GBのアームチェアCinema見ist:ホビット 竜に奪われた王国

ホビット 竜に奪われた王国

ホビット 竜に奪われた王国 原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug

監 督 ピーター・ジャクソン
出 演
イアン・マッケラン/マーティン・フリーマン/リチャード・アーミティッジ/ベネディクト・カンバーバッチ/エヴァンジェリン・リリー/リー・ペイス/ルーク・エヴァンズ/ケン・ストット/ジェームズ・ネスビット/オーランド・ブルーム
脚 本
フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン/ギレルモ・デル・トロ/ピーター・ジャクソン
原 作 『ホビットの冒険』J・R・R・トールキン
音 楽 ハワード・ショア
製 作 年 2013
製 作 国 米


“ホビット”(The Hobbit)は、2012年から2014年にかけて公開される三部作の予定…なのだそうな。

第1部“ホビット 思いがけない冒険”(The Hobbit: An Unexpected Journey)
第2部“ホビット スマウグの荒らし場”(The Hobbit: The Desolation of Smaug)
第3部“ホビット ゆきて帰りし物語”(The Hobbit: There and Back Again)

待っていたのである。
最近は洋画のDVDが安くなっており、うっかりBookoff等で買ってしまうと結構後悔したりすることがある。
このホビット前作も既に980円。
2月の初めに購入して予習をしておいた。

いざ行かん!ドラゴン退治の旅へ。

今回は敢えて2D字幕版。

前作は全く事前知識を入れないで観たが、本作は既に3部作の真ん中と解っているので、どこで To Be Continued... されても怒らないぞっと…

いや、161分という長尺物。長い長い。
長いが、殆ど息つく暇もなく物語は疾走する。

3D製作を多分に意識して撮られたカメラワーク。2Dでも充分に奥行き感・立体感がある映像は、特に邪魔な偏光眼鏡を掛けてまで3Dで鑑賞することもないかも知れない。

オープニングタイトルで耳に覚えのあのホビットのテーマがまず流れ、昔からの読者が脳内に描いたのと殆ど異ならない踊る子馬亭のシーンからスタートする。

流石中つ国ヲタク、ピーター・ジャクソン。この辺でもう期待を裏切らない。
かつて「指輪物語」を読んだ時、日本語訳書の、そのあまりに物語とかけ離れた旧態依然の子供本的挿絵に落胆し、気勢をそがれた物だが…

(多分)世界一のトールキン・ヲタを自認するであろう、ジャクソン監督の世界観は、古くからのトールキンファンもほぼ納得出来る物であろう。

酒樽脱出のシーンなんてのはもう…

ホビット 竜に奪われた王国 で、映画を見ながらふと混乱を生じた。
原作「ホビットの冒険」にレゴラスや格好いいエルフの女戦士なんか出てきたっけ?

帰宅してから調べてみたら、監督の談話があった。

『小説の場合、作家自身がナレーターとなって物語を進めてくれる。これが映画になるとキャラクターがその役目を背負うわけだが、本作をもっとドラマチックに語ろうとする場合、その人数が少ないと、僕たちは感じたんだ。僕はもちろんトールキンの原作を愛している。しかし、いま僕が背負っている使命は、トールキン・ファンが求めている映画を作るのではなく、最高の映画を作ること。そのためにはエピソードを変えることもすれば、新しいキャラクターを加えることもする。怒るファンもいるだろう。が、その反面、この映画に出会うことで初めてトールキンを知りファンになる人たちもいる。僕はそちらに大きな喜びを感じているんだ。』

まぁ、指輪もそうだが、この物語にもヒロインという存在はない。
それは物語が作られた時代、と言うのもあるのだろうが、現代のストーリーテラーとしては「魅力的な女性」の登場が必要と考えても当然と言えば当然であろう。

原作には登場しないレゴラスにしても、既に製作されている「指輪三部作」への解説的意味としては悪くない。

通常原作物は映画尺に合わせて内容を端折るものだが、そもそも原作がが500ページそこそこのさほど長くない「ホビットの冒険」については、ほぼ原作のストーリーを余す所無く描いているようだ。
その上で、関連作品の「指輪物語」や原著に付けられた「追補版」からのエピソードを含め映像化するのは、ヲタクとして当然の流れかも知れない。
本作はそれ以上に監督の脳内ストーリーでかなり増幅されたシーンも多いようだ。

元々長大で原作も三部作の「指輪」が映画三本に収まったのだから、そのまま映像化するなら、長尺の一本に収まるのではないかと思われる、この短いフロドの叔父さんの物語が長尺の三部作。

次回作、『ホビット ゆきて帰りし物語』The Hobbit: There and Back Again)、完結編が楽しみである。

公開日は当初予定の2014年7月から12月に変更になったようだ。

ホビット 竜に奪われた王国 “ホビットの冒険”は言わずと知れたJ.R.R.トールキンによる児童小説。
あの“指輪物語”の前日譚。

ホビットの冒険 オリジナル版
J.R.R.トールキン(著, イラスト)/瀬田貞二(訳)

単行本: 528ページ
出版社: 岩波書店 (2002/12/7)
ISBN-10: 4001156792
ISBN-13: 978-4001156799
発売日: 2002/12/7


発売日が2002年となっているが、これは重版の日付であろう。


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