。
ごくごく一部の展示物には「科学的観点からの検証」が付け加えられ、それなりに面白くはあった。(どうみても「本気で解説」をしようとしているようには見えないが…)
しかし、「空想科学映画」とはいえ、たかが娯楽映画、それも「スペースオペラ」の小道具や衣装など如きを「科学博物館」で展示しなければならないほど「博物館離れ」は進んでいるのだろうか?

それはともかくとして、Revenge of the Jedi”のポスターが展示されていて驚いた。
エピソードVIの副題は“Return”ではなく“Revenge”だった。そして諸々の理由により公開直前に差し替えられたのだそうだ。

「ジェダイの復讐」について

Revenge of the JEDI スター・ウォーズ旧三部作の完結編にあたるエピソードVIの副題は、エピソードV“帝国の逆襲”が公開される前から公表されていたらしい。
“Revenge of the JEDI(ジェダイの復讐)”という副題である。
ところが83年1月にこのタイトルは突然変更された。
ルーカスフィルムが発表したタイトル変更の理由は「“Revenge(復讐)”という言葉が与える印象がジェダイの騎士にそぐわず、ダークサイドを感じさせる言葉だから」というものであった。早い話が「ジェダイには復讐という概念はない」のだそうだ。
変更後のタイトルが“Return of the JEDI(ジェダイの帰還)”。
タイトル変更の本当の理由については諸説紛々だが、ジョージ・ルーカスの作戦だったと言う説もある。実は正式タイトルはごく初期の段階で既に“RETURN OF THE JEDI”に決まっていたが、当時異常に加熱していたマスコミやファンへのカモフラージュにしたとか、非公認グッズ製造業者対策などとも言われている。

Revenge of the JEDI 本編の撮影も“Revenge of the JEDI”のタイトルで開始され、パブリシティ関係等も全て“Revenge”のロゴが使用されたが、当然ながらこれらのアイテムはコレクターズアイテムとなり価格が高騰しているとのことである。

本編タイトルの変更によって本来なら邦題も変えるべきだったが、「ジェダイの復讐」と言う副題は変更されず、正式タイトルとして公開された。「長くこのタイトルでプロモーションを行ってきたので馴染みがある」というものだったらしいが、実際には既に動いているプロモーションを全面差し替えする予算を渋ったとしか思えない。
宣伝戦略上「復讐」の方がインパクトが強いため変更しなかったという説と、すでに「ジェダイの復讐」のロゴ入りの商品が大量に生産されていたため変更できなかったという説もある。

わが国ではエピソードVIは“ジェダイの復讐”として長く認知されてきたが、2000年8月、旧三部作特別編のVHS再発売を契機にサブタイトルの変更を実現しようという署名運動が日本のスターウォーズファンクラブを中心に起きたが実現しなかった。

>スター・ウォーズ 旧三部作 ビデオ再発売「ジェダイの帰還」改題署名運動

時を経て、2004年4月。20世紀フォックスは9月に発売される旧三部作DVDの予告で、エピソードVIの副題に“ジェダイの帰還”を使用している。

冒頭でも、
Star Wars/Return of the Jediの日本公開版サブタイトル「ジェダイの復讐」はどう考えても変。「ジェダイへの回帰」とでもすべきと思うのだが。
と、書いたが、今回は“Return”が“帰還”である。
決して間違いではないと思うが…
一般的な訳語からも、なにより映画のシナリオからも私の持つイメージは“回帰”である。
申し訳ないが、大ヒット作“The Lord of the Rings(指輪物語)-The Returen of the King-(王の帰還)”にあやかりたいという意識が見え見えである。
(指輪物語の場合は原作訳本のタイトルからも、ストーリーからも“Return”は“帰還”で全く違和感がない)


return目次へ戻る