GBのアームチェアCinema見ist:スチュアート・リトル

スチュアート・リトル

スチュアート・リトル:Stuart Little

監  督 ロブ・ミンコフ
音  楽 アラン・シルヴェストリ
主  演 マイケル・J・フォックス(声)
助  演 ジーナ・デイビス
製 作 年 1999・米
シナリオ M・ナイト・シャマラン/グレッグ・ブルッカー
原  作 E.B.ホワイト
吹き替え 藤原竜也/高島雅羅/小川真司

この映画もかなり評価が別れるようだが、私は好きである。
色々と批評もあるが、これは煩いことを言わずに単純に楽しむお伽噺。

クライマックスのヨットレースでスチュアートが操縦する艇の名前が“WASP”なのは?
等と妙に勘ぐった見方をした方がいるが、アメリカ人は乗り物などに“WASP”=“スズメバチ”と言う名前をしばしば付けるようなので、略語の“WASP”を意識するのは、一寸考えすぎの様な気もする。
日本人が乗り物に付ける“ハヤブサ”等という名前と同じような印象ではないかと思うのだが…
WASP[名]《米語》
ワスプ:アングロサクソン系の白人新教徒; 米国社会で主流を占める彼らを批判的に呼ぶ時に用いられることが多い。
White Anglo‐Saxon Protestant の頭字語
あー…
でもなぁ。貰われっ子にしてもスチュアートも“白ネズミ”、リトル家の飼い猫スノー・ベルも“真っ白なロングヘア”…。
でも、スノーベルにたかりに来る野良猫はみんな、茶や黒虎で白いのは一匹も…

脚本のM・ナイト・シャマランは『シックス・センス』の監督。
シャマランもインド系(確か…)と言うのは考えすぎだろうか?

監督のロブ・ミンコフは『ライオン・キング』の共同監督の一人。
カリフォルニア州パロ・アルトで生まれ育ち、カル=アーツ・キャラクター・アニメーション・プログラムで学んだ後、アニメーターとしてディズニー入り。
『リトル・マーメイド』('89)や『美女と野獣』('91)に参加する一方、『ロジャー・ラビット』の二本の短編版、『Tummy Trouble』('89)と『Roller Coaster Rabbit』('90)を監督。
『ライオン・キング』('94)で長編映画デビュー。

『スチュアート・リトル』('99)で実写映画初監督。
まぁ『ライオン・キング』は個人的に嫌いだし、見る気もないのでどうでも良いのだが…
主人公のスチュアートの声を担当したのは、パーキンソン病で俳優業から引退した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックス。
本作中にその『バック・トゥ・ザ・フューチャー』へのオマージュがあるらしいのだが…
どこだ?

ネズミの相手役のネコの吹き替えはネイサン・レイン。
もう一つのネズミ主役映画『マウス・ハント』(これもなかなか面白い映画だった。次の機会に…)に人間の役で出ていた。

スチュアートの大ぼうけん 原作は、E.B.ホワイト(Elwyn Brooks White 1899〜1985)1945年の“Stuart Little”。

邦訳では
 『ちびっこスチュアート』 鈴木哲子訳 法政大学出版局
 『スチュアートの大ぼうけん』 さくまゆみこ訳 あすなろ書房

があるが、『ちびっこスチュアート』の方は絶版になっているようである。

左:原書表紙/右:邦訳版表紙

私自身、この原作をまだ読んでいないのだが、こんな要約を見つけた…
 ニューヨークに暮らす一家に、あるとき、ネズミそっくりのスチュアートが次男として生まれる。スチュアートが「小さく」「ネズミっぽい」ことに由来する冒険と、かすかな悲哀、旅路を描く作品。

…をぃ、をぃ!原作では異形の“人”なのか?

シャーロットのおくりもの E.B.ホワイトは1899年、ニューヨーク州マウントヴァーノン生まれ。1921年コーネル大学卒業。その後、雑誌「ニューヨーカー」のライター、編集者として、多くの小説や詩、評論を発表。作品に『シャーロットのおくりもの』『スチュアートの大ぼうけん』(あすなろ書房)、『白鳥のトランペット』などがある。1970年、ローラ・インガルス・ワイルダー賞受賞。1985年10月1日没。



スチュアート・リトル2

スチュアート・リトル2:Stuart Little 2

監  督 ロブ・ミンコフ
音  楽 アラン・シルヴェストリ
主  演 マイケル・J・フォックス(声)
助  演 ジーナ・デイビス
製 作 年 2001・米
シナリオ ブルース・ジョエル・ルービン
原  作 E.B.ホワイト
吹き替え 藤原竜也/高島雅羅/小川真司

前作と引き続き、マイケル・J・フォックスはなかなか良い。
また、かなり異論はおありだろうが、日本語版吹き替えの藤原竜也もなかなかはまり役なのではないかと思う。

スチュアート・リトル2 荒唐無稽の現代版お伽噺なのだが、細かいことを気にせずに没頭すればなかなか良くできた映画である。
残虐シーンや汚いシーンは一切無く、まさに、主人公一家の持つイメージ:米国東海岸知識層中産階級:そのものの映像である。
知的な上に、粋でオシャレできちんとしていて…
ダディはきっとIVYリーグの卒業生なんだろうね…
出演者達の衣装のコーディネイトを見るのも楽しい。もう、IVYまるだし…

主人公が誰にも相手にされず、一人寂しく家に帰るシーンのBGM…“Alone Again”。
ぐっと来ますねぇ。
前作に引き続き、全編通して音楽もオシャレである。

ただ、リトル家の長男の友人が…前作では登場していないのだが、黒人の子供…
なんか、わざとらしくて引っかかるなぁ…

脚本のブルース・ジョエル・ルビンは『ゴースト/ニューヨークの幻』でも脚本を担当している。
(ゴーストか…今は戦うマッチョ・ウーマン/デミ・ムーアもあのときは本当に可愛かったよな)


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