GBのアームチェアCinema見ist:アラジン

アラジン

アラジン(原題:Aladdin)

監督 ガイ・リッチー
脚本 ジョン・オーガスト
出演 ウィル・スミス/ナオミ・スコット/マーワン・ケンザリ/ナヴィド・ネガーバン/ナシム・ペドラド/ビリー・マグヌッセン
音楽 アラン・メンケン
原作 『アラジンと魔法のランプ』
製作年 2019


『突然歌うな!あまつさえ当然踊りだすな!』
いみじくも森田一義は言った。

実は私も昔は薄々そう思っていたのである。

土曜の夕方、猫時間Live会場へ出発しようと思ってたとき、カミさんからLINEが入る。
「明日映画、行く?」
え?あ〜た、明日はお友達とお出かけ言うとったやんか。
「予定変更」

と言う訳で、カミさんご所望の映画を観てきた。

Grand Sunshine
劇場は先日移転オープンしたばかりのグランドシネマサンシャイン。
日本一を豪語するだけあって、ちょっと豪勢。
ロビーを過ぎてチケット(電子)チェックを済ませ… まだ登る。
名画ポスター。ほぼ全作品見た事があるってのが我ながら何とも。

今までが草臥れていた館だったので、ひときわ綺麗に見える。

ただ、BESTIA(Best Immersive AudioVisual)システム上映しか空いておらず、200円高いのだとか。
BESTIAとは、4KレーザープロジェクションシステムのHDR(High Dynamic Range)映像と3D音響システム(イマーシブサウンド)で、音響は通常のサラウンドに加え、天井にもスピーカーを設置することで3次元の立体音響を実現させる。
また、チャンネルではなくオブジェクトをベースにしたオーディオフォーマットのため、爆発音、車のクラクションなど、映画のシーンで聞こえるあらゆるサウンドが、 チャンネルの制限がない独立したオブジェクトとして存在することが出来る。

…なんですと。

悪いが音、でかすぎる上に少なくとも音楽的な解像度は余り高くない。
塊としての音楽はあるがやたらパーカッシブで構成される個々の楽音の存在意味を聞き取る事が難しい気がする。
アクション、スペクタクル映画ならまだしも、音楽が重要な作品なら、これ、追加料金払う程の物ではないな。
一緒に行った映画マニアの三男坊も似た印象を持ったようだ。
曰く「システムが凄くてもオペレーションがちゃんとしてないと…」
解ってんじゃん、流石。


Cinema Sunshine
ついこの間までお世話になった旧シネマサンシャイン。
ボロかったけど、決して嫌いな劇場ではなかった。
今までありがとう。


さて、本題。

『アラジンと魔法のランプ』)は、『アラビアン・ナイト』(千夜一夜物語)として最も有名な物語のひとつ。 西洋に紹介されたアラビアン・ナイトの訳本には、この物語を含むものがあるが、アラビア語原典には収録されていない。いわゆるorphan tales(孤児の話)の内の一つである。 『アリババと40人の盗賊』と同様に、アラビアン・ナイトとは関係がないことがムフシン・マフディー(Muhsin Mahdi)の研究によって明らかになっている。
(Wikipediaより)

ディズニー映画である。
1992年に公開されたアニメ版のリメイク、その実写版。
2017年公開の『美女と野獣』と同じような物。

結論から言うと…

ナオミ・スコット可愛い!(歌、上手いし)
ウィル・スミス抜群!(もう、言う事ないし)

それだけで満足である。

群舞シーンもワクワク物だし、ディズニーなのでスペクタクルシーンも間違いない。
いや、ホント、ミュージカルに慣れたのか?私。

もう、何にも難しい事を考えずに楽しめば良いね、こういうのは。

実は私、ディズニー・アニメーションを殆ど見た事がなく、当然のように本作の元、アニメーション版のアラジンも知らない。
で、一応考察するなら、同じディズニー・プリンセスでもかつて見た“王子さまのキスを待っていた姫”、80年前の白雪姫やシンデレラとは、この浅黒いプリンセスは些か異なる。

受動的な“待つ女”ではなく、能動的“切り開く女”なのだな。

ディズニー・プリンセスには時代と共に3つ形態があるのだという。

第1形態は「王子に“選ばれる”プリンセス」
第2形態は「自分で相手を“選択する”プリンセス」
そして第3形態は「自らの生き方を“掴み取る”プリンセス」

アニメ版のジャスミン設定年齢がミドルティーンだったそうで、「王女なんてつまらない。自由に好きな場所に行きたい、自分が選んだ人を愛したい」だった(そうだ)。
実写版のジャスミンは「王女として婿を迎え王妃になるのではなく、自らが国王となって国を統治したい」と言う力強い女性。

しかし残念ながら
「(政治や世界のことを)本を読んで勉強しているの」。
知識は実践を伴わず、やっぱり在野の民であるアラジンの力を必要としたのであった。

まぁ、取り敢えずめでたしめでたし。
ディズニーだし。

ヒロイン可愛いきゃすべて良し。



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