愚行連鎖 VZJ95:V6との生活

気の合う相棒になれるだろうか…

処女航海:GBの勝手なインプレッション

納車直後
新車は納車されたのだが…なかなか遊んでやる時間がない。
日曜日にやっと三男坊のリクエストで「群馬サファリパーク」まで出かけた。
納車日、引き取りって帰り道「こりゃ、速ぇや!」と思ったが、同時に、“高級車”風サスペンションの腰のなさに驚いた。
オフローダーの柔らかい足、ではなくて軽いブレーキングですらバコバコノーズダイブ(尻が跳ね上がる?)する「ふにゃふにゃな足」の印象である。


まぁ、これでいじくり倒す楽しみは一つ増えたわけである。

(車高をいじくるつもりは全くないが、ショック・アブソーバーはそのうちに良い物を付けよう。
足回りにしてもエンジン廻りにしても、いじるのは少しノーマルで乗ってみてからだけどね。
それはそうと、この写真の顔、標準のすっぴんだが、カタログ写真にはこの顔が一枚もなく、あの悪趣味にして大袈裟、不格好で役に立ちそうもないオプションのバンパープロテクターとやらが付いた写真しか載っていないのはどうしてだ?)
ステアリングはランクル伝統のボールナット式からラック&ピニオンになっているそうだが、ラック&ピニオンのイメージではない。
オフ・ローダー「ランクル」として、意図的に“ダル”なステアリング・フィーリングを残しているのだろうか?
踏ん張りの効くショック・アブソーバーに交換すれば、もう少しクイックになるかも知れない。
もう、本気でクロカンするつもりもないしね。

ラック&ピニオンはどうも小型車のイメージなのだが、あの巨漢、100式ランクルもボールナットを捨ててラック&ピニオンになったそうなので、問題はないのだろう。

前輪がダブルウィッシュボーンの独立懸架になったお陰で、舵角が大きく、最小回転半径が小さくなり、車体は大きくなったモノの、今まで一回では曲がりきれなかった路地も一発クリア。車庫入れも楽になった。
(実は、ボディは長いがホイールベースも95系は77/78系よりも短いのだ)


スロットルレスポンスは悪くない。
音はLJ78に比べると驚異的に静かである。
カミさんの感想も「静かねぇ〜!」のただ一言である。
ディーラーで引渡説明の時も、窓を閉め切ってエンジン始動して、あまりの静かさに更にスターターを回そうとしてしまったくらいである。
(まぁ、ディーゼルの上、吸排気系をいじくったLJ78がかなり賑やかだったと言う事もあるが…
なんせ、LJ78、車庫から出したら、近所のオバサンが慌ててゴミ袋抱えて飛び出してきた車だから…悲しい。

オバサンって結構耳が鋭いみたい…特定領域で、かな?
ディーゼルエンジンって独特の「ガラガラ」音がするからなぁ。
更に、ウチのは排気管を取り替えてあって「ボボボボ」音が一寸大きかった。
我が師匠FJ氏が「船舶エンジン」と評した音であった。えー、どーせFJと違って焼玉エンジンのポンポン蒸気さっ!
ディーゼル車のオーナーは長く乗ってると少なからず、ゴミ袋オバサンとの遭遇の経験があるようだ。)
高速ドライブ中に受信したFM放送でバッハの管弦組曲が流れた。
…ちゃんと聞こえるのだ!
LJ78の時はハイパワーオーディオを自分でセッティングして、それでも、高速では殆どまともに音楽は聞こえなかった。
勢い、取りそろえた音楽ソースはJAZZやブラックミュージックに偏っていたが、これからは車載音楽の傾向も変わりそうである。
(だって、バイオリンの音なんか聞こえなかったんだもん)
メーカー純正で高速クルージング中にバロックが聴けるなんて…
ビバルディを聴きながら朝のドライブってのも素敵だね。

