GBのアームチェアCinema見ist:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ファンタスティック・ビースト

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(原題 Fantastic Beasts and Where to Find Them)

監 督 デヴィッド・イェーツ
出 演
エディ・レッドメイン/キャサリン・ウォーターストン/アリソン・スドル/ダン・フォグラー/コリン・ファレル
脚 本 J・K・ローリングス
音 楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
製作年 2016
製作国 米


カミさん、休日出勤だった。
天気も悪いし、風邪気味だし、咳出るし、鼻垂れるし、なんとなく覇気が無く、一日家から出ないで暮らした。

仕事終わったカミさん、「映画行くの」だと。

本日封切り、最終?レイトショウ?

へぇ、そんなに好きだったんだ。こう言うの。

帰宅後、鼻垂れダダ漏れだし、遅くなってしまったので、一夜明けての感想文。

日本で言うと小学校高学年から始まって、ハイティーンまでの学園ドラマだったハリー・ポッター・シリーズ。その本編に出てきた教科書を著した人物の物語。

ハリー・ポッターシリーズはまるで子どもだった主人公とその仲間がかわいらしく、話を進めるたびにリアルタイムで彼ら大きくなり、たくましく、美しくなって行くのも物語と共に楽しみではあった。
本作は…
最初からみんな大人。
どころか、なんと食い過ぎのスーパーマリオまで出てくる。

主人公は…アメリカの千秋先輩?あさの旦那様?
どこかで見た事があると思ったら…
馬鹿にしてはいけない、オスカー俳優。とぼけた中にも「学者」感溢れる、そうか、ホーキンス博士だったんだ。

スーパーマリオ、腕力で魔法を蹴破るし。
なんだかみんなして愛して恋して、なんだこれ。愛は突然になのか?

そして、なんとクレジットにも一言もないあの超有名スターまで一瞬登場する。
物語終盤近く、その大スターが登場することによって「To Be Continued」が明確になる。
(ネットでは封切り前から既に既定の事実になっているようだが)

本作は『幻の動物とその生息地』を原作とした未公開の映画5部作の1作目でありJ・K・ローリングによる『ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフ作品。ローリングは本作で脚本家デビューを果たした。『ハリー・ポッター』の映画シリーズと同じくデヴィッド・ヘイマンが製作を担当している。

J・K・ローリングによれば、物語はニュートン・スキャマンダーを主人公とし、『ハリー・ポッター』シリーズの70年前、1920年頃のニューヨークが舞台であるという。『幻の動物とその生息地』によれば、スキャマンダーは1918年から世界中を股にかけた魔法動物の探索を始め、1927年の研究の出版によりそれが最高潮に達したとされている。

2014年3月29日、「ニューヨーク・タイムズ」は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が3部作になると報じた。

5部作、3部作と情報が錯綜しているが、続編が複数作られることは間違いないようだ。

ファンタスティック・ビースト
主人公、ニュートン・スキャマンダー。
彼が編纂した本『幻の動物とその生息地』は、のちにハリーやハーマイオニーたちがホグワーツ魔法学校の授業で教科書として読む名著とされる。

物語は1920年代、狂騒の20年代、英: Roaring Twenties)または狂乱の20年代と呼ばれたアメリカを舞台とする。

第一次世界大戦の後で「ノーマルシー(Normalcy)」(常態に復すること、アメリカ合衆国大統領ウォレン・ハーディングが1920年の選挙スローガンに使った)が政治に戻り、ジャズ・ミュージックが花開き、フラッパーが現代の女性を再定義し、アール・デコが頂点を迎え、最後は1929年のウォール街の暴落がこの時代の終わりを告げて世界恐慌の時代に入った。さらにこの時代は広範な重要性を持つ幾つかの発明発見、前例の無いほどの製造業の成長と消費者需要と願望の加速、および生活様式の重大な変化で特徴付けられる。
(この項Wikipediaより)

アール・デコ、表現主義とシュルレアリスムが台頭し、大衆音楽、商業美術が花開き、文明が一気に前進した時代。
利権を求めてギャングが暗躍した禁酒法もこの頃。
作品にもそんな世相を感じさせるシーンが出てくる。

バブルが膨らみ、華やかなファッションが溢れ、何ともアーティスティックな時代。
本作の映像はそんな時代を背景に速度感溢れた演出で長丁場を一気に駆け抜ける。

ツッコミどころは少なくないが、スピンオフ物語に関わらず、ハリー・ポッター・シリーズと異なり「一見さんお断り」の要素は少ない。

ハリー・ポッター・ロストのファンは勿論、ローリングス初心者にも充分楽しめるだろう。

狂騒の20年代。アメリカ経済は空前の大繁栄をとげ、大量生産・大量消費の生活様式が確立した。
ラジオ放送やレコードが普及する。
ファシズムの台頭がはじまる。
暗黒の木曜日 - 世界恐慌(1923年)で世界は混迷に突入して行く。
日本で言うと関東大震災(1923年)。1926年、時代は大正から昭和へ。張作霖(1875年 - 1928年)が台頭し、暗黒の世界へ墜ちていった時代。

禁酒法
1920年、様々な社会問題を軽減する試みとして、アメリカ合衆国憲法修正第18条によりアルコールの製造、販売および輸出入が禁じられた。これは禁酒法と呼ばれるようになった。
禁止されることによって逆にスピークイージー(潜り酒場)の隆盛を招いた。

禁酒法の撤廃
1933年2月20日に提案されたアメリカ合衆国憲法修正第21条は同第18条を撤廃した。

そんな時代背景を意識したかどうかは不明だが、現代を舞台とした本編ハリー・ポッター・シリーズとは又異なる趣で楽しい絵作りになっている。

内容そのものは原作者JKローリングが脚本と担当してるので本編とのブレはないし、監督も今までのハリポタの世界観を引き継ぎ、不安のない映像を作り上げている。

但し、キリスト教世界観のガイジン故、また当然ではあるが、前シリーズ引き続き、「正義と悪」「光と闇」といった白黒明確な対立構造も受け継がれる。

感想としては「思っていた以上に素敵な作品」とは言える。

なぜ、ニュートがホグワーツを追放されたのか?
なぜ、ダンブルドアのお気に入りだったのか?
なぜ、あの写真の女性とは会えないのか?

続きは続編で。




return目次へ戻る