GBのアームチェアCinema見ist:四日間の奇蹟

四日間の奇蹟

四日間の奇蹟

監  督 佐々部清
音  楽 加羽沢美濃(主題歌:平原綾香)
主  演 吉岡秀隆
助  演 石田ゆり子/ 尾高杏奈
製 作 年 2005
シナリオ 砂本量/佐々部清
原  作 浅倉卓弥


2005.6.16.衝動的に映画を見た。
コンテンツにしようと思っていたが、ずっとほったらかしになっていた。

原作は第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作。

今日は早じまいして帰って寝ようと思っていた昨日…
映画館街を通ったら最終回にぎりぎり間に合う。
で、見たかったのが今週いっぱいで、もう日にちが…
衝動的に入場券を買ってしまった。

石田ゆり子 ミス・キャストぢゃねーの?と思っていた西田敏行がなかなか佳かった。
ヒロインの石田ゆり子、余りよく知らなかったのだが、美人過ぎなくてなかなか可愛くて良ろしい!

石田ゆり子ね、スティール見たときは、んー…一寸かな?
と正直なところ思っのだが、なかなかである。

映画の方は…
可もなく不可もなしというところか。
ただ、映画館に出向いて、あの座席に座ると、それだけで高揚してしまう。
自宅でビデオを見るのとは明らかに精神的に違うのだ。
スクリーンとあの座席には魔力がある。

本編は、日本映画としては比較的長尺の約2時間。
それでも、良くできた文章を映像化すると、時間は絶対足りない。
勢い、エッセンスをまとめたダイジェストにならざるを得ない。

大筋は小説版とほぼ同じだが、詳細設定や話の流れが異なるのは致し方ない。
と言うよりも、500頁に及ぶ文章を映像化したら、とても2時間では収まらないだろう。

ロケーション設定は、原作とかなり異なるが、映像そのものは美しい。
ただ、「俺が頭の中に描いた情景は、こんな箱庭みたいなモノではなかったぞ…」という印象がものすごく強い。
なんだか、情景そのもののスケールが小さいんだよな…
実物を見に行ったら模型を見せられたみたいなイメージではある。
全体的に白っぽい画面造りなのは、女性好みのファッショナブルで清楚なイメージを意識したのであろうか?

原作で非常に印象的な、散歩のシーンは。まるで箱庭みたいだと感じてしまった。
私の中ではもっと雄大で荘厳な絵が組上がっていたのだが…

原作の文章を読む限り、少なくとも標高2,000mは越える澄んだ空気の色の中、早暁の逆行の中暗闇の稜線と光が漏れ始めた朝焼け空の間に人々と礼拝堂のシルエットが浮かぶ…
そんな絵を頭の中に描いていた。
少なくとも一人称視点や数m上空の鳥瞰映像ではなかった…

クライマックスの礼拝堂のシーンも、ちょっとスケール感が…

いや、映画そのものは決して悪い出来ではないとは思うのだが…
逆に、事故のエピソードなどは原作と全く設定が違うが、逆に映画版の方がリアルな感じがしたことも確かである。

原作付きの映画はどうしても説明不足の感が強くなるのは仕方ないかと思う。

「感涙映画」というカテゴライズをするのであろう、この映画、実は私は、主人公の各シーンでは特に泣けることはなかったのだが…

西田敏行の終盤近くのシーン(詳しくは内緒ね)では、深くにもちょっとウルってしまった。
巧いわ、やっぱり、このヲッサン。

女性に多大な人気があるという、主演の吉岡クン…
悪くはないのだが、私のイメージではもう少しごつい、と言うか、うーん…
ちょっと違うかな?と言う感じである。

重要キャストである、千織を演じた子。
巧いな。ピアノもかなりな腕らしい。
しかし、私のイメージでは、もっと硬質な娘の印象があった。
可愛くない、とは言わないけど、あんなにぷにぷにではないと思う。

ピアノと言えば、音はもちろん吹き替えたようだが、主人公二人の指使いに違和感がなかったのは大変好感が持てる。
かなり練習したようである。
音楽の絡む映画で楽器の扱いに嘘があるとそれだけで興ざめなのだ。

グランドピアノ等は演奏者正面からのショットでも、指は見えなくても、ダンパーの動きで嘘つくとすぐばれてしまう。
吉岡君はちゃんと弾いていた(様に見えた)。

映画本編について、である。
かなり特異な演出が施されている。
(内容はネタバレだから内緒。書きたのだが、これは書かない方が良いなぁ…公式サイトにもその辺り、書いてないモンね。)
かなり実験的というか、冒険だと思うが、わたし的には、この演出は評価して良いと思う。

上映館も少なく、短期決戦上映っぽいから…
すぐにDVD出そうだけれど、とりあえず急いで見たのだが…
実はまだロングランしているようである。

でも、やっぱり、映画館には魔力があるんだよな。
映画は劇場で見るのが一番!

☆某所に書き留めた日記より編集加筆

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