GBのアームチェアCinema見ist:ベニイ・グッドマン物語

ベニイ・グッドマン物語

ベニイ・グッドマン物語:The Benny Goodman Story

監  督 ヴァレンタイン・デイヴィス
音  楽 ジョセフ・ガーシェンソン
主  演 スティーヴ・アレン
助  演 ドナ・リード
製 作 年 1955/米
シナリオ ヴァレンタイン・デイヴィス

“キング・オブ・スイング”と呼ばれたベニー・グッドマンの半生を、数々の名曲と共に綴った音楽映画。

グレン・ミラー物語」の大ヒットにあやかって同作の脚本家ヴァレンタイン・デイヴィスが脚本・監督を務めた、いわば柳の下の泥鰌作品と言うことになる。
邦題は“ベニイ・グッドマン物語”だが、音楽ファンには彼の名前は“ベニー”と表記した方がしっくり来る。
製作当時、ベニー本人がまだ健在だったこともあって、シナリオ的にはかなり気を遣っただろう事が偲ばれ、平坦なラブストーリーにも見え、映画としては平凡にも思えるが、実は、これは良いのだ。
単純なラブストーリーなので、彼の音楽をたっぷり聴かせることに重点を置きながら作られているのが音楽ファンには堪らないのだが…

実は、何度見てもラストシーン、良いのだ。
アンコール“Memorys of you”、実は客席の彼女へのプロポーズ。
ドナ・リード、可愛いし…

もちろん、テディ・ウィルソンやライオネル・ハンプトン、ハリー・ジェームス、ジーン・クルーパー等々名代のジャズメンの共演は、ジャズファンにとっては言うこと無し。
主演は「グレン・ミラー物語」同様、グットマンのそっくりさん、よくまぁ探してくる、本人によく似たTV司会者のスティーヴ・アレン。
フレッチャー・ヘンダーソン役でサミー・デイヴィスSr.(親父さんの方)が出演している。


ベニー・グッドマン(1909〜1986)

ベニー・グッドマン 貧しいユダヤ人仕立屋の息子としてシカゴで生まれたが、早くから音楽の才能を発揮。最初はクラシックの演奏法を学んだが、ジャズに興味を持ち、少年時代から既に大人顔負けのプレーヤーだった。16歳で当時一流のジャズ楽団のリーダー、ベン・ポラックに見いだされ、彼の許で腕を磨き、19歳で独立。
25歳で「ベニー・グッドマン・オーケストラ」を結成し、全米を演奏巡業した。
グッドマンは、洗練された、しかし解りやすいビッグ・バンド・スイング・スタイル・ジャズを演奏して人気を集めた。
当時ダンス音楽としてしか評価されなかったジャズを、鑑賞のための音楽にまで高める一方、コンボ・スタイルの演奏では黒人ミュージシャンを採用し、音楽界での人種差別の壁を破った人物として知られている。
また、1938年にはクラシック以外の音楽家としては初のカーネギーでのコンサートなども行い、今でも音楽ファンに愛されている。



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