しかし、3,000rpm辺りからの加速時の音は腐ってもV6である。
V型エンジン特有の「ブロロロロ〜」と言うエキゾースト・ノートはかなり感性を刺激する。
ついつい、追い越し車線に出てキックダウンしたくなってしまうのは少々問題かも…
(きっとスポーツマフラー組んでしまうんだろうナァ…そのうちに。
そんでもって、TRDからこのVZエンジン用のスーパーチャージャーが出てるんだってねぇ〜!
65万円なんだってねぇ〜!!
車検通るんだってねぇ〜!!!
ふう…

で、「ぶいろく」「ぶいろく」と騒いでいたら、「ぶいろく」ってな〜にと質問された。

そりゃ、なんつったって、ジャニーさん好みの美形の少年たちが、歌って踊ってコントやっちゃうわけだから。
…ってそりは、ちがうのことあるな。

ぶいろく は ろくでもないていしゅのことあるな。
それは やどろく。う゛わしの ことぢゃ…
ちゃった
とぼけた ちょうなんのことかもしれんある。
それは じんろく。お゛ わしも ちょうなんぢゃった!

あ゛「ただいま るすにしております ぴーとなったら…」
うんにゃぁぁぁ〜っ!そりは るすろく あるよぉ〜!!

DVD-NAVI
音、と言えば音楽。
フルソース純正のDVD-NAVIシステムをサービスするというディーラーの条件も、車を替えるきっかけになったのだが、このオーディオシステムの音が何とも下品なのだ。
CD/MD/FM/AMビルトインのNAVIなのだが、ドンシャリ等という可愛いモノではない。
DSPとやらが付いていて幾つかのシチュエーションがプリセットされているが、ホールやらチャーチ・エフェクトやらのデジタルリバーブだぼだぼで、とても聞けたモノではない。


こういうのを“いい音”だと思い込んでいるのだとしたら、かなり貧相な耳の持ち主である。
本物の生の楽器音を聞いたことがないのだろうか?
それともこれは、基本的に“音楽を聴く環境ではない”極めて不利な箱である車内に合わせてのセッティングなのだろうか。
(ハッキリ言ってこの30万円近いNAVIの「オマケのカーオーディオ」より、2万円のラジカセの方が素直で気持ちの良い音がする、と言ったら言い過ぎか?
銀色に輝くパネルの色ももう少し何とかして欲しかったナァ…)

DSPをフラット(OFF)にし、マニュアルのイコライザで高音低音とも絞り込んでやっとまともな音になった。

センターコンソール付近
車内である。ガワは全幅12cmもLJ78(ナロー)より大きく(とはいえ、殆どはモッコリしたオーバー・フェンダーのせいだが…)、室内のセンターコンソールもLJ78の2倍幅はありそうな大型のモノである。
しかし、これで室内が広いと思ったら大間違い。
全体に70系よりもガラス部分の傾斜が強いだけでもかなり狭くなっているはずである。
計測したわけではないので確かではないが、センターコンソールが大きいのはその分座席が小さいからなのではないかと思う。
事実、窮屈なほどではないモノの、着座したときに何となく尻廻りや背中がタイトな気がする。

(あ、LJ78では標準で付いていたランバーサポートとサイドサポートがないぞ。これらが最上級グレードにしか付いていないのは、どう考えても変だ。
最上級グレードにしか付かないオプティトロンメーターは格好良いけど、でも、安っぽい木目模様プラスチックの内装なんか嫌、要らないぞ。趣味悪ぅ〜!
んで、廉い方のグレードにしたのだが…腰痛持ちとしてはシートは良いのが良かったナァ。)

ペダル廻りは流石に設計が新しいだけあって、自然に足を置いたときにしっくり来る。
普通に着座すると左足がごく自然にフットレストに乗るのだ。
70系のATではフットレストの位置関係が余り良くなく、内側に寄り過ぎているきらいがあり、フットレストに足を納めるとかえって疲れる感じすらあった。

