市民の皆さんへ(2)-- 建築家は、お医者さんのようなもの


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記載者:高木恒英 on September 15, 2104 at 01:06:26:

これからお話することは、いち建築家として私から市民の皆さんにお伝えしたいことです。多くの建築家は同じ考えと思いますが、JIAの統一見解ではないことをお断りしておきます。

私たちは、体の具合が悪いときには、お医者さんに診てもらいます。日本では診療報酬が制度化されてどこでも変わりませんが、もし、そういう制度がなく幾らでもよいとなったら大変ですね。それこそ慎重にお医者さんを選ばなきゃならない。皆さんは、自分の体を診てもらうお医者さんを選ぶのに、料金の安さで選ぶでしょうか。

商品として製品化された物品を買う代金と、これからつくる建築の設計を依頼する料金とでは、まったく性格が異なります。設計を依頼された建築家は、何千万、何億、何十億という大変なお金の使い道を任されるようなもので、依頼者にたいして大変な責任があります。

公共施設の設計者を競争入札で決めるやり方は、市民の皆さんの貴重な税金の使い道を託す建築家を、その料金の安さで決めるというものです。市民の皆さんにとって、こんなやり方が納得できるでしょうか。

「基本設計を受注すれば、きっと実施設計も受注できるから、基本設計が
タダでも25%引きするようなものだ」という声が聞かれます。それなら、なぜ基本設計と実施設計の契約を分けるのでしょうか?

台東区の病院(基本設計予定価格3600万円)を、8366円で区と契約した松田平田設計は、今回の応札について陳謝し、実施設計の辞退を表明しました。彼らは、まさに契約どおり8366円で、区民の長年の夢だった病院の設計をやることになります。台東区民の皆さんは、こんなことを納得できますか。


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