愚行連鎖 ランクルさん下半身手術

VZJ95との生活:49/ランクルさん下半身手術

Photo 2016年02月末。

相棒を車検に出した。
2001年製だから、15歳。車としては老境にさしかかるところだろうか。

快調である。
快調だと思っていた。
少なくとも前日まではがんがんに走り回っていたのだから。

半月程前に、車庫の床に油染みを発見していた。
何となく嫌な気がしてはいたのだが…

ディーラーのメカニックから連絡があった。

リアデフの油漏れがかなり酷いという。
後輪上の車体内部にかなりの量が飛び散っており、デフ内部のオイルが減っている、と。
その上、デフ(リアアクスル:リジットなので一体)の錆が酷く、触ると穴が開くかも知れない…と。

気付かなかった。何でそんなになるまで発見できなかったのか?

大切な相棒。なんとか直したいのだが…
リアの駆動系を殆ど新品パーツに交換する見積もりを見て、激しい頭痛に見舞われた。
リビルトパーツを探して貰っているが、ランクル系はどんなポンコツでも海外で飛ぶように売れるので、そもそも国内には実車も球数がとても少なく、リビルトパーツも見つからない。
アクスル回りを全交換したとしても、ショックの取り付け部フレーム等の錆がどの程度進行しているか分からない。

多分、冬場の融雪剤の影響だろう。
実際に現状を見ると、これは恐ろしくてこのまま動かすわけには行かない。

不思議なことにプロペラシャフト後端以前には酷い障害は殆ど無い。
巻き上げた塩分などが全て後輪回りにまとわりついて蓄積してしまったのだろう。
後輪回り以外には悪いところはない。

気付かなかった。何でそんなになるまで発見できなかったのか?

後悔が襲いかかってくる。

ディーラー(もう25年以上の付き合いか…)も私と車の関わりを知っているので買い換えろなどとは決して言わない。
言わないが、この修理を薦めるとも言わない。まぁ、そうだろうな。
営業もメカニックもどうしたら良いかという方向を言いあぐねている。

かけがえのない相棒だから…

何とかして直したいが予算の壁がとてつもなく高い。
結局、最初からそのつもりではあったのだが、前夜カミさんとも相談して結論を出した。
日曜日、散歩がてらカミさんを連れてディーラーまで行く。
長年の付き合いだが、現在の担当営業は、私の評価では営業所一番のハンサムボーイ。
彼を見たことがないカミさんはそっちにも興味があったかも知れない。

結論から言うと、多少金が掛かっても相棒は何とか復活させることになった。
一寸恐ろしい見積もりだが、少なくとも新車に買い換える程ではない。中古車も同一クラスを探せない金額である。

車検満了まで一月。しかし、新品パーツは発注後10日以上掛かるらしい。
なんでも、10年以上前に生産完了している型式なので、パーツは受注生産だという。

取り敢えず、もう少しリビルトを探して貰って、タイムリミットになったら新品パーツを発注しようか…と営業氏と相談をしていたら、カミさん

「修理するのに中古部品なんて、誰がどんな使い方したか分からないのは嫌」

だそうで…
一声で新品パーツ修理に決まった。
発注後キャンセルは出来ないが、それでも良いと。

なんか、ウチのカミさん男前かも。

いや、営業君が私の言うとおりのイケメン君だったからでもなかろう。

そもそも今回は一月後に車検切れるので、ゆっくりパーツ探ししてるわけにもいかない。

2016年03月中旬。

ずっと入院していた我が相棒、ランクルさん。
ディーラーのメカニックから電話があった。

工場で現物を見ながら話をしたいという。
何だ?一体。

結論から言うと、取り敢えず現役復帰で車検取得。

Photo
LSDも復活。
「以前のはあまり効いてなかったです」
と、少し走りも変わるかも知れない。

車検込みの請求金額は…
恐ろしくて書く気にもならないが、見積金額の1万円の位以下を値引きしてくれるとの事。
まぁ、1割引である。

これでまた暫くは相棒と暮らす事が出来そうである。

2016年03月。

ランクルさん15歳、帰還

壊れ掛かった我が相棒、ランクルさんは、取り敢えず下半身手術で現役復帰できた。
フレームにも錆が入ってしまっているのでいつまでつきあえるかは全く分からないが。
かかった修理費は車検費用諸々込みで某高級ギターの新品が買える位。


▼続く


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