GBのアームチェアCinema見ist:岳-ガク-

岳-ガク-

岳-ガク-

監 督 片山修
出 演 小栗旬/長澤まさみ/佐々木蔵之介/石田卓也/市毛良枝/渡部篤郎
脚 本 吉田智子
音 楽 佐藤直紀
主題歌 コブクロ「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」)
原 作 「岳 みんなの山」石塚真一(小学館)
製作年 2011


都内では上映館が殆どなくなってしまっていて、近在では「いつものシネコン」が一日に一度だけ上映しているという。

カミさんがね、観たいって。
(若い頃、夏の立山に住み込みしてた、今なら山ガールだし)
まぁ、景色を見るだけでも良いかな、と一緒に行ってきた。


岳-ガク- 原作の「岳 みんなの山」は、石塚真一による、山岳救助を題材とした漫画作品。
「ビッグコミックオリジナル」2003年19号に初掲載された。その後、同誌および「ビッグコミックオリジナル増刊」にて不定期連載を開始し、2007年7月からは「ビッグコミックオリジナル」に毎号連載となった。
単行本での題は「岳」である。
マンガ大賞2008、第54回(平成20年度)小学館漫画賞一般向け部門を受賞している。

映画は発表当時に刊行済みであった単行本11巻までのうち、前半のエピソードを基にしたオリジナル作品となる。

キャッチコピーは
 「生きる。」
 「標高3,190m 気温-25℃ 命は、命でしか救えない。」


全国315スクリーンで公開され、2011年5月7、8日の初日2日間で興収2億6,465万6,200円、動員20万8,416人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった。4割の観客が原作を読んだことのある読者であり、ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)でも第1位となっている。

ほぉ…結構いけたんだ。

さて、これは…見る人によって評価が結構分かれそう。

結論から言うと、私もカミさんも「かなり良かったんじゃない?」である。

いつものように観てきてからNetの評判を見ると…
楽しんでいる人は結構多いが、妙に大まじめにツッコミを入れている自称山男の様な方も又多いようだ。

確かに「アリエネェ」や、「チガウダロ」…は散見されるが…
娯楽映画である。
更に、元は「アリエネェ超人的な男」が普通に存在する「漫画」である。

昔から「ヲタクは映画を楽しめない」とよく言うが、ディテールをほじくってみるという楽しみはあるかも知れない。
それはそれで止めないが、折角時間を作って安くはない(と、ウチは夫婦20割だけど…)入場料を払っているのだから、素直に楽しめばいいと思うのだが…

良くできてると思うよ。


岳-ガク- 最初に主演が小栗旬だと聞いた時、「そりゃ違う、全然駄目…」と思ったモノだが、いやなに、なかなか小栗クンなりの三歩を演じていたと思う。
原作の世界観の再現には成功しているだろう。

あら探しをしようと思わずに観れば、これはなかなかの佳作ではある。
事故が多すぎ、それが作品全体を暗くしているが、山岳救助の世界を扱ったシナリオなのだから、事故に遭遇するのは当たり前と言えば当たり前。
ただ、あまりに事故を連続で見せられて、「また山においでよ!」と言われて素直に「うん!」と言えなくなってしまう人がいるかも知れないのは一寸かな。

映像は見事。とても綺麗で、水準が高い。


良くも悪くもコミックの映画化作品である。
原作をなぞろうと思えば、多少リアリティが欠如するのは仕方ないだろう。

ただね、冬山を駆け回る男達の顔が綺麗すぎるのが気になったかな。
山屋やスキー屋は「雪焼け」「山焼け」でもっとこ汚い顔してるモンだぜ。

岳-ガク- 個人的にはパイロットの牧のファンなのだが…
彼の出番が少ないのが残念。

少なくとも「劔岳・点の記」などより数段面白かった。
作劇センスの問題かも知れない。

これを観て、あぁ、山に行きたいなぁ…と私は素直に思った。
(私はクライマーではない、トレッカー、低山ハイカー:徘徊者程度だが…)

で、エンドロールの後にもおまけ映像があるので最後まで席を立たないように。

結論「よく頑張った!」

あ、そうそう。
映画館はやっぱり「設計が新しい所」に限るね。
椅子は座り心地良いし、客席斜度が適度だから、前席の頭が全く気にならないし。



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