70系では左足膝下の辺りにあったトランスファー・レバーが、コンソール左端、かなり「あっちの方」へ移されている。
フルタイム四輪駆動であり、仮にパートタイム四駆であっても確かに走行中に切り替えるモノではないので多少遠くとも良いのだが…
センターデフ直結したいときには、車を止めておもむろに「どっこいしょ」という感じになるだろう。

2列目シートは、70系にはなかった大きなフロアトンネルがかなり存在感を持っている。
コンポーネンツをサーフと供用しているのが原因だろうが、2列目の真ん中はあくまでも子供用座席と割り切るべきだろう。
2列目真ん中にもヘッドレストが装備されたのは歓迎すべき事である。
3列目シートは78系に比べると収納時、だいぶコンパクトかつ高い位置に取付けられ、取り外しも可能で荷室の使い勝手は良くなっている。
(2列目も3列目も真ん中だけは2点式固定シートベルトなのが少々気になるが…)


バックスタイル
バックドアはナンの変哲もない一枚ドアになってしまった。
ハチマルでも観音開きは一番廉いグレードのみだったようだが、やはりランクルは後ろ観音がイメージである。
荷役性も一枚ドアとは比較の対象にならない。
大荷物を後方スペースが取れない状態で積み込むときや、雨の日にちょっとだけ荷物の出し入れをしたいときにこの大きくて重いドアを開けなければならないのは少々気が重い。
観音開きは真ん中のドア枠が後方視界確保に不利だ、というのが一枚ドアの理由だそうだが…そんなモノは慣れである。


もっとも、この95系のデザインに後ろ観音が似合うかどうかは…難しいところでもある。
また、デザイン上の理由であろうが、サイドウインドウのガラス部分傾斜がきつくなってしまい、この面積では後部ドアを二枚に分けることが難しくなってしまったことも想像に難くない。
(ご覧のように、ワークホースの象徴とも言える頑丈な後部牽引フックは、取付フレームすらなくなってしまった…)

我が家の95はリアフォグランプ装備であるが、これは寒冷地仕様必須前提の装備である。
寒冷地仕様はリアフォグが欲しかったからではなく、言うなれば私にとってのランクルのアイデンティティでもある。
一番大きな理由としては、リア・ヒーターが寒冷地仕様とセットでないと装備できないということにもよる。
(前任のLJ78ももちろん、寒冷地仕様/リアヒーター付だった。でも、ガソリンだと、寒冷地仕様でもバッテリーは並列二発ではないのは初めて知った。
バッテリー一発仕様なら万一の時の出費が半分で済んで嬉しい…)

細かいことのようだが、サーフ系とフレームを供用した弊害だろう。70系で荷室最後部、丁度燃料タンクとバンパーの間に位置していて非常に重宝だった「床下収納庫」が廃止されている。
折り畳みスコップやハンドウィンチ、ブースターケーブル、牽引ロープ、鉈やハンマーその他諸々がすっかり収まっていたのだが…入れる場所が無くなってしまった。

(もっとも、この90系のデザインに泥臭いスコップやハンドウィンチは少々ミスマッチのような気もするが…持っているに越したことはない。)

ついでに言うなら、荷室側面の車載工具/ジャッキスペースも、70系では追加工具や折り畳み十字レンチやケーブル類をまとめて一緒に収納できる余裕があったのだが、90系では車載工具袋に自前のメガネ数本とプライヤーを入れたら、蓋が閉まらないくらい狭くなっている。
ううむ…フツーの人はそんなに道具類は要らないのかな?
その代わり、と言ってはナンだが、助手席の下に結構大きいプラスチックの引き出しが付けられている。
追加工具類はこちらに引っ越しである。

サイド・アンダーミラー
最初に見たときに、不格好でどうにも許せなかった、左前方に突出する「補助確認装置(サイドアンダーミラー)」だが、実は、この二面鏡はなかなか良くできており、左側面と前方真下が非常によく見える。
不格好なのは確かであるが、これはこれで優れた装置なのかも知れない。
これに関してはリアアンダーミラー同様、「見場より機能」であろう。

最初のモディファイ


顔が変わりました
遅れること一週間で、注文して置いたスポーツグリルが届いた。
ちょっと、オシャレでしょう?
(純正の割に仕上げなどが余り良くなく、収まりが悪く、取付時に修正加工を要するのは頂けない。取付ガタを収めるのに結構苦労してしまった。アフターマーケットパーツより安かったけど…)
LJ78ではステンレスパイプのランプステーに補助灯やリア・ラダーを装着していたが、今回は“ヒカリモノ”と空気抵抗の増えそうな外回り突出アクセサリーの類は出来るだけ避けて品良く(?)コーディネートしようと思っている。
考えてみれば、ラリーレイドマシンにはやたら外付けパーツは付いてないモンね。

オリジナルの顔も、決して嫌いなわけではないが、“ヒカリモノ”排除計画の一端としてグリル交換を敢行したのだ。
あのヘンテコなバンパープロテクターのないすっぴんの標準顔は、それはそれで素敵なんだけどね。
サイドミラーもピカピカのメッキではなく、輸出用の「黒つや消し」が手に入れば嬉しいのだが…(今度ディーラーで聞いてみよう)



んで、ガソリンランクル買っちまった訳だが、車体も排気量も大きくて燃料も喰いそう。
(おー!借金こそ我が人生!!GNPバンザイ!!)
カミさんには言えないが、燃料喰うなんてのはカーマニアに取っちゃ、基本的にはどーでも良いことなのだが…
(気持ちよければコストは余り気にしないのがマニアさ)
さて、効率よく、燃やす燃料の少ないディーゼルと景気良く燃料を焚きまくるガソリンと…
果たしてどっちが環境インパクトが少ないのかな〜??

もっとも車に乗る時間なんか殆ど無いから、排ガスも出さん。
(もちろん、都内で通勤に車を使うなどと言う非国民的行いは絶対しない。あ゛、つーきんドライバーさんゴメン!)
よって、ウチの車は環境に優しいのである。

ディーラーに行くときは大体いつも自転車なのだが、担当者や店長が怪訝な顔をする。
一人で移動する数kmの距離に自動車使うなんざ人非人だっつーの!

前にも書いたが、私ゃ「車に乗りたい」んじゃなくって
「ランクルという文化と暮らしたい」のである。
かっこよく言うと…
戦後日本復興史の中で、ミリタリーに拒否されて民生用と未開発地への進出を余儀なくされ、逆にそのことによって発展してきた、ランクルという“一つの出来事”があったのだ。

ランクル--当時のトヨタBJジープ--は、戦後すぐの警察予備隊の入札に負けたのね…
ちなみにそのとき採用されたのは三菱製のノックダウン生産の本家ジープ。対抗のランクルと現在の日産サファリのご先祖、日産パトロールは残念ながら採用されなかったのだ。

現在でも、中東やアフリカでは車=ランクルだし、医療NGO等もランクルなしでは成り立たないのとか。
(ランドローバーはまだしも、パジェロやジープでは使い物にならないらしい)

パリ・ダカール・ラリーで有名なパジェロは名前だけがパジェロで、実際にラリーを走っているのは市販車とはまるで違うプロトタイプなのは誰もが知るところ。
しかし、ランクルはディラーから届いたままで、すぐにパリダカに出られるポテンシャルがあるのだ。
実際にパリ・ダカのプロと以外のクラスで上位に沢山いるランクルは市販車に手を入れただけの物である。

エコ・プロジェクトでハイブリットカーのサハラ横断の時も、サポートカーとしてのディーゼルランクル(3,000ccのプラド)がなければ計画すら立たなかったというのが皮肉っぽくて面白い。

ちなみに今年でランクル生誕50年
ランクルという名前が付いてから47年…実は私と同い年なのだ。


▼ ウチのランドクルーザーのこと:2